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「絵を描くことが自分の生活の一部になれば、自分の心を声を見失わずにいられそうだよね。」

こんなふたりの会話から生まれたお絵描きイベント。一緒にイベントを企画しているさっちゃんとは、2023年7月にデンマークのフォルケホイスコーレで出逢ったのですが、東京に戻ってきて家が近かったこともあり、私たちが欲しい場所を小さくつくってみようか、という一言からすべては始まりました。

▼わたしたちが出逢ったデンマークの学校

弾丸で行った1泊2日箱根プランニング合宿(笑)を経て、10月に開催した第1回目のイベントはとても和やかかつ充実した時間で、私たちまでほっこり幸せな気持ちで終えることができました。

ぜひ、これからも多くの方に体験いただきたいという思いを込めて、今日はその様子を少しだけnoteでお届けしたいと思います。


あっという間の4時間!みる・きく・かく・はなすをフル活用

まずはじめにイベントを通して大切にしたいルールのお話から。ここにいる時間だけは、「こうしなきゃ」とか「正解を探す」ことから離れて、「自分の声を大切にすること」「相手の存在を尊重すること」を心に留めておくという約束をしました。

《今日のルール》
●自分の感覚に素直になること・感じたままを表現してみること
●自分も相手も作品もジャッジしないこと
●違いこそが面白さ、可能性であると知ること

|チェックイン(はなす・きく)

まずは「ここまで」と「これから」の区切りの時間としてチェックインを。日常のことを考える頭を少し止めて、ひと呼吸、今ここに気持ちを置くイメージです。

「呼んでほしい名前はある?」
「どこから来たの?」
「今日の気持ちはどんな色?」

こんな会話からイベントが始まりました。

|対話型鑑賞(みる・はなす・きく)

この日は2枚の絵を鑑賞しました。といっても、タイトルや説明は一切なし。1枚の絵を4〜5人くらいで一緒に見て、「どんなふうに見えるか」「どこが気になるか」「どんなふうに感じるか」ということをどんどん口に出していきます。プロセスはシンプルに3つだけ。

①1枚の絵をじっくり見る
②絵を見て感じることを自由に発言する
③見え方や意見の変化も受け入れる

美術館に行って1枚の絵だけを時間をかけてじっくり見ることってあまりないですよね? シンプルなプロセスではあるものの、1つの絵を30分近く見ていると、だんだん感じ方が変わってきたり、最初は見えていなかった部分が気になってきたりと思いがけない広がりが出てくるのです。ちなみに絵の知識が少ないほうが自由に見ることができたりもするので、アートへのなじみがないほうが意外と楽しめるかもしれません。

鑑賞の後は最後に少しだけ絵の解説を。次回美術館に行ったときに、少し絵を見ることが楽しくなるようなお話をしました。

個人的には、まったく絵の解説をしていないのに「時間をかけて」「みんなで」見ることで、かなり本質的な見方をしているのがとっても驚きでした。

|アーユルべディックアートを体験しよう(かく)

さっちゃんの体験談を兼ねて「アーユルべディックアートとは?」というお話をした後は、実際にテーマに基づいて絵を描いていきます。

ちなみにこの日のテーマは「過去・現在・未来」。わたしたちが滞在していた学校のアートの先生お気に入りのクレヨンを用意して、それぞれのスケッチブックに感じることを落とし込んでいきます。

36色のクレヨンは見ているだけでテンションが上がる

「何かを描かなくて良い、色を塗るだけでも良いんです」というさっちゃんの優しい言葉から、皆さん「ちゃんと描かなくちゃ!」という気持ちがほぐれて、ただ好きなものを描いていく時間になったようでした。

この日は絵を描く時間を1時間取っていたのですが、みんな集中力がすごくて、途切れることなく描き切っていたのが印象的でした。

|ニーズカードを使ったシェアリング(はなす・きく・みる)

絵を描いた後は、それぞれの絵を解説して、感じたことを言葉にして送り合います。

今回使ったのは、北海道のフォルケホイスコーレでもよく登場する「ニーズカード」。人が大切にしたいと感じる価値観だけを言葉に落とし込んでいて、非暴力コミュニケーションとしても使われるツールなのですが、何よりその言葉をフックに手渡される言葉のやり取りが温かくて、とても素敵な時間になったのでした。

優しい言葉の送り合い

|チェックアウト(はなす・きく)

最後に、「ここまで」と「これから」の時間の区切りとして、今日の時間を締めくくります。

「自分が描いた絵を見て、どう感じた?」
「周りからもらった言葉から何か気づきはあった?」

最後に一言ずつ感想を伝えあって、イベントを締めくくりました。

イベントはチェックイン〜チェックインまでで4時間強。一見長いように思えるかもしれませんが、意外や意外! 参加した方からは「ちょうど良かった」もしくは「もっと長くても大丈夫」という声が出るほどでした。

話が盛り上がりすぎて止まらなくなる

ご参加いただいた方の感想(事後アンケートより)

イベント終了後にアンケートに回答いただいたので、少しだけご紹介させていただきます。

|今日のイベントの中で、一番印象に残ったことは何でしたか?

描こうとしなくてもいい、色を塗るだけでも良いというのは驚きでした。

初対面の人とその人の作品(絵)から人となりを知るという経験が新鮮で面白かったです!

左脳教育に偏りがちな教育を受けてきたけれど、やっぱり右脳部分、直感も大切で、それは信頼できるものだと感じられたこと。
人は無意識のうちに傷つき合い励ましあっているんだなと思えたこと。
アートを通して人間のより核に近い部分を見れた気がしました。

「対話型鑑賞。人が絵に対して何を考えているかを知るのは初めてだったのですごく面白かったです」

|何か新しい気づきや学び・ヒントはありましたか?

一人ひとりの感想がとても豊かだった。仕事でないアウトプットを大事にしようという気持ちが生まれたのと、感想を言うアウトプットの機会が少ない自分に気づいたことが印象的でした。

『アート作品はその時代背景やその人自身の背景をうつすもの』という言葉から、たとえ有名な人の作品でなくても、どんな作品でも大切にしたいと思いました。そして自分が無意識に現したものにも色んな背景がうつしだされるものなのかと思ったら、深く考えずにやってみるということでも面白いのかもしれないと思いました。

アウトプットすること(作品を生み出す)って必要ですね。

絵を描く気楽さ。もう早速翌日絵を描きました。
実家に帰ったら、家族と一緒に描きたいと思いました!

絵を描いている人の時代背景や心境を考えることはこれまでなかったので、新しい気づきだった。

もっと気軽に、もっと自由に、もっと楽しく。

タイトルにも書いたように、私たちは絵を描くことが一人でも多くの人の日常になってくれたらいいなと思っているし、自分の気持ちを見つめたり、人と分かち合う時間として、このイベントを使っていただけたらと思っています。

そして、これから回を重ねていく中で、色々新しい取り組みも企画(妄想)しているので、ぜひご興味のある方は参加いただけたら嬉しいです。

「あえての夜のお絵描きやったら楽しそう!?」
北欧らしくキャンドルを焚きながら描く、他にもお酒を飲みながらおしゃべりしながら描く、など、もっと自由に描けることを妄想しています。暗いなかだとすべてが見えていなくて、後で明るい場所で絵を見るとまた印象が変わってすごく面白いのです。

「色々な質感を表せるように画材を増やしたい!」
まず最初は、フォルケホイスコーレの先生がおすすめしてくれたクレヨンからはじめましたが、少しずつクレヨン以外の画材(絵の具と筆)を取り入れていきたいと思っています。そのほうがきっと、気持ちの表現の幅が広がってゆくはずだから。

「やっぱり、お外でお絵描きしたい!」
海にも行きたいし、森(山)にも行きたい。そして、この日本という場所だからこそ、四季折々の美しさを楽しめるような時間もつくっていきたいのです。晴れの日も、雨の日も、どんな日もきっとあなたの大切な背景になってくれるはずです。

ちなみにさっちゃんはデンマークではよくお外で絵を描いていたそう。

学校の裏庭のベンチ
さっちゃんの絵は色にエネルギーを感じる

「わたしの絵は外に絵を置くのが一番絵が映える気がするし、生き生きする気がする」

「音楽とか自然とか、そういう環境があると自分の感情がいつもより素直に出せたり、何より自分が幸せになれるんだよね」

デンマークのような壮大な景色は都心にはあまりないけれど、少しでも心が開放するような時間をつくっていきたいと思っているので、お天気がいいシーズンには外へ繰り出す1日コースなんかも企画する予定です。(ひいては1泊2日のどっぷりコースもつくれたらいいなと妄想しています…!)

▼箱根合宿が最高だったので、こういう場所でお絵描きをしたいのです

テラスでお絵描き&お昼寝

次回イベントのお知らせ

このあと、なんと春までに5回の開催を実施できたのですが、今また新しくプログラムを検討中です。お絵描きプロジェクト(仮)の進捗は、また別のnoteでお知らせさせていただきます。


この記事からわたしを知ってくださった方へ。
わたしの自己紹介を置いておくので、良かったら読んでみてください☺︎

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