【焚き火のこと】
よほどのことがない限り、焚き火をしないキャンパーはいない。急な雨や焚き火台を忘れてしまうなんてことがない限り、焚き火はする。絶対に。
前回キャンプになぜ行くのかということを書いた。自身ではこれだという明確な理由がないと書いた。
今回焚き火のことを書いてみようと色々想いを巡らせていると、焚き火って割とキャンプに行く理由の大部分を占めてるんじゃないかと思えてきた。
陽が落ちるころ(またはまだ明るい時間から)キャンパーはナイフや鉈、斧を取り出し、薪を適当な大きさに割り始める。
キャンプ場に薪を割る音が響きだし、あちこちで火がつきはじめる。
焚き火台には様々な形状や大きさがあり、各々好みの焚き火台を準備する。1人で何台も持っている人も多い。老舗メーカーのスタンダードな焚き火台が好きな人もあれば、ガレージブランドのオリジナル焚き火台を好む人もいる。
焚き火台も日進月歩で進化する。
ただ木に火をつけて燃やすだけなのに、炎のゆらめきについつい魅入ってしまう。
この魅入ってしまう理由には科学的根拠があるそうで、焚き火やキャンドルの炎などをぼうっと眺めていると何となく落ち着く…と感じることがある。この「何となく」が「1/fのゆらぎ」(えふぶんのいち)と呼ばれる概念。
「1/fのゆらぎ」とは、炎の色や光の強さ、また音など、周波数で表すことが出来る事象の中で、人間が心地よく感じるリズムパターンのこと。
これは人が本来持つ生体リズムと同じもので、本能的に落ち着き、脳波にはリラックス状態を示すアルファ波が増えるという効果も確認されているらしい。
焚き火以外にも木漏れ日や小川のせせらぎなど、自然の中には「1/fのゆらぎ」を持つものが多く、非日常を味わうキャンプなどで脳がリフレッシュするのはこのためでもあるのだ!(余談だが歌手や芸能人にも1/fのゆらぎの声を持つ人がいるそうだ。調べてみると面白いかも)
なるほど!
そのような仕組みだったのだ。
多くのキャンパーはこの「1/fのゆらぎ」を知らず知らずのうちに脳が求めているのかもしれない。1度経験したリラックス効果を脳が覚えていて、疲れてくると定期的にその状態を欲するのだ。
だから自然の中に癒しを求め、野山へ出向く。リフレッシュして日常の喧騒の中へ戻っていく。
人がキャンプに行くのは心地いいからなのだ。どんなに不便でも、面倒ごとが多くても、脳が行けと命令するのだ。そこに行けば落ち着き、癒され、疲れた心身を整えてくれるのだ。
そうか、これかもしれないと、自分なりの答えに近づいた気がしてスッキリしてきた。
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