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墓参りの木

あの日からもう何年も経った
あなたの声も顔も忘れかけた
でも心の奥にはずっと残っている
あなたとの思い出が

今日はお盆だから
あなたの墓に花を供えに行こう
久しぶりに会えると思うと
胸が高鳴る

墓地に着くと
あなたの墓は見当たらない
代わりにそこには
一本の木が立っている

木に近づいてみると
枝には小さな花が咲いている
花の色はあなたの好きだった
青と白

花を見つめていると
木から声が聞こえてきた
「お久しぶりです。元気でしたか?」
あなたの声だ

驚いて木を見ると
花がゆらゆら揺れている
まるであなたが微笑んでいるようだ

「あなたは…?」
「私はこの木になりました。あなたのお墓は私の根元です」
「どうして…?」
「私はあなたに会いたくて、この世に留まりました。でも人間の姿では無理だったので、この木に生まれ変わりました。あなたが来る日を待っていました」

涙がこぼれる
あなたは私を忘れなかったんだ
私もあなたを忘れなかったんだ

「ありがとう」
「どういたしまして。私もありがとう。あなたが来てくれて嬉しいです」
「これからもずっと一緒にいようね」
「はい。ずっと一緒にいます」

私は木に抱きついた
あなたの温もりを感じた
二人は幸せに笑った

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