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#416 商人になって鎌倉散策

2023.8.26.
先日、F先生から「M先生と鎌倉に行くんですが一緒にどうですか?」とお誘いいただいた。F先生もM先生も歴史好きの最強コンビ。そのお二方の鎌倉散策。これはぜひご一緒したい。

残念なことに私は歴史になかなか興味をもてない人間なので、6担になったときも毎回指導事項を調べて調べて、組んでる先生に相談したり質問したり、動画教材に頼ったりと悪戦苦闘しながら授業をしていたタイプである。
物知り弟から戦争についての解説を聞いたり、F先生に授業の流れを聞いて試してみたり、M先生の研究授業資料を参考にしながらペリー記念館に行ってみて実際の雰囲気を感じたり…興味がないと言えど、自分の知ることが増えると、面白いなあと感じるところもたくさんあるものだ。

お2人についていって、どんなものが見られるのか楽しみ。


★当日までドキドキ

ちょうどその頃、「鎌倉が観光客でめちゃくちゃ賑わっている」というニュースを見た。小町通りなんかは人で溢れているらしい。暑さも厳しいし、熱中症や人混みに注意だなあ。

小町通りもそうだし
スラダンの踏切もニュースに

すると、約束した日の1週間程前、予定表が送られてきた。

鎌倉旅案♡
①8:13金沢八景駅からバス
②8:24朝比奈切通し歩き約50分
③9時半過ぎ切通し抜けて、十二所神社前
④徒歩35分で鎌倉宮到着
⑤徒歩10分で頼朝の墓
⑥徒歩13分で鶴岡八幡宮
12時前後でランチ。午後は山道や小町通り、お茶、最後は由比ヶ浜で海を見て帰る。または海の後温泉入って帰る。

メールには…

しおり並みの行程表!流石である。

切通し?とは何ぞや。早速弟に聞いたところ

切通し(きりどおし)とは、山や丘などを部分的に開削し、人馬の交通を行えるようにした道である。
源頼朝が幕府を開いた鎌倉は、南が海で他の三方が山に囲まれた閉鎖的な地形で防御には適していたが、交通には不便だったため切通しが整備された。

Wikipediaより(弟に聞いた言い回しを忘れてしまったため)

とのこと。鎌倉は三方を山に囲まれているので、それを越えて通れるように山を削って作った道…なのかな。へええ!
「切通し歩くのか。なかなか面白そうな会だね。」
弟様にお褒めの言葉をいただき、ますます楽しみになる私であった。


★バッドコンディション

当日。
うっかり前日にめちゃくちゃお酒を飲むメンバーでの飲み会が入ってしまい、気をつけて飲んだものの多少の二日酔い。。。45分間の京急線で、回復を図ろうとする私。笑。
そして、M先生が諸事情により参加できなくなってしまい、ついていくぞーなどと生温い考えだった私は不安になる。…あまりにも丸腰!あまりにもバッドコンディション!


★朝夷奈切通しを歩く

金沢八景の駅からバスに乗り、朝夷奈切通し入り口へ向かう。鎌倉には切通しが7つあり、距離は短いが一番険しい道らしい。大丈夫かな。

ドキドキしながら歩く私に、F先生から本日の名言が飛び出す。

「私たちは、商人。」

心構えが全然違うっ!!!!!

入り口の説明を読むと、この切通しを使って塩などを運んでいたらしい。ということで、塩を運ぶ商人の気持ちで通ってみよう。

入り口
スタート

切通しに入ると、道はこんな感じ。

この右側、蔦や木に覆われているけれど、石というか岩が削られていて、道になっている。え、どうやって削って、どうやってどこに持って行ったんだろう?両サイドの岩がかなり高いところもあり、重機もない時代に、どんな方法でこの道を作ったのか、想像もつかない。

途中には、岩が削られて石碑みたいなものが置かれているところも。この切通しを作る中で、亡くなった人を祀るもののようだ。そりゃあ、こんな壮大なものを作る中では、亡くなった人もいるんだろうな。

足元にはたくさん土嚢が

そして、足元には…謎の虫たち。ひええ!
しかも、いっぱいいるの!こう…足を一歩踏み出すと何匹かその足を避けてパッと広がっていく感じ…伝わるだろうか。

多分これ

地面にいるやつもいれば、何やら飛んでるものもいるし、周りの木々をよく見ると立派なクモの巣が張っていたり。

私、家の中に小さいクモが出るだけで狼狽るほどの虫嫌いなので、もう生きた心地がしない。

切通し、すごーい!
虫、嫌だー!

ほぼこの2つしか言葉が出てこない…。まあ、丸腰にバッドコンディションだからな。そして歩き続けると、腕に浮かぶ玉のような汗。木々で日陰ではあるけれど、まあまあの暑さの中で山歩きをしているので、こうなるのも無理はない。

切通しの最後の方に滝があって、光が差し込んでいて、神々しく美しかった。

その滝の辺りで、道の向こう側から入ってきた男性2人組に遭遇した。良いカメラを持っていて、穏やかそうに会話をして、山道に向かっていく2人。あの若い2人組は、一体何を目当てに切通しに来たのだろうか。

と、そこで気付いた。

結構時間をかけて切通しを歩いてきたけれど、彼らに会うまで、道中で誰一人として人に会わなかったな!あれ?鎌倉では人混みに注意…とは?

切通しを出たところには、太刀洗川(たちあらいがわ?)が。太刀を…洗うのか…血ですかねえ…などと言いながら進んでいく。

太刀洗川

さらに歩いていたら、栗を発見!栗と柿が並んでいる家が。さるかに合戦かーいなどと笑う私たち。セミの声、青い空に白い雲、暑いけど日陰で吹いてくる風はちょっと涼しい。田舎の夏だ!

栗!


★鎌倉宮を目指す

次なる目的地は鎌倉宮。

鎌倉宮は、後醍醐天皇の皇子大塔宮護良親王を祭神として、明治2年(1869年)に 建武の中興に尽くしたものの若くして命を奪われた護良親王の遺志を後世に伝えることを望まれた明治天皇が創建しました。

鎌倉観光ポータルサイト「鎌倉ぷらぷら」より

このとき、切通しの出口である十二所神社から鎌倉宮への道はナビに2つ出ていたそうだ。で、何気なく選んだその道…なんとハイキングコースだった。
しかも、入り口これ↓
この不安を煽る入り口がスタートだったのだ。

この先、「道か?」と訝しがらずにはいられないコースへと突入。

ピンクのリボンが辛うじてコースだと教えてくれている

このハイキングコースが…本当にすごかった。倒木あり、避けきれない程のクモの巣、背の高い草、足場が見えないほどの細い道、かなりの高低差。
F先生に先頭をお願いした。私が前だったら、虫が怖すぎて一歩も前に進めなかったことだろう…。
修行である。そして滝のような汗。こりゃあ…お酒は抜けたな。水筒の麦茶、ポカリを2本。

ちなみにこのコースについて先ほどネットで調べてみると…

コースそのものは、初心者向きですが、アップダウンは天園ハイキングコースの中でも激しく、しかもアプローチが長いため、体力は他のコースよりも必要です。
倒木が多い時期は夏から秋にかけての台風の時期です。また草木が生い茂るのもその頃の季節です。だから夏から秋にかけては、あまりおすすめしません。
また草木が多いので虫なども多く、夏場は蚊や蜂にさされることもあります。また人が通らない分、蜘蛛の巣も多いので、これらが苦手な人は春から秋はおすすめしません。
見どころは特になく、強いてあげれば鎌倉霊園です。

見どころは特にない笑

息も絶え絶えに、鎌倉宮に到着した。

多分私、この日で「人生で見ていい虫の数」を超えちゃったから、今後の人生では全く虫を見ない生活を送らなければならないと思う。そうしていこう!


★頼朝の墓

お墓を前に、鎌倉殿の成し遂げたことの大きさを考える…。

頼朝と言えば、この間の大河の大泉洋だよなあ…あのドラマは最終回の役者さんの演技が素晴らしいと噂になっていたので、いつか最終回だけでも見たいと思っている。


★鶴岡八幡宮

源氏の池のハスが巨大だった!鯉が垂直に飛び跳ねてきたので驚いた。

おみくじは吉。いかなる役災難をも振り払う軍配うちわ付き!わーい。



★思ってた鎌倉散策みたいなこと

ということで、切通しを歩いたりハイキングコースで虫に絶叫したりと、恐らくなかなか一般的ではない鎌倉の過ごし方をしてきたが、午後は鎌倉の観光地っぽいところにもいろいろ行くことができた。

鎌倉宮の前にあったガラス屋さん
ランチは頼朝のお墓近くにある古民家カフェ「かど屋」さん
フォカッチャがこんなおしゃれ
めかじきのパスタ、美味しかった!
小町通りから少し入ったところのカフェでお茶
レモンスカッシュフロート♪
1往復した小町通り
ゆずソフトクリーム



★総じて

こんなに歩いて、歴史や自然を感じて、昔の人に想いを馳せながら鎌倉を巡る機会はこれまでなかったので、思てたんと違う感じだったけれど、とってもとっても楽しい鎌倉散策だった。

一緒に行けなかったM先生、開いていなくて行けなかったフィンランドパン屋さん(鎌倉は水曜定休のお店が多いようだ)、疲れ切って辿り着けなかった海や温泉…
やり残したことをしに、また行こう、いざ鎌倉!



#教員エッセイではない
#鎌倉散策
#もう虫は無理

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