見出し画像

兄貴と姉貴の話

一人っ子ではありますが、母親が流産した「姉貴」と、死産だった「兄貴」がずっと一緒に生きてくれてる感覚があります。
姉貴は仕事(曲を作ってる時)の時に現れては「ダサっ!もうちょっと見直したほうがええんちゃう?この辺りとか。手ぇ抜いたら困るんは自分やで。」とダメだしするだけで普段は沈黙しています。
兄貴は頻繁に出てきますが、特に困ったとき辛いとき悲しいときに出てきては叱咤激励、時に有益なアドバイスをくれます。
でもまぁ、ほとんどおちゃらけの笑かし要員ですけどね。
電車に乗ってるときに出てきては変なことを言うので「ぷっ!」と吹き出すことが多々あります。
猪突猛進型で少々口は悪いけど、でも根っこはすごく情に厚い。そんな男。

中学の頃、住んでいたアパートの裏にあった共同の洗濯物干場で、毎日「A2」と名付けた仲良しの野良猫と一緒に星空を眺めては魂の洗濯をしていました。
小2の時に親父が買ってくれた旺文社の宇宙図鑑のせいなのか星や宇宙が大好きになり、「あの星の向こうには何があるの?」「あの星はいつ生まれたの?」といつも思っていました。

そんな時に、兄貴が出てきて柄にもなくこんなことを言いました。

「あの空の星は何百年何千年も前の光なんやで。今はもう存在せんのかもしれへんな。
人間もな、今自分が生きてることは決して無駄でも無意味でもない。もしかしたらあの星みたいに何百年も後の人間を照らすことがあるかも知れへん。
人間も動物も、宇宙の分子。一人一人は無力やけど、連綿と命を繋いどんやで。それってすごいことやろ?
例え一生独身を貫いて子孫を残せんかったとしても、死んだあと誰もお前のことを覚えてなかったとしても、自分が精一杯生きたんやという事実、これは絶対消えへん真実なんやで。
人間として生まれてきたんて奇跡やと思う。俺は生きることは出来んかったけど、お前は精一杯生きてくれ。お前なら大丈夫!」

今自分が無事平穏に生きていられるのも、兄貴のお陰かもしれません。
すんでの所で助けてもらったことは数限りなく。
交渉とか「やられたからやり返し」とか、そういう時にかなり役にたってます(笑)
ありがとう兄貴。

紫色が大好きなのは、兄貴のせいかも知れないな