見出し画像

新・オーディオ入門170 測定器編 フィルター

『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』というお話を聴くことがあります。 新オーディオ入門はオーディオの基礎についてエンジニアの視点から初心者の方にも判りやすく解説していくものです。 タイトルは私が10代の時に愛読した『オーディオ入門』から拝借しました。 私がオーディオに携わることになったきっかけの本です。 とても判りやすく説明されていて、手元に置いて辞書のように使っていました。 『新・オーディオ入門』はその現代版となれるよう書き進めたいと思います。

オーディオコンポーネントの特性を測定するときに特定の音域だけを測定したい場合や、特定の音域だけを除いて測定したいことがあります。 そのようなときにはフィルターを使用します。 音域を区別する際に急峻な特性で区別する振フィルターもあれば、なだらかな特性のフィルターもあります。 ここでは主要なフィルター4種を紹介します。

● ローパスフィルター(LPF)
カットオフ周波数(fc)から低い周波数のみを通過させるフィルターです。 ハイカットフィルターと呼ぶこともありますが同じものです。 最近のオーディオコンポーネントはハイレゾ対応のものも多く、100KHz以上まで伸びているものもあります。 しかしながら100KHzを超えた帯域では放送波等もあり(NHK東京594KHz、NHK大阪666KHz)正確な測定ができない場合もあります。 そのようなときカットオフ周波数が20KHzや100KHzといったローパスフィルターを使用して測定することがあります。

● ハイパスフィルター(HPF)
カットオフ周波数から高い周波数のみを通過させるフィルターです。ローカットフィルターと呼ぶこともありますが同じものです。 オーディオコンポーネントの多くは50Hzまたは60Hzの商用電源(壁のコンセントの電源)で動作しています。 商用電源は100vと電圧が高く測定に影響を及ぼすことがあります。 そのようなときカットオフ周波数が400Hzや100Hzといったハイパスフィルターを使用して測定することがあります。

● バンドパスフィルター(BPF)
ローパスフィルターとハイパスフィルターの両方の特性を足したフィルターです。 たとえば、20Hz~20KHzのように特定の帯域で測定をしたいときに使用します。

● ノッチフィルター
バンドパスフィルターの反対の動作をします。ある特定の帯域だけを通過させないようにします。 歪率を計測するようなときに使用します。

ムジカ公式ウェブサイトでは『新・オーディオ入門』のすべての記事の他
製品情報やイベント情報もご覧いただけます。