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20240421 夢の器での戴冠【福山シティFC】

MIKASA CUP 全広島サッカー選手権大会決勝大会兼天皇杯JFA第104回全日本サッカー選手権大会県代表決定戦 決勝
vs 広島経済大学
@エディオンピースウイングスタジアム広島


【はじめに】

2024年、広島に新たなスタジアムが誕生した。

サンフレッチェ広島のホームスタジアムである、エディオンピースウイング広島。

広島のサッカー関係者が長年待ちわびた「夢の器」がこの日の舞台だ。

福山シティFCは昨年、決勝でSRC広島にPK戦の末敗れ、天皇杯広島県代表の座を逃した。

あのときの悔しさを胸に、雪辱を果たす戦いが始まる。



【マッチレビュー】

福山の基本システムはいつも通りの3-4-2-1。ボール保持時には、CBとボランチで3-2の形でボールを回し、ウイングバックは前線に入り相手DFラインの裏を狙う。

一方の広島経済大学は4-2-3-1で福山の3CBにプレスをかけて、彼らのロングボールの精度を落とすことに成功した。

前半17分には、福山のミスからゴールに迫り、最後は広経大#67河野がシュートを放つも枠をとらえることはできなかった。

立ち上がり20分くらいまでは、一進一退の展開が続く。

しかし、濡れたピッチと相手のプレスに慣れてきた福山シティFCは、徐々にサイドチェンジのパスが通り始める。

すると22分、待望の瞬間が訪れる。

後方からのパスに反応した吉井が DFラインの裏へ抜け出し、ゴール前で高橋佳へパス。背番号9のシュートは、GKに弾かれるも落ち着いて自ら押し込んで先制点。

さらに5分後には、西原のCKを藤井がニアでヘッド。キャプテンのゴールでリードを2点に広げた。

その後も若宮や野浜にシュートシーンが訪れたがボールは枠を外し、このまま2-0で前半終了となった。

ハーフタイムに動いたのは広島経済大学。

最前線の#41山本に代えて#80光永を投入。#7星川を1トップに据えて光永は左サイドハーフに入った。

仕切り直した大学生チームが攻勢を仕掛けてくるが、福山も流れを渡さない。

後半開始2分、野浜がゴール前に持ち込んでシュートを放つが、これはゴール上へ外れてしまう。

追加点は続く9分。徳永が右からグラウンダーのクロスを入れると、これを吉井が左足で合わせ、見事にゴールネットを揺らした。

吉井はこの試合、得点に絡む場面だけでなく攻守において圧倒的な存在感を示した。

ここでベンチは守りに入るのではなく、両ウイングバックに推進力のある二宮と杉浦を配置し、相手を仕留めにかかる。

すると後半33分、ゴール前のパス回しから最後は途中出場の塚田が左足を振り抜き4点目。勝利を決定づけた。

その後も平松や田路が守備を引き締め、広経大にチャンスを作らせず、 4-0で試合終了。天皇杯県代表の座を2年ぶりに奪還した。

広島経済大学には毎回苦しめられ、接戦を繰り広げてきたが、この試合は力の差を見せつけての完勝。

チームが成長してきたことを実感した。



【採点・寸評】

GK 1 / 菊地 大輝 10.0
危ないシーンはほぼなく当然のクリーンシート。セットプレー時のハイボールも無難に処理。最後尾からチームを鼓舞する声をかけた。

MF 30 / 澤田 健太 10.0
前半は星川、後半は光永を完璧に抑え込んだ。攻撃においてもしっかりボールをつなぎながら、同サイドの徳永を前へ押し出した。

DF 16 / 黒宮 渉 (83分OUT) 10.0
放り込まれるロングボールをすべて頭で弾き返した。その高さはセットプレーにおいても強力な武器となっている。

DF 5 / 西原 広太 10.0
セットプレーのキッカーとして藤井のゴールをアシスト。正確無比な左足で、早くもチームに欠かせない存在になってきた。

DF 3 / 徳永 椋太 (61分OUT) 10.0
右サイドの大外のレーンで積極的に仕掛けて1アシストを記録。左足でも逆サイドのウイングバックへと正確なクロスを供給した。

MF 17 / 角田 薫平 10.0
藤井とともに中盤を制圧。豊富な運動量であらゆる場面に顔を出した。プレスにきた相手をいなすテクニックも披露。

MF 7 / 藤井 敦仁 10.0     MOM
CBからボールを引き出し、前線へつなげた。彼の右足から幾度も決定機が生まれた。終盤は一列前へポジションを移した。

MF 28 / 若宮 健人 (71分OUT) 10.0
守備時の激しいデュエル、機を見たDFラインの裏への抜け出し、ゴール前に顔を出してシュートと、そのタスクは多岐に渡った。

MF 26 / 野浜 友哉 (83分OUT) 10.0
DFを背負ってボールを受け、小回りの利くターンで前を向いた。躍動感あふれるプレーで、足が攣るまで走り回った。

FW 23 / 吉井 佑将 (71分OUT) 10.0     MIP
スルスルとDFの間を抜けていくようなドリブルで攻撃を加速させた。献身的なプレスバックで守備にも大きく貢献。

FW 9 / 高橋 佳 10.0
試合の流れを引き寄せる貴重な先制ゴール。ストライカーとしての本領を発揮した。ポストプレーで攻撃の起点にもなった。

途中出場
DF 2 / 二宮 和輝 (61分IN) 10.0
投入されるやいなや、右サイドを縦にぶち抜いた。その後もスピードを活かした突破で、相手DFを混乱に陥れた。

MF 8 / 塚田 裕介 (71分IN) 10.0
2試合連続で途中出場からのゴール。体力の落ちた試合終盤に、このレフティによるキレのあるプレーは相手にとって相当嫌なはずだ。

MF 33 / 杉浦 力斗 (71分IN) 10.0
左サイドで躍動した長身ドリブラー。抜群のスピードとテクニックで目の前のDFをかわして、鮮烈なデビューとなった。

DF 15 / 平松 遼太郎 (83分IN) 10.0
黒宮に代わってCBの中央を任され、今シーズン初出場。空中戦において相手FWに体をぶつけ自由に跳ばせなかった。

MF 4 / 田路 耀介 (83分IN) 10.0
試合終盤、ボランチに入った。確かな技術と対人の強さで中盤に強度を加え、ゲームを締めくくる役割を全うした。

監督
森 亮太 10.0
大事な一戦でもいつも通りのアグレッシブな姿勢で相手を圧倒した。福山シティFCの試合を初めて見る観客も魅了したはずだ。


【おわりに】

これまで天皇杯では秋田、清水、徳島というJリーグのチームと対戦してきたが、いずれも敗北している。

しかし今年のチームは戦力も充実し、期待感を抱かせる。

今年こそJクラブ撃破を。


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