やが君エスパー五英傑

この記事は、漫画「やがて君になる」について考察したものである。ネタバレには配慮しないので、未読の方はご注意されたし。

前から思っていたのだが、やが君の登場人物の会話は非常にハイコンテクストに感じられる。この人たち、「察する」技術がハンパじゃない。そこで今回は、登場人物の中でも、この「察する」技術を極めた5人について語っていきたいと思う。

1.槙聖司

恋のことならなんでもお見通しマシーン

男性キャラで唯一の登場である。槙聖司。

彼は侑燈の恋の行方は常に把握していた上に、沙弥香の燈子への想いをかなり早い段階で見抜いている。かなり高いエスパー能力と言えるだろう。

傍観者という作中の立ち位置ゆえに、彼が事情をどこまで見抜いていたかが描かれておらず、そこは推測するしかないのがちょっと残念。

2.叶こよみ

内面透視能力者

生徒会劇の脚本を担当した彼女は、当て書きを通して生徒会役員(特に燈子)の内面を的確に暴いていく。恐らく無自覚なのがまた面白い。

彼女も槙と同じように作中の中心的存在ではないため、侑燈の関係を見抜いていたのか等は謎である。(多分そこまでは見抜いてないんじゃないかな?)

3.小糸怜

意外な伏兵

この人が入るのは意外に思えるかもしれないが、お姉ちゃんはすごい。

侑燈の関係をすぐに見抜く。

侑が告白しようとしていたのも(恐らく、上手くいかなかった事も)見抜く。

8巻41話で侑が燈子に会いに行くのも見抜く。

45話で侑が燈子と付き合っている事を両親には言わずに怜ちゃんにだけ言っていたのは、単に仲が良いからか、それとも見抜かれているのを悟っていたからか...

4.小糸侑

エスパー女王

侑は間違いなくエスパーである。異論の余地はないだろう。

会話を通して燈子の内面を的確に見抜く。なぜ燈子は自分を好きになったのか。自分に何を求めているのか。どんな葛藤を抱えているのか。全部見抜いて、その思い全てに応える。イケメンすぎる。

それだけに留まらず、沙弥香の燈子への想いもちゃんと見抜いているのもスゴい。

侑と燈子が生徒会劇まで変わらない関係でいられたのは、侑のエスパー能力があったからかもしれない。


5.佐伯沙弥香

小糸侑はエスパー女王である。しかし、上には上がいるものだ。侑がエスパー女王なら、佐伯沙弥香は神である。

沙弥香はあらゆるものを見抜く。燈子の内面の葛藤。都と理子の関係。侑の告白が上手くいかなかった事。修学旅行後に侑燈が結ばれた事。陽の恋愛志向に元カノの事。

他にも、燈子の発言から言外の意図を正確に汲み取ってみせたり、8巻45話の生徒会劇のシーンで侑が席を立った時は燈子が来る事を察していたりと、多くの場面で彼女の高いエスパー能力が発揮されている。まさしく神である。

作中の登場人物で全てを知っているのは沙弥香と都の2人だけなのではないだろうか。

おわりに

ここまで見てきたように、やが君の登場人物にはエスパーが多い。(心理描写が緻密な作品はエスパーが出てきやすい傾向にある?)「この人、普通な顔して言外の意味を察してるけど、よく考えたらこれすごくね?」みたいな視点で作品を見ていくと、また違った発見があって面白いかも知れない。


最後になりましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。あくまで筆者一個人の意見・解釈であることをご了承下さい。質問・意見等ありましたら是非教えてください。

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