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和訳 Underclass -King Krule

King Kruleの"Man Alive!"より"Underclass"。
Archy Marshallは名門のThe Brit School出身ですが、高校の卒業成績はギリギリなどと、Underclassを体現しています。
ドラッグや精神病などの様々な要素がありつつも家庭を持つことの美しさや難しさが歌われています。


The moon hangs above
Makes judgement of all of us
月は上にぶら下がって、俺たち全員の運命を決める。
I've had enough, lover of what you think of me
もうたくさんだ。君が俺のことをどう思おうが。
I weren't sure at all of what I was supposed to be
何になればいいかなんて全く確証がなかった。
The demon keep showing me up in times of need
悪魔は俺が必要な時にだけ見せ続けてくる。

She was like
"Nothing ever made me feel the way you do"
彼女は「あなたと同じ気持ちは持てないの」だってさ。
Misery
哀れだよな。
You came at last
Lock the door and run the bath
君は最後に来てドアを閉めて、風呂に水を張る
I was doing some good
いい感じだったのに。
I was keeping clean
綺麗にしてたのにな。
Kept my head up above your intimacy or steadily
君の親密さだか安定性に励まされてた。
Your putrid ooze would swallow me
君の腐敗した液体が俺を飲み込むだろう。
Is it meant to be?
こういう運命だったのか?
*Run the bathは「風呂に水を張る」
*Keepin Cleanはドラッグへの依存を指す。Wasであるため現在は再び薬に溺れているとも取れる。
*intimacyとsteadilyはArchyに欠落している部分を示唆しているかもしれない。Putrid oozeからわかるように、やがてはそれをも受け入れることになる。
(GeniusではパートナーであるCharlotte Patmoreに関する描写だともされている)

And find me those big sad eyes
それから大きく悲しげな目を見つめて
I lay down on the empty streets
何もない道に寝そべる
The roads seem to lead me to you
その道路は俺を君へと導いているみたいだ。

Under the underclass
下層階級の更に下
Deep in society's hole
That's where I saw you, love
愛する君を見つけたのは社会の闇の奥底。
And we're beneath it all
俺たちはその下にいるんだ。
I had this feeling I was coming back
戻ってくるような感じはしてたんだ。
But little did I know
But little did I know
でもそんなこと俺が知り得たか?
I had this feeling
なんとなく気づいていた。
The numb, it gonna spread through me, girl
痺れが俺の中に広がってくんだ。なあ。
Let the fire grow cold
And prepare that bed for me, yeah
火を冷まして俺のためにベッドを用意してくれよ。
I'm under your control
俺は君の言いなりだから
*Archyがパートナーと出会ったのはKing Kruleとしての彼のデビュー前であり、つまり"6 Fee Beneath The Moon"が彼を名声に押し上げること。彼には音楽だけで生きていく毎日はとても社会の中・上流階級の生活とは言えない。プロレタリアートの人生のメタファーであるとも捉えられる。
*音楽で成功して明るい光が見えても、子供ができたことによってまたしても(社会)不安がArchyを襲う。
*結局最後には'普通'な関係を受け入れることに成功する。

Under the underclass
Deep beneath it all
I had this feeling I was coming back
But little did I know
(But little did I know)

King Kruleのリーダ/ボーカルのArchy Marshallはかなり壮絶な人生を送ったのちにロンドンで音楽を学び、デビューしています。そんな彼が人と関係を持ち、家族となることに少しばかりの恐怖を覚えることは当たり前なのかもしれません。
はたまた、個人化の進む現代社会においては、誰もが誰かと深い関係になることを恐れているのかもしれませんね。

私は現在マンチェスター大学で人類学を専攻していますが、中でもよく出てくるアジェンダが現代イギリス社会における階級制度です。とても面白いのでいつか記事にしてみたいとも思います。

ブルデュー入門↓
https://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/104_distinction/index.html

合わせて読むと彼の人生観や価値観がわかります↓

https://fashionpost.jp/portraits/178206

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