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新・オーディオ入門176 工具・工作機械編 基本工具2

『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』というお話を聴くことがあります。 新オーディオ入門はオーディオの基礎についてエンジニアの視点から初心者の方にも判りやすく解説していくものです。 タイトルは私が10代の時に愛読した『オーディオ入門』から拝借しました。 私がオーディオに携わることになったきっかけの本です。 とても判りやすく説明されていて、手元に置いて辞書のように使っていました。 『新・オーディオ入門』はその現代版となれるよう書き進めたいと思います。

ここではオーディオ工作やオーディオコンポーネントの簡単なメンテナンスを行うための工具を紹介したいと思います。

● 半田ごて
一般的な半田付けを行う場合、プリント基板に対する半田付けであれば30~40w、 太い電線を半田したり、真空管アンプを製作するということであれば50~60w程度の半田ごてがおすすめです。 半田ごてはこて先が交換できるものとできないものがあります。こて先は消耗品なので交換できるタイプがおすすめです。 また、半田ごての形状には鉛筆型やピストル型があります。 最近はフラットパッケージのICやチップ部品のように細かな作業を必要とする電子パーツも多くなっています。 このような作業には鉛筆型が便利です。半田ごてには温度調節ツマミがついているものもあります。 便利な機能ではありますが、この部分の故障は意外と多いということを考えて選択してください。

● 半田
半田にはその成分に鉛入りと鉛が入っていないもの(鉛フリー)があります。 鉛入り半田の融点は180度、鉛フリー半田の融点は220度です。 鉛フリーの半田は溶けにくく、熱を加えている時間が長くなるため電子パーツのダメージが心配です。 個人でオーディオ工作を楽しむのであれば鉛入り半田をおすすめします。 ただし、鉛入り半田を使用した製品は販売できない国もありますのでそういった国向けであれば鉛フリー半田を使用する必要があります。 また、銅入り半田や銀入り半田等があり、高音質だといわれていますが、これらの半田の銅や銀の配合は数パーセント程度です。

● 半田吸収線
半田付けに失敗した場合、半田をとりたいことがあります。 このようなときは嘗ては半田吸取器を使用していましたが基板にダメージを与える可能性が高く、当社では半田吸収線を使用するようにしています。 半田吸収線は銅の網線にフラックスをしみこませたもので半田ごてで温めるだけで半田を吸収します。 とても便利ですが、半田を一度吸収した部分は切って廃棄するしかなく、使用コストは高めです。

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