やが君の魅力を語ろうぜ

この記事は、漫画「やがて君になる」に関するものです。内容について深く踏み込んだりはしないので、未読の方も安心してお読み下さい。

今回は、漫画「やがて君になる」の魅力について、個人的に思ってる事を書いていきます。多くのファンによって言われ尽くしてる感もあるんですが、自分が「なぜ」やが君が好きなのかというのははっきりさせておいた方が良いかなと思うので。

前回(「やがて君になる」という事~侑、燈子、沙弥香の変化~)や前々回(七海燈子について)の記事ほど気合をいれて書くような内容でもないので、あまり堅くない文体でゆるーく書いていこうかななんて思ってます。

※約1600字あります。

やがて君になるってそもそも何?

人に恋する気持ちがわからず悩みを抱える小糸侑は、中学卒業の時に仲の良い男子に告白された返事をできずにいた。そんな折に出会った生徒会役員の七海燈子は、誰に告白されても相手のことを好きになれないという。燈子に共感を覚えた侑は自分の悩みを打ち明けるが、逆に燈子から思わぬ言葉を告げられる──
「私、君のこと好きになりそう」

素人がだらだら書くよりもわかりやすいと思うので、やが君の特設ページからそのまま引用してきました。このようなストーリーです。所謂「百合」と呼ばれるジャンルですが、もともと百合が好きな方でもそうでない方でも楽しめる作品で、評価も非常に高いです。筆者も百合に触れるのはやが君が初めてでしたが、無事沼に引きずり込まれました。

やが君の魅力って何だろう

自分の好きなものの魅力なんて挙げだしたらキリがないので、ここでは、筆者がやが君に惹かれたきっかけともいえるポイントである

①緻密な心理描写と構成

②世界観の美しさ

の2つに絞って書きたいと思います。

①緻密な心理描写と構成

仲谷先生の他の作品にも共通して言えることなんですが、非常に心理描写や構成が緻密で、無駄がない上に奥が深い。ひとつひとつの描写に意味があるように感じられます。その全てを完璧に理解することは出来ないにしても、意味を読み解こうとするのが楽しいんです。

正直、一周流し読みする程度で描写の意味をつかむのは難しいです。そのため、何周も読むファンが多いように感じます。筆者もその一人で、特にサブタイトルの意味を回収するのが楽しくて、サブタイだけのために3周くらい読み返しました(その後も何度も読み返しているので、計何周したかはもう覚えていませんが...)。何周でも読みたいと思えるほど面白いし、読むたびに新しい発見があるんです。「スルメ漫画」なんて言われてたりもしますね。

筆者が最初にやが君を読んだ時は「現代文の問題が作れそうだ」なんて思った記憶があります。この記事にもある通り、東大生をもってして、「文学より文学らしいマンガだ」とまで言わしめています。それだけ奥が深いのです。

正直、やが君以上に描写や構成が緻密な漫画を、筆者は知りません。あったら是非読みたいので教えて下さい。

②世界観の美しさ

これについてはそもそも言葉にして語るのも野暮なような気もしますが、やが君は作品の雰囲気がすごく綺麗なんですよね。

コミカルかシリアスかで言ったらシリアスに分類される漫画なのに、シリアスな漫画特有の「重々しさ」がないのが良い。恋愛をテーマにしたシリアス寄りの漫画は特にドロドロになりやすいイメージもあったんですが、全然ドロドロなんかしていません。とにかく綺麗。キャラクターに悪人がいないのが一つの要因かもしれないですね。

コミカルかシリアスかで言ったらシリアス。動か静かで言えば静。確かに、悪く言えば「派手さがない」とも言えるかもしれません。しかし、この作品は、読めば読むほど、その繊細な作風に引き込まれてしまうのです。

おわりに

筆者がやが君愛を語るだけの記事になってしまいましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。意見・質問等もしあれば是非教えて下さい。


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