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新・オーディオ入門180 デザイン編 デザインに関する取り組み1

『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』というお話を聴くことがあります。 新オーディオ入門はオーディオの基礎についてエンジニアの視点から初心者の方にも判りやすく解説していくものです。 タイトルは私が10代の時に愛読した『オーディオ入門』から拝借しました。 私がオーディオに携わることになったきっかけの本です。 とても判りやすく説明されていて、手元に置いて辞書のように使っていました。 『新・オーディオ入門』はその現代版となれるよう書き進めたいと思います。

オーディオコンポーネントは家庭用電化製品です。 家電製品としての安全性や操作性を考慮することはもちろんですが、オーディオコンポーネントは趣味のツールであり、 場合によっては趣味そのものと考えることができます。 趣味の製品である以上、万人が『可』とするデザインではなく、ムジカを応援していただけるユーザーに『秀』をいただけるようなデザインを目指すべきだと考えています。 海外のオーディオコンポーネントにはユーザーを引き付ける特徴があります。 マッキントッシュの青いメーターを見れば、全くの新製品であってもマッキントッシュの製品だと判ります。 反面、デザインが縛りになり、おもいっきったデザインができないというジレンマもあります。 ムジカは創業22年となりましたがそういったしがらみが全くない独立系メーカーですのでおもいきったデザインに挑戦してきました。 ここではムジカのデザインに関する取り組みをご紹介します。

● 目盛の廃止
当社が創業3年目に40シリーズを発売したとき、ボリューム目盛りと入力セレクターの文字を廃止しました。

画像はプリメインアンプint40

古くよりテレビやラジオにはボリュームの目盛りはなく、日常的に『音が小さければ上げる』『音が大きければ下げる』という操作を行ってきました。 しかし、オーディオコンポーネントは昔からなぜか目盛りがあります。 おそらくは目盛りが必要な業務用音響機器のデザインを模したものだと思われます。 当初、目盛りのない40シリーズプロトタイプをいくつかの取扱店にお持ちしたところ、 『目盛りがないと売れない』『目盛りがないのはおかしい』というご意見をいただきました。 しかし、一部の販売店では『すっきりしていてよいデザイン』『シンプルでよい』との評価をいただき、40シリーズ目盛りなしの発売に踏み切りました。 40シリーズは思いのほか好評をいただき、現在発売中の製品にも踏襲されています。 それから20年程経ちますが目盛りがなくて困るというご意見は現在までに3件程度です。 現在では目盛りのないオーディオコンポーネントが多くのメーカーで取り入れられています。

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