知らない言葉だらけの、よく知った感情の中。

目が覚めたら、起きたかった時間より随分後だった。音量は上げたのに目覚ましの音は全く聞こえなかった。無意識のうちに止めていたのかもしれない。

それで起きて食事をして着替えて、天気予報を見ると雨が止むみたいだったから自転車で出掛けた。昼前には用事が終わって、帰り道本屋に寄った。

新作が出ていたから本屋で立ち読みした。買うつもりだったし、きっと次買う。今日は我慢したといった様子で買わなかったんだ。

触りだけでもう分かる。作風を変えてきた。自分が好きなのとは正反対で寂しくなった。それは進歩で向上なんだけど、前のままもっと過激に突き進んで欲しかった。最後まで読んでどう思うだろう。これもいいなと思えてたらいいな。

自分はまだ何かに対して、これを好きになりたいという欲がある。感性を捻じ曲げてまで辿り着きたい理想がある。それは明確ではないかもしれないけれど、ぼんやりとも言いたくないような、導かれるまま進みたいという純粋な気持ちなんだ。

本屋から出て、近くのベンチで詩を書いていたけれどあまり思うようにできなかったから音楽を聴いていた。好きな曲が何曲か増えた。

帰宅してもまだ同じアルバムを聴いていて、気に入った曲を何回も繰り返したり、しつこく詩を読んだりしていた。インタビュー記事を読んで別のアルバムも聞き始めてまたも夢中だった。

前髪が伸びていて、それを結界にして世界を遮っているみたいだ。シャワーを浴びる前に前髪を切ろう。

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