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浅草寺のステキな仏像たち

今回メインとなる画像は2年ほど前に東京国立博物館で開催されたミニ展示会で撮影してきたものです。当時「え~浅草寺にこんな仏像あったんだ?」と感銘を受けつつSNSに投稿しようと決意したのですが…

そのときわたしは自分に言い聞かせました。「OK、近日中に書くよ」と。しかし掛け声だけでそのままほったらかしにしてしまったのでした。

ちなみにイギリスのロックバンド、ピンク・フロイド(Pink Floyd)の代表曲に「吹けよ風、呼べよ嵐」という素晴らしいタイトルがありまして、往年の名悪役プロレスラー、アブドーラ・ブッチャーの入場曲としても親しまれていました。この本来の英語タイルとは邦題とは何の関係もなくて「One of these days」。「近日中に」みたいな意味。

語り継がれる迷(名)邦題のひとつだと思うのですが、実際に聴いていると「吹けよ風、呼べよ嵐」にしか聞こえません。当時のレコード会社の英断に拍手喝采を贈りたい。↓

話がズレましたがほったらかしにしてから約2年、時間が経過して…

つい先日、国立博物館に赴いたらそのミニ展示会に展示されていた大威徳明王さまと遭遇。その実に恐ろしげなお顔と目が合ってしまった瞬間にこのみ仏からメッセージ(脅迫?)が伝わってきたような気がしました。

「おい、いい加減にしろ、さっさと書け」

と。

というわけで時期外れも甚だしいですが、投稿することにしました。

このミニ展示会の概要については↓の説明板を見ていただくこととして(手抜き)、浅草寺と言えば東京を代表する観光名所、海外でも有名なようで、今では日本人よりも外国人の観光客の方が多い状況ですね。ただ魅力的な仏像を鑑賞するためのスポットとしてはあまり知られていないように思えます(国内・国外を問わず)

わたしは生まれも育ちも東京で、何度もこのお寺を訪れていますが、これら国立博物館に寄託された仏像の中には初めて見るものも多く、「え、こんなのあったの?」と驚きと興奮を覚えたのでした。

本来ならもっと早く投稿すべきだったのかもしれませんが、わたしが当時感じた興奮を今この期に及んでみなさんと共有したいと思います。

↓の画像は今回遭遇してわたしのお尻を蹴り上げてくれた(笑)、大威徳明王さま。解説にもあるように直立した水牛にまたがった姿は珍しいそうです。

それから↓は歓喜天像。インドのヒンドゥー神話に登場するガネーシャを元ネタにした「象頭の神さま」ですが、ここでは右手に大根を持った少年の姿。この歓喜天を祀っているお寺ではほぼ例外なく歓喜天像が秘仏扱いになっていて見ることができないのでこれはかなり貴重なものではないでしょうか?大根(二股大根)は浅草寺のほど近くにある歓喜天を祀った待乳山聖天でもおなじみ。


なぜか外国語解説が中心になっちゃってる

↓はみんな大好きな不動明王。ガラスの光の反射の都合でちょっと見にくいのが残念。

↓は天台宗中興の祖とも言われる良源(912-985)の「デビルマンバージョン」の像。

この人が鬼のような姿はイラストが描かれた護符などで有名ですね。↓のような感じで。

で、↓は良源さまの「人間バージョン」の像。


↓は四天王像



↓こちらはちょっと見にくいですが雷門でおなじみの風神・雷神像。

↓は愛染明王像。説明するのちょっと面倒になってきた?(苦笑)


さて、世の「秘仏」と呼ばれる仏像の中にはお寺に勤めているお坊さんや住職でさえも見ることが許されない「絶対秘仏」と呼ばれるものがあります。とくに有名なのが長野の善光寺の阿弥陀如来(戦国大名の間で争奪戦が繰り広げられたことでも知られる)ですが、この浅草寺の聖観音も絶対秘仏です。

しかも善光寺の阿弥陀如来像は中世の頃に作られたコピーが全国にありますし(例えば甲斐善光寺とか)、善光寺では本尊と同じ姿をしているという前立本尊を7年に1回公開しているのでどんなお姿をしているのかはある程度想像ができます。

しかし浅草寺の聖観音にはそういったコピーがないのでお姿さえもよくわかりません。その代わり、円仁さんが本尊のお姿を柳の木に刻んで作ったという「柳御影」というものがあります。↓の画像


あと明治時代に横柄なことで悪名高い当時の役人たちが廃仏毀釈運動のなかで「浅草寺の本尊は本当に存在するのか」と疑ったらしく、権力にモノを言わせて強引に開帳したことがあります。実際に本尊は存在していたのですが(もしなかったら浅草寺そのものを潰すつもりだったのかも?!)、その際に本尊を描いたスケッチも存在しているそうです。ただしそのスケッチは現在浅草寺が所有、見ることはできません。

というわけで、浅草寺は観光スポット、参拝スポットとしてはもちろん、仏像を鑑賞するスポットとしてもじつに魅力的な場所なのでした。


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