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新・オーディオ入門165 測定器編 テスター1

『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』というお話を聴くことがあります。 新オーディオ入門はオーディオの基礎についてエンジニアの視点から初心者の方にも判りやすく解説していくものです。 タイトルは私が10代の時に愛読した『オーディオ入門』から拝借しました。 私がオーディオに携わることになったきっかけの本です。 とても判りやすく説明されていて、手元に置いて辞書のように使っていました。 『新・オーディオ入門』はその現代版となれるよう書き進めたいと思います。

オーディオ工作を行うときに最初に手にする測定器はテスターでしょう。 テスターは日本語では回路試験器と言いますが、 海外ではmultimeter(マルチメーター)と呼ばれています。 昭和の頃はアナログテスターをテスター、 デジタルテスターをマルチメーターと呼んでいました。 デジタルテスターは測定レンジを間違えても故障することはありませんし、 小数点以下の値まで正確に読み取ることができますので 現在では多くのエンジニアが日常的にデジタルテスターを使用していますが、 ベテランのエンジニアは今でも1台だけは アナログテスターを手元に残していることが多いようです。 デジタルテスターは電池がなくなると使えないとか、 針が動かないと信用できないなどとも言われることもありますが、 その本当の理由は正弦波以外の交流を測定すると デジタルテスターではテスターごとに違った値を表示するためです。 アナログテスターでは実行値が示されますが、 デジタルテスターでは実行値、平均値、積算値、最大値や、 これらのいずれでもない値を示す事もあり、特に超小型のポケットテスターは要注意です。 ここではアナログテスターを使用する上での基本的な注意点をまとめてみたいと思います。

● 指定された置き方以外で測定しない
テスターはメーターが上向きになるような姿勢で使用するよう設計されています。 ラックに立てて置いて、電圧をモニターするというような用途には向きません。

● 日常的にゼロ点の確認を
テスターを抵抗計として使用するとき以外でもゼロ点の位置を確認してから使用します。

● 正確な値を読むために鏡を使用する
文字盤の一部が鏡になっていますので、 針と鏡に映った針とが重なる位置で測定値を読み取ります。
『テスター2』に続きます。

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