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0-4で負けている試合。ところがそこから、むねちゃんがホームランを打ち、サンタナがそれに続く。「二者連続ホームランなんて、久々に見たんじゃない!?」「楽しくなってきた!!」と、家の空気まで一気に変わったのを感じる。 そのあともヤクルトは、てっちゃんがヒットを打ち、そこにむねちゃんが続きさらに1点を返した。てっちゃんのヒットは、なぜだか胸を打つ。存在がもはや、ドラマティックになってきた。 だけどこれは、ドラマではなく現実だ。ヤクルトたちは、誰かを感動させるためではなく、勝つ
打者の打ったボールが、きれいなカーブを描いて、スタンドに入っていく、その瞬間の、なんというか芸術的な美しさも、スポーツの楽しさの一つかもしれない。 と、私はもう何杯目かもわからない日本酒を飲みながら熱弁していた。土曜日、14年ばかりの付き合いになる友達の家で、信じられないくらいおいしい手料理と、ビールとワインと日本酒を、気のおけない女友達といっしょに飲みながら、めちゃくちゃごきげんになっていたのだと思う。なんせ、昼間っから飲み続けていたので。 すると特に野球に興味がないと
18時ちょっとすぎに神宮の前に着くと、「あ、ながぴ(長岡くん)の登場曲だ!」と、むすめが言った。 「え?まだ試合始まったばっかなのに?もうそんなに打順進んだの!?」と、スマホの速報を確認すると、なんと長岡くんの打順は2番になっていた。「にばん!!!!」と、私は思わず叫ぶ。 部活帰りの息子とは、神宮の中で待ち合わせしていた。「現地集合」なんて、神宮へ通い始めた頃は考えもしなかったのに。ほんとうに、子どもたちはあっというまにおっきくなってしまう。 三塁側内野席、といういつも
思い出してみてほしい。今季、めっちゃ悔しい逆転負けをした日のことを。そして、それが連日続いた日のことを。思い出せるだろうか。私は正直言って、あまり思い出せない。
ものすごおおおく久々に、レフト側の、ヤクルト応援席に座った。ライト側よりものんびりとしていて、後ろの席ではお父さんが小さな女の子に、「あれはね、ネクストバッターズサークルといって、次のバッターが待ちながら打つ練習をするところだよ」とか、ゆったりとした口調で教えていた。「つばみちゃんもうくる?」と、レインコートを着たその小さな女の子は何度も、お父さんに聞いていた。春の雨が降る肌寒い神宮で、なんだかそこだけはぽかぽかあたたかい空気に包まれていた。 一方私たちは息子と、「いかにし
1点とっても2点とっても3点とっても安心できない。せめて4点くらいあれば安心かと思うとそうでもない。4点差なんてものは、1イニングでも簡単においつかれてしまう。なんといっても今年の中日は、強い。いまだに「なんでいるのよ中田翔…」とつぶやきながら絶望した気持ちで打席を見つめ、「え、上林ってあの上林?なんでいるの上林?」と今さらなことを息子に聞き、かと思えば「細川ってどこにいた細川かママはちゃんとわかってる?」と息子に聞かれたりしている。そして「なにこの2イニング無失点で抑えるい
よしもとばななさんのなにかの小説で、「しあわせの最中に、ほんとうにしあわせだと気付けることは少ない。」といったような一節があった。「だけど人生に数回だけ、しあわせの最中に、しあわせだと感じられることがある」みたいなことだったように思う。もう、どの小説かも忘れてしまって、正確な表現はわからなくなってしまったのだけれど、でも私はこの「事実」についてずっと考えながら、人生の半分以上を過ごしている気がする。 私にとって、「しあわせの最中に、しあわせだと感じられた」ことで覚えているの
日曜日、横浜へ向かう電車の中で、息子から西武とソフトバンクの試合結果を聞き、震え上がった。土曜日は愛するオンナトモダチたちと飲み会だったので、ヤクルト以外の試合結果やニュースを全然見ておらず、そんなこと全く知らないまま眠りについていたのだ。
子どもたちの春休みが終わった。中学生の息子はテスト休みを入れるとなんだかんだ一ヶ月くらい休みがあり(大学生か!と、つっこんだ)、私もプライベートはすっかり休みモードになってしまっていた(お弁当作りもないし。)しかし日々容赦なく仕事は降ってきて(ありがたいことです)、新しい仕事も始まり(ありがたいことです)、体が何個あっても足りないけれども私という人間は一人で十分なので私より優秀な人をあと数人ください。という感じだった。 と、そんな中で韓国へ3泊4日の旅に出た。(だからバタバ
春休み、土曜日の東京ディズニーシーは、めちゃくちゃ混んでいた。混んでいるだろうと予想して来たけれど、想像以上に混んでいた。春休みに行こうと約束していたディズニー、あいている日が今日しかなくてやってきたけれど、あまりの人出にびびった私はとりあえず、ビールを飲む。 ここのビールは、なんと神宮よりも安い。物価高の折、なんだか相対的に、ディズニーリゾートの物価が手頃に感じるようになってきた。不思議な時代である。 さて、混んでいるディズニーといえば、待ち時間である。そして待ち時間の
なんとなくわかっては、いた。 2/1の浦添で、ヤクルトのユニフォームを来た西川遥輝さんは、たいへんたいへんかっこよかった。生ハルキ!!!と、私と息子はテンションが上がった。 青木とにこにこ話す姿も、外野の守備練習をするところも、3番を背負った後ろ姿がなんか一瞬なおみちに見えるところまでも、とても印象深かった。オープン戦で見るたびに、これはハルキストが増えるわけだわ。と、心底思った。新しいシーズンの、象徴みたいだな、と、そう思った。開幕戦が楽しみだなと、心底思った。
動と静のコントラストがあまりに激しい3月がもう半分以上過ぎようとしている。動と静というのは私の仕事とプライベートの話ですが、考えてみればヤクルトたちも動と静である。勝ったり勝ったり連勝したり連敗したり大敗したりしている。まあそれはいつものことかもしれない。ヤクルトだから。 でも、考えてみれば動と静のコントラストが大きいときというのは、変化の時期なのかもしれない。ほっておいても3月というのは変化を迎える前章のような時期ではあるから、それもまた、あたりまえのことかもしれないけれ
開幕前とか、もちろんシーズン中とか、一番、ああ…、と思うのは、怪我のニュースをみたときだ。毎年キャンプ中に誰かしらが離脱してしまうわけだけれど、今年は田口の離脱を見て「ああ…」と思い、そして奥川くんの離脱のニュースを見て「ああああああああああ…」と、思った。ああああああ…。 いや、もう、怪我というのは仕方がない。仕方がないけれども、今年はそこかーー!!みたいな人が離脱すると、そのたびに、そう、「今年はそこかーーーー!!!」と、思いながら、落ち込む。まあまあ、落ち込む。 で
私にとって究極に懐かしいもの、そしておそらく二度と訪れないもの、に、子供の頃毎年夏に訪れた岡山のおばあちゃんちの記憶、というのがある。 浦添の空気はなんだか、その岡山の夏の記憶を思い出す。2月の浦添はくもりの日が多かったけれど、今年はよく晴れている。東京から持ってきたコートが、所在なさげにベンチに置かれていた。そういえばスーツケースにはニットも数枚入っている。どうやら持ってきた服を思いっきり間違えたらしい。 懐かしい空気の中、久々に見る選手たちの声が響く。「たてさんもいる