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会いたい人には会いに行こう【ルードヴィヒ仙台公演】

昨日、「ルードヴィヒ〜Beethoven The Piano〜」というミュージカルの仙台公演を観てきました。


私、キャストの福士誠治さんが好きなんです。

中村倫也さんも好き。


その2人に会えるなんてうれしすぎて、公演の2〜3日前からこんな感じでした↓

想像しただけで膝から崩れ落ちそう


そして行ったあと↓

最高すぎた…

言うまでもないですが、すごく良かったです!!!


今日の記事は長いので、見出しを作りました。

面倒な方は、気になった見出しのとこだけクリックして読んでいただければと思います。


ミーハーな気持ちでテキトーに観に行ってしまった人の薄い感想


では、ネタバレにならない程度に感想を述べたいのですが、私は「ルードヴィヒ」って、観に行く一週間前くらいまでモーツァルトと間違えてました。


フライヤーの中村倫也さんのビジュアルはどう見てもベートーヴェンなのに、脳内ではなぜかモーツァルトに変換されてました。


モーツァルトはヴォルフガングなのにね。やばいね。


私、音大のピアノ科を出てるんだけど、幻だったのかなと思うことあるよ/(^o^)\

AO入試だったから、実力ないのに入れちゃったし。


それはいいとして、今回の公演は中村倫也さんが主演であることと福士誠治さんも出演されるっていうことだけでチケットを取り、事前に予習などは全くしませんでした。

まぁ、新しい物を買っても説明書読まないし、初めての場所も「行けば何とかなる」と思ってる人なので…


でも中村倫也さんと福士誠治さんを生で観れて、なんかピアノの話で、しかもどうやら河原雅彦さんが演出しているんだったら、おもしろくないはずはないし、それだけで観る価値がありすぎると思いました。


(河原雅彦さんは、ずっと前にクドカンさんと共同で雑誌の連載をしていたのを本にまとめたやつを読んだだけなんですけど、それがめちゃくちゃ面白かったので、一度舞台を見てみたかった)


そんな、今回の作品の雰囲気を一言で表現すると、終始激しかったです。


厳しい運命に翻弄されたベートーヴェンだから平和な話なはずはないんだけど、それにしても激しかった。


私、そんなにたくさん舞台を観てるわけではないけど、今までの人生で観てきた舞台の中で確実に一番激しかったです。


ベートーヴェンの絶望と慟哭を、中村倫也さんと福士誠治さんが基本ずっと全力で表現していました。


喉とメンタルは大丈夫なのかなぁって心配になってしまうくらいの熱演でした。


ていうか、この前日の夜にも公演があったみたいだけど、俳優さんの体力って一体どうなってるんでしょうか…


だけども、主演の中村倫也さんだけでなく福士誠治さんもほぼずっと舞台に出ていてくれてうれしかったです。

ちなみに私は福士誠治さんが何の役なのか知らずに観たので、立ち位置を把握するのに少し時間がかかりました。

(さすがにそれくらいは調べればよかったと思う…)

福士さんは結局、場面によって役がコロコロ変わる人でした。

でも見事に全て演じ分けていて、声も役によって使い分けていて、相当な演技力がないとこなせない立ち位置でした。


そんな2人の演技で、ベートーヴェンが交響曲を一曲ずつ書いていく様子が描かれたのですが、


最後に第九にたどり着いた時の演出が、実際に第九を聴くor歌うときの高揚感を可視化してくれて最高でした。


第九の合唱が始まるところって、何であんなにワクワクするんですかね。


来るぞ来るぞ、ドカーン!!!っていうのが、いつどこで何回聴いてもまじフロイデですよ。


(ちなみに大学の時、第九歌ったことあります。高音出ないのにソプラノに居座って、本番でもほぼ口パクだったけどね!)


ただ、作中でベートーヴェンが幸せの絶頂にいたのはほんの一瞬でした。


以前、街の図書館でたまたま「ベートーヴェンは親がアルコール依存だったため、彼もまた機能不全家族で育ったアダルトチルドレンだった」という文献を見たことがあるのですが、今回の作品ではそれにも触れていて、つらいなぁ〜と思いました。



まぁ、ベートーヴェンがどのように苦難と向き合い、どのくらい幸せを感じて生きられたのかは本人にしかわからないんだけど、結果的に死後何百年たった今でも偉大な音楽家として語り継がれ、作品が生き続けているのはすごいことですよね。


ただ、それが彼にとって幸福なことなのかどうかも本人だけが知るところであって…

「ルードヴィヒ」はフィクションに実際のエピソードを織り込みながら作った作品とのことで、ベートーヴェンという音楽家について、あらためて考える良い機会になりました。


ちなみに冒頭から出ていた人の中で、音楽家であることは確かだけど素性のわからない男性がいました。


でもその人の名前が最後の最後で明かされて「ア"ーーーーッ!!!」ってなりました。


最高のお楽しみという感じになったので、そこは事前に調べていかなくてよかったです。


ちなみにそれが誰なのかは、音楽史にある程度詳しい人なら予想がつくと思います。(諸説ありとのことですが、結構有名なエピソード)


私は、

大学で音楽史の授業を全く取らなかったからわかりませんでした/(^o^)\


後になってよく考えてみれば「そんなエピソード、聞いたことがあったかも」とは思いましたが、その程度です。

(必修なのはレッスンとゼミだけだったから、それ以外に何の授業を取るかは全て個人の判断に任されていました)


まじで何しに音大へ行ったのかね…


社会に出てレッスンの仕事をするようになって、生徒さんに「この時代の人はこういう傾向があるから〜」ってよく説明はするけど、なんて自分の知識には中身がなさすぎるんだろうと思い知らされました。


だから、どの時代にどんな音楽家がいて、誰が誰に影響を受けたとか、同じ時代でも誰が歳上なのかとか、そういうのをこれから勉強しようと思いました。(今さらすぎる)


千穐楽のカーテンコールに立ち会えた幸せ


私が観た公演は、幸運なことに千穐楽でした。


だから会場全体が最初からすごい熱気に包まれていて、実際に開演してわずか数分で泣いている人が私の周囲に何人もいました。

カーテンコールの時は当然、スタンディングオベーションでした。

私も、いつまでもこの時間が終わらないでほしいと思いながら拍手を続けました。


終演後は、ロビーでDVDの予約受付をしており、迷わず申込みました。

自分が観た公演を映像でも観たいし、今度はキャストさんの表情をアップで観て、今日の感動を振り返りたい。

私は大大大満足で帰宅しました。


…でもそれにしても、劇中でさんざん叫んで怒鳴ってわめいていたのに、皆さんどうしてラストであんなに伸びやかな声で歌えるんですかー _:(´ཀ`」 ∠):


私、声楽の伴奏をよくやらせてもらうんだけど、正しい発声で歌うだけでも本当に大変なんだよ…

伴奏してると自分も歌いたくなってくるけど、とても真似できないんだよ…


よく、「ピアノやってる人ってさー、歌も上手いんでしょ」って言われます。


でもそれは大きな誤解です。



無理してでも観に行ってよかった!


ここからは、超個人的な話です。


実は、福士誠治さんは去年の年明けにも別の舞台で仙台に来ているんです。

当時CMで見て、行こうかどうしようかかなり迷ったんです。


でも、その時私は出産した直後で、夜中の子どものお世話で生活リズムがめちゃくちゃでした。


加えて、出産前に1ヶ月半以上の管理入院をしていたため体力が落ちまくっていて、慣れない育児をしながらの状態ではなかなか体調が回復しませんでした。


その頃は夫が育休を取ってくれていたので、息子のお世話をお願いして一人で外出すること自体は可能でした。


しかし体調の悪さに冬の寒さ、そして未知なる感染症への不安も加わって、どうしても行く決断をすることができませんでした。


状況的に仕方なかったけど、私はその時のことをずっと後悔していました。


だから今回は、本当にありがたい機会だったのです。

とはいえ、今は今でパートの仕事を始めたりして、スケジュール的に厳しいものがありました。

でも、前と同じ後悔をするのは嫌でした。


で、実際に行ってみて、「これは行かなかったら前回以上に後悔するレベルだった」と思いました。


2020年以降、あらゆる社会活動が自粛・縮小され、倒れそうになるほど感激するとか、心を揺さぶられる出来事って少なくなってしまっています。


私はそれに加えて育児が始まったので、自由に自分のやりたいことができません。

世の中の行動制限が緩和され、旅行支援などのサービスが始まっても、なかなか帰省以外で遠出はできないし、ちょっと近場の観光地とか温泉に行くことすらもできていません。


でも、本当に行きたい・好きな人に会いたいと思ったら、無理してでも行くべきだと思いました。

(※風邪の症状が出ている場合を除く)


特に舞台の地方公演などとなると、その時しかチャンスがない、ということがほとんどです。

それだけでも十分大変なことなのですが、現在育児中の私がそのチャンスを掴みたいと思ったら、息子を見てもらうため周囲にお伺いを立てるところから始まります。 

その上、状況に応じて息子の食事や着替えを準備し、自分のスケジュールをはっきりさせて、限られた時間内で行動しないといけません。


それだけでも、かなりのエネルギーを必要とします。


つい数ヶ月前までは、それが面倒すぎて「だったらいいや」と簡単なことですら諦めていました。


でも、それを超えて行動すると確実に世界は開けることが、最近少しずつわかってきました。

また、不自由な状況に置かれているからこそ、自分の希望を叶えられたときの喜びは大きくなります。


今後もしばらく、育児優先の日々は続きます。


でも、自分がやりたいと思ったことは周囲の助けを借りながら、可能な限り実現させていこうと決めました。

昨日は本当に、何と素晴らしい体験をさせてもらったことか…

この感動を糧に、12月も頑張りたいと思います。


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