②脳の検査を阻む歯
今私の脳に直接語り掛けています…
「ねぇ、脳?出血するにしても今じゃ無いよね?」
脳幹に出血がある。
もちろんショックだった。
CT写真もショックだった。
でもそれ以上に今このタイミングで入院や手術をしなきゃいけないという言葉が受け入れられなかった。
だって1週間後に私は岩本照、宮舘涼太、そして大好きな深澤辰哉の舞台を見にいく予定なんだぜ?
初めてのSnowMan現場なんだぜ?
私の脳であるお前が、誰よりも私の楽しみにしていた気持ちを知ってるだろう?
「何かの間違い。間違いじゃなくても今じゃ無い。」を頭の中で繰り返しながら紹介状を抱きしめ総合病院に向かった。
とりあえずMRIを撮ろう。MRIで詳細な画を見れば何かの間違いだとわかるだろう。
ところで
自分はコロナ第二波の頃に東京からUターンした地方在住者だ。
頻繁に東京には出ていたが、1週間後の予定はいつも以上に楽しみだった。
東京を離れて自分の中で止まっていた時間が再び少しずつ動き出す様な、そんな完璧な3日間を過ごすつもりだった。
1日目:東京で勤めていた職場の新オフィスに遊びにおいでよ!のお誘い&大好きな当時の先輩方と数年ぶりの食事
2日目:初めてのSnowManの現場「祭GALA」観劇(今だから言おう。一生分の運という運を全betした神席だったと…)
3日目:6年前 東京在住時に始めた歯列矯正 ついに感動のフィナーレへ
GALAもだし1日目の大切な予定も失いたくない。
歯の矯正だって、地方からの通院について歯科医から何度も何度も嫌味を言われながら耐え抜いて来た…
そう、まさかこの歯列矯正のフィナーレが波乱を巻き起こすなんて、総合病院に向かう私はまだ知る由も無かった…
MRI撮れませんでした!
総合病院に着いたらMRI窓口へ即座に誘導して頂けた。
そんなに急を要するのか…と徐々に自分の身に起きている事の重大さを感じ始めていた。
が、しかし。
初っ端からMRIの技師の先生を困らせる事となる。
そう私の歯が。
「あー…歯に矯正付いてますか?しかも東京の歯医者さんの!?
んー…その矯正の器具がMRIに入っても大丈夫な素材を使用しているのか、今すぐお電話で担当の歯科医師の方に確認して頂いてもよろしいですか?」
歯にブリッジが付いていると、おいそれとはMRI画像が撮れないらしい。
撮る場所が頭部でなくとも強い磁力で画を撮るMRIにおいては基本的に確認が必要だそうだ。
なるほど。
とりあえず東京の歯医者に電話をした。
この歯医者が本当に曲者で非常に頑固な分からず屋だというのを自分は6年かけて思い知らされている。
案の定問い合わせの回答はこうだ。
「矯正器具の素材がMRIに影響を与えるかはわかりません。
メーカーにも確認しようがありません。
ご自身で外されてみたらどうですか?まぁ外せるかわかりませんけどw?
1週間後に全部取る予定ですよね?MRIはその後ではダメですか?」
流石です。拍手!
1人の歯科医師である前に、余計な一言で人の心を逆撫でするプロフェッショナルです。流石としか言いようがありません。
MRIの技師の先生も電話を代わってくださった。
緊急の事態であること含め説明し、矯正装着時のMRIへの侵入の可否を何とか確認できないか。
粘り強く説明、説得してくださった。
ダメだった。
話の通じる相手では無かった。
パニックに陥った私が院内の通話エリアで電話越しにキレ散らかした。それだけの時間だった。
1人友人にあの歯医者を勧めてしまった事、今強く後悔と反省をしています。
申し訳ない事をした。本当にごめんなさい。
歯の矯正全部取る
私の脳の白い丸は絶対に問題がない影だ!
それを一刻も早く証明して水曜日の朝の便で私は羽田に飛ぶ!!絶対にだ!!
地元の歯医者さんに他院の矯正を今日のうちに外してもらえないかと泣きついた。
快く時間をとってくださり綺麗に器具を取り外す事ができた。
本当にありがとうございます。
口コミでベタ褒めさせてもらいます。
まさかこんな形で6年間の歯列矯正が終わるとは、呆気ない最後だった。
ここまでが4月12日の1日で起きた出来事。
この時点で金曜日の夜。平日が終わる。
結局MRIの撮影は3日後の月曜日になってしまった。
矯正が取れた歯で食べる夕飯は美味しいなぁ…と思いながら少し泣いた。
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