観光業はライフスタイルを提案していく
こんにちは。Kiwi PR合同会社の植田聡子です。
本日は、ホテルや航空会社のブランディングについての考え方を伺って、感じたことをお伝えしますね。
ホテルの会員制システム
航空会社がマイレージでお客様を囲い込むように、ホテルも独自の会員制システムを有しています。
Marriott bonvoy(リッツカールトン、マリオット、ウェスティン他)
IHG(インターコンチネンタルやINDIGO、クラウンプラザ他)
Hilton(ヒルトン、コンラッド他)
Accors (ラッフルズ、バンヤンツリー、メルキュール、プルマン他)
これらの上級会員になると、部屋のアップグレード、ラウンジ使用、アーリーチェックインやレイトチェックアウト、ポイントによる無料宿泊など、さまざまな特典が得られるのは周知のとおり。
私も2月のブリスベンのホテルはマリオット系で3泊全て無料宿泊となりました。アーリーチェックイン、アップグレードなど特典を満喫!
ちなみに、上級会員になるのは、エアラインよりホテルはハードルが低く、特定のクレカ加入で少し年会費をお支払いするだけで仲間入り。航空会社のいわゆる「修行」に比べたら、はるかに簡単なのです。
フライトでアップグレードも相当嬉しい(特に長距離!)ものですが、ホテル、特に連泊する際の滞在時間は移動よりはるかに長いもの。快適なホテルでの滞在は非常に重要でした。もちろん、普段は「寝るだけ、朝ごはんだけのビジホ」活用も多いけどね。
サンズグループの”サンズ・ライフスタイル”
アメリカのラスベガス、シンガポールのマリーナ・ベイサンズ、マカオに展開されているSandsグループ。カジノ、ラグジュアリーなホテルはご存知の方も多いと思います。
そのSandsグループが昨年打ち出した新たな会員制の名称が「Sands Lifestyle」
旅行することを「ライフスタイル」と位置付けて、お客様のライフスタイルに自社ブランドを組み込むようなイメージの訴求が特徴的です。
部屋が何平米だ、朝食がついているだ、アメニティは何かみたいな俗物的な条件よりも、「あなたのライフスタイル」という価値観を大事にしていることに注力しています。
キャセイパシフィックもライフスタイルに着目
同じような訴求は、キャセイパシフィックのコピーからも感じられます。
"Life Elevated with Cathay"(キャセイで人生をワンランクアップ)というプロモーション動画には、機内や飛行機に関するシーンはありません。楽しくおしゃれしたり、ショッピングしたり、美味しいものを食べたり、ヨガで整えたり、まさに旅をしている姿。
ホテルが客室をPRし、航空会社が搭乗を勧めるという訴求ではない
お客様と長く付き合う、いわゆるLife Time Value(LTV=ある顧客が自社の利用を開始してから終了するまでの期間に、自社がその顧客からどれだけの利益を得ることができるのかを表す指標)を見ていることが感じられます。
これは決してラグジュアリー界隈だけの話ではなく、地方の観光産業にもヒントになりそう。お客様とどう付き合っていくのか、「1回売ってはい終わりの関係」ではなく、継続していただくためのブランディング、マーケティングを考えていくことが必要。リピーターを獲得するというのは簡単ですが、このようなブランディングから施策までの統一した考え方が大切だと改めて感じました。
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