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#129(Re) ブライダル業界の企業努力

2023.12.12.
今年の漢字、「税」だって???

Yahoo!ニュースより

今日3年生と予想したけど、誰一人挙げてなかったなあ。当たり前か。
その予想をしてから、国語の話し合い単元のテーマ決めをしたら、「このクラスを漢字一文字で表したら何になるか」というテーマに決まった。笑


最近、いろんなジャンルの仕事の話に興味がある。

ちきりんさんが「己の強みを知るには、違う業界の人ととにかく会って話せ」と言っていたし、
優谷美和さんの「私の記事を取り上げてくださった記事」を読んで職業病についても面白いなと思っているし、
婚活も知らない仕事について聞くのが楽しみだったりする。


ということで、今回は、過去記事からブライダル業界の話を↓


◆◇◆◇◆◇

2022.9.1.
教員になる前、ブライダル業界で働いていた。と言うと、聞いた人は「ウェディングプランナー」を想像する人が多いのだが、私は列席者を案内するコンシェルジュという部署にいた。

ちょっと古い体質の会社というか…ブラックというか…宗教的というか…「社訓の唱和」とかをさせるような会社だった。辞めたメンバーで話をすると、「あれ、まだ言える?」「そんなのあったね!」と盛り上がれるほど、ちょっと特殊な会社だったのだ。

それだけでなく、素晴らしい結婚式を作り上げるために、様々な社員研修もあった。そこで身につけたもの・すごいなと思ったものを3つ紹介しようと思う。


①拍手訓練

どんなに手が疲れてこようとも、大きな音で拍手し続ける技が身に付く。
ちなみにこれ、卒業式の入退場で生かせる!!!
特に最近の卒業式では在校生の参加がなくなって拍手要員が減ってしまったし、保護者はカメラを構えて入場を待っているので、教員の拍手の重要度は高まっている。(と、勝手に私は思っている。)


②挨拶訓練

これも長時間繰り返す系の訓練。挨拶とプラスアルファの言葉を添えてお辞儀をする。ずーーーっとやっているともちろん疲れてきたり、言葉がゲシュタルト崩壊しそうになるが、この訓練をすることによってどんなに疲れている時でも笑顔でステキな挨拶をすることができるようになる。
ちなみにこれは朝の挨拶運動で生かせる。例え前日飲みすぎて二日酔いだったとしても、多少具合が悪かろうと、笑顔で子供たちを迎えることが可能である。


③入りダサ

研修の中でも一番感心したのはこの「入りダサ」である。
実は私は入りダサの研修を受けたことがない。

どういうものかというと、式場見学のお客様に対して使う接客術である。なので、見学者を案内する部署の人が主にこの研修を受けていたようだ。

結婚式場を選ぶというのは、かなり大きな買い物である。数百万円のお金がかかるということもあり、見学に来る人も「高額なものを買わされるぞ。対策を立てていかないと。」などと警戒していることが多い。
でもそんな風に接客者を敵のように見られてしまうと、案内もしにくいし、結局成約してもらえないのだ。
そこでこの入りダサである。

その名の通り、入りをダサくするのだ。それは人によって手法が違うが、「何だかペンをよく落とす」とか「最初の挨拶でコケて登場する」とか「筆箱にダサいキャラクターのグッズをつけている」とか。

しょっぱなからのミスに、担当者は「わー、すみません!」というテンションで話をする。お客さんは、「警戒して来たけど、この人は何だか親しみやすい人だな。」という印象を受ける。

その後の接客は、特にプランやお金の話をするときは、しっかりと説明をするのである。そうすると、入りがダサかっただけにハードルが下がっていて、「あ、この人最初はおっちょこちょいかと思ったけど、きちんと提案してくれて、意外にしっかりしてるじゃん!」と、信頼感を上げられるのである。

何という心理戦。

しかもその手法を裏で訓練しているというのだから、もう人間不信になりそうである。
でも、やっぱり企業は売り上げを上げていかないといけないし、相手のことを考えてどうしたら買ってくれやすいかを分析することだって重要である。

もちろん、入りダサを使わずに己のキャラクターを通す人もいる。最初からしっかりスマートに対応する人や、若さを生かして友達のようなノリで接客する人。(そういうノリを求めているお客様もいるので…)
なので、入りダサは、接客の引き出しのひとつとして訓練するようである。

ちなみにこれを生かすとするなら、保護者対応だろうか。個人面談、話のとっかかりは好きなキャラクターだったり、スポーツだったり。でも、子供や学級のことを話すときはしっかりした考えをもっていて、安心感がある…そんなことができたらすごいなぁ。
というより、狙っていなくてそんな感じの先生はたくさんいるように思う。




企業って、こういうことを意図的に仕組んでいたりするからすごい。こういうのを、企業努力と言うのだろうか。
拍手訓練をし、挨拶訓練をし、入りダサを仕込んでスタッフ教育をする。
「可愛いは作れる」ならず「ステキな結婚式は作れる」なのである。

相手を分析する、戦略をもって動く…という面では、とても参考になる話だった。



#全然教員エッセイじゃない
#ブライダル業界から教員に生かせること
#企業努力

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