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【2024バリ日記day6】スパと、すばらしきレゴンダンス。不完全な完成のこと。

昨日に引き続き、ジムへ行く。まあ歩いて2分だし、ダンベルだけだけど、ダンベルだけだからこそ、さくっと行けて良いかもしれない。足を少しと、肩を少し。

終わったら、ホテルの前のランドリーにまた洗濯物を出しにいく。なんせフロントに預けてピックアップをお願いすると、受け取りの時にホテルにいなきゃいけないので、それよりは、自分で持っていってその場で支払い、完成したらホテルのフロントに預けてもらうのが使いやすい。と、気付いたからです。次からはそうしよう。

また3日分ほどためた水着やら何やら片っ端から洗濯に出して、しめて1000円くらい。洗濯できるとほんと気持ちがすっきりするからうれしい。18時から19時までの間にフロントに持っていくよ!と、お姉さん。「コリアン?」と聞かれて、「ジャパニーズだよ」と言うと、「そっか!コリアンとジャパニーズはとってもよく似てていつもわからない!」と言って笑ってくれる。そりゃそうだ、海外の人から見たら全然わからないだろう。私だってわからないことがあるんだから。それにしてもバリの人たちほんとに笑顔がかわいい。

こんな感じでしっかり畳まれて返ってくる

ジム、ランドリーと順調に済ませて(いや、一度お店の前に着いて洗濯物を持ってくるのを忘れてることに気付いて部屋に取りに帰ったから、別に順調ではないが。なんで洗濯物出しに行って洗濯物忘れるの?)、そのまま朝食のレストランへ。

今日もプールを見下ろせる絶景シートが空いていた。カプチーノを頼み、サラダを取りに行く。今日はサンドイッチをオーダーしようと思ってたのになぜか見当たらず、しくしくオムレツをオーダーする。マッシュルームとポテト。今日の麺はバクソ。おいしい。

でも自分でオムレツのせたパンもおいしい。

水着を片っ端から洗濯に出したので、ほとんど残っていない。なので、今日はおとなしくプールサイドでnoteの作業をする。泳ぐのは午後にしよう。

そこでふと、あ、スパでマッサージ受けたいな、と思いつく。前になんとくGoogleマップ(だったかなんだったか)で調べていたスパの系列店が新しくできたみたいで、ホテルから2キロの距離だったので、whats appで問い合わせをするとすぐに返事がきた。今日の14:30からならあいているとのこと。もちろんなんの予定もないので問題ない。

2キロだし、歩こうかな、いやでも暑いし、Grabバイクを頼もうか、と思ってバイクでの所要時間を調べると、なんと25分と出てくる。いや、2キロの距離でなんで25分。と、思ってよく見ると、直線距離で2キロということだった。そう、ウブドは森である。直線には森が鎮座しており、森を迂回し結局10キロほどの距離を移動する必要があるらしい。10キロ。

25分バイクはなあ…と、思うものの、バイクだと200円ほど、車だと1000円くらいかかる。だんだんバイクの楽しさに慣れてきたので、ここは思い切ってバイクで行くことにする。

さてスパまでの10キロの道。なんせスパは、森の中にある。バリのスパといえばオープンエアが気持ちいいわけですが、その気持ちよさは森の中であることに由来する。そりゃそうだ、道路に面したオープンエアなんて落ち着いて受けられない。というわけで、バイクが怖いと言っているわりには、森の中をバイクでぶっ飛ばしてもらうことになる。

10キロ移動すると、景色がやっぱりしっかりと変わって楽しい。街が変わるので、気になるお店もたくさん目に入る。「アルケミスト」という、タトゥーのお店を見つけた。宮古島の大好きなバーと同じ名前である。そういえば、円のレートがちょっと良くなっている。ウブドに来てから、看板のレートの数字が全く変わらず、これは一律で決まってるのか?もう印刷された数字なのか?と、思っていたけれど、ちゃんと為替と連動するらしい。当たり前だ。でも、どこの両替所も、一斉に同じ値段に変わっていて面白い。

がったがたの道と、急な坂道を経て、しっかり30分かけてスパにたどり着いた。森の中にあるだけあって、フロントからすでに開放的で気持ちがいい。

そういえばお店のホームページのQ&Aで、「夜はあいていないのですか?」という質問に、「夜はスタッフがみんな家に帰り、家族との時間を大切にしています。なので、お店は18時に閉めます」みたいな答えが書かれていた。めちゃくちゃ良い。バリのスパで、そんなことが書かれているなんて、世界が変わってきている感がある。

90分4000円くらいのバリニーズマッサージをお願いする。私はフリーランスになってから、あれだけひどかった肩こりがまじでほとんどなくなり、サラリーマンの時はひどい時には週に2回とか行ってたマッサージに全く行かなくなった。ので、本当に、本当に、久々にマッサージを受けた。

マッサージを受ける時のコツは、寝ないことです。眉サロンとかまつげパーマは爆睡するのが吉だけど、マッサージは寝たらもったいない。だってマッサージしてもらってる間が気持ち良いのだから。正直、マッサージしてもらったその気持ちよさがずっと続くかというと、そうではない気がする。本当に凝りをとるためには、マッサージより、ストレッチとか筋トレとか運動とか方が効く気がする。というか、私はそうだった。あとストレスを貯めないこと。

なので、マッサージはあくまでも、「その時間を楽しむためのもの」と、思っている。というわけで、絶対寝ないぞという強い気持ちで、挑む。

おかげさまで寝ることなく、90分の至福の時間を過ごした。セラピストの人もとっても優しくて上手だった。これで4000円だもんなあ。またウブドに来たら行きたい。30分バイクに乗って行くのも結構楽しかった。

また帰りもGrabバイクを呼ぶ。すっかりはまっている。帰り道、ウブドの景色や流れる看板を見ながら、ふと、東南アジアの空気の、何がこんなに好きなんだろうと、考えた。この円安時代において、物価が安いことはもちろんうれしい。でも、やっぱりそれだけじゃない。

それは、不完全さなのかもしれないな、と思う。完全ではない、遊びの部分があるところ。そして「不完全であること」は、決して「途上」というわけではないのだと思う。変化はし続けるだろうけれど、それは、完璧を求めている途中というわけではない気がする。それはすでに、不完全な完成なのだ。そこがたまらなく、好きなのだと思う。

ホテルに戻ったらまたもやプールバーのハッピーアワーの時間だったので、水着に着替えてプールへ入る。バーのお姉さんが私を見つけて、すぐにタオルとメニューを持ってきてくれる。ルームナンバーは…あ、これね!と、もう覚えてくれたルームナンバーを伝票に書いてくれる。

プールに入って、オーダーしたロゼワインをプールサイドに置き、温泉みたいにプールにつかりながらワインを飲む。至福である。長くホテルに滞在して、楽しみ方が成熟していく感じがとても好きだ。

プールに浮かびながら、そうだ、レゴンダンスを見に行こうと思っていたんだった、と、急に思い出す。調べていたら、中心地から少し離れたお寺のレゴンダンスが、とても良さそうだったのだ。週に一度、金曜日だけの公演。そしてWhats appで席を予約しておけるらしい。(普通は早めに現地に行って、席を確保しなきゃいけない。)

夜ごはんはプールバーのチキン丼。おいしかった。

ところがその連絡先がなかなか見当たらない。Googleマップにも載っていない。散々探し、インスタのアカウントに、WhatsAppの番号が記載されているのを見つけた。

連絡先に入れると、どうも個人アカウントのようだ。大丈夫だろうか…と、思いつつメッセージを送る。またすぐに返信があった。「何人?」「名前は?」とだけ聞かれて、答えるとok!じゃ、あとで!みたいなシンプルな返信が来る。こんなんで予約できてるのか…?と思いつつ、準備をして、またもやGrabバイクを呼び、2キロ程先の会場へ向かう。

街を抜け、かなり静かな裏道に入る。これは一人で歩いてくるの無理だわ…夜だし…いやでもそもそもこのバイクにこのまま違うところへ連れて行かれたらどうする…(過去、アジアのタクシーで何度も言った場所とぜんぜん違うところに連れて行かれた。あれまじでなんなんだ。)とか思っていたら、しっかり会場の前でおろしてくれた。ほんと、Grab最高。ありがとうお兄ちゃん。

こんな道。くらい。

入口で1000円を払い、中に入る。きっとすごい人出だろうと勝手に思っていたのだが、思ったよりもこじんまりとした座席数は少なくて、ゆったりとみられそうな雰囲気。そしてちゃんと座席の上に私の名前が書いた紙が置かれていた。予約できていたらしい。

レゴンダンスは、それはそれは、ほんとうにすばらしかった。90分以上あったんじゃないかと思う。ダンスって常々、手先が大事だなと思っているのだけれど、バリのダンスはもう、手先に魂が宿っていた。あと、目。みんな瞬きしてないんじゃないかってくらい、ずっと目で表現をしていた。初めて見た時はこんなに感動しなかった気がするのだけれど、今日はもうほんとに、終始世界観に引き込まれていた。ほんとうにほんとうにすばらしかった。そして女性の腕が美しかった。あれ、めっちゃ鍛えられると思う。


ガムランの演奏もすばらしかった。お客さんと同じくらいの人数の演奏者がいたと思う。その音の全てが、すばらしく調和していた。司会の男性の物腰が柔らかくてとてもすてきだった。その人が演奏する姿にも見とれてしまった。

かっこよかったこの人・・・

どのダンスも、音楽も、きらびやかな衣装も、舞台を彩る花々も、表現も、ぜんぶぜんぶすばらしかった。なんというか、本気の踊りだった。めちゃくちゃ練習しているのだろうということが伝わってきた。すごく真面目な、ショーだった。観光客向けに、こんなに真面目なショーをしてくれるって、すごくうれしいことだ。

終わったあと、さっきの司会のすてきな男性が、どうぞみなさん舞台に上がってください、と言うので、チップでも要求されるのかと思ったら、なんとガムランを触らせてくれた。おそるおそる叩いて見みると、めちゃくちゃいい音がした。ちゃんと音階になっていた。順に叩くだけで、あのメロディーが奏でられるのだ。音色もとっても美しい。いやもう、全部に感動してしまった。で、ガムラン触ってチップ要求されるのか、と思ったけど最後までなにもなかった。ほんとうに1000円で全て見られた。信じられない。破格すぎる。

こんなに素晴らしいショーを、こんなに間近に、しかも限られたお客さんだけで見られるなんて。なんて特別な時間だろう。なんというか、奈良の仏像みたいである。京都よりずっと仏像との距離が近くて、でも見に来る人は京都よりずっと少なくて、より密に仏像との時間が過ごせるあの感じ。でも、高尚すぎず、あくまでも身近に寄り添ってくれている、あの感じ。

ほんとにガムラン触らせてくれた。

後ろで、地元の子っぽい子どもたちが聴いていたのもとても良かった。あの中からまた踊り手が出てくるのだろうか。ずっと続いていくといいなと思った。

わんこも見てた。

帰りのGrabバイクを呼ぶと、あっというまにお兄さんが来てくれた。ほんと、こんな裏道まですぐ来てくれるなんて、ありがたいことこの上ない。夜風に吹かれながら、ホテルに戻る。なんか魔法みたいな時間だったなと思いながら。

それにしても、この旅におけるGrabとWhatsAppがもうほんとうにほんとうにすばらしい。これが学生の頃にあったら、学生の貧乏旅行ですらもっとやりやすくなっていただろうと思う。

インターネットとその普及はもう格段に、びっくりするくらいに、私が想像していたよりずっと、海外旅行をやりやすくしてくれた。「インターネットで世界が近くなる」なんて、それこそ私が大学生だった20年前から言ってたけど、今やっと、本当に実感している。それはネットで世界中に繋がれるとか、海外のニュースが見れるとか、日本から海外にメールが送れるとか、そういうことではないのだ。技術とアイデアがまたたく間に浸透すること、同じレベルのサービスをどんな国でも受けられること、そしてそこに雇用が生まれること。それが、こんなにも海外との距離を近づけてくれているのだと思う。


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