見出し画像

2001年、ヤンとの出会い

今から22年前、産まれたばかりの時に兄弟と一緒にダンボールに入れられて捨てられていたのですが、近所の人が拾って飼い始めました(多分)。

しかしほどなく、野良となりました。捨てられたのか逃げたのかは分かりません。近所をウロウロしているのは知ってました。ゴミの日にネットに潜ってゴミを漁ったり誰かしらに餌もらったりしていたようです。

それから2年後、突如うちのアパートの玄関脇に置いてあった発泡スチロールの箱の上に居座り始めたのです。くる日も来る日も、そこに居ました。

朝な夕なにここでくつろいでいました

「お、これはもしやここを死に場所にするつもりか??」

とネガティブ思考が炸裂し(笑)、死なせてたまるかとキャットフード買ってきて差し出すと「ハーーーッ!シャーーーっ!」と威嚇。おずおずと引き下がると「ニャぁぁぁぁ〜ん♪」と可愛い声で鳴くのです。

でも当時住んでいたのはペット禁止のアパート。飼いたいのは山々だけれども叶わないので、こっそり餌をあげるようになりました。そのうち「シャーーー!」も言わなくなりました。

その後、隣のアパートの前で子どもを産みました。そこに住んでいる方から「あなたが餌やってるからこんなことになるのよ、困ったねぇ」と言われました。確かに今考えると随分無責任だったと思います。

しばらく彼女を見なくなりましたが、半年くらい経った頃、あの時産んだ子どもを連れてうちに現れました。

数匹居た子猫のうちの一匹と。アメショ柄の可愛い女の子でした。

このコ、最初はかなり警戒していましたが、ある時母が「あの人は大丈夫よ」と耳打ちし、そこから急激に懐いて頻繁にうちに遊びに来るようになりました。

そこから更に1年の月日が流れ、このコは独り立ちしたのか見かけなくなりました。そしてとうとうこの猫はうちに上がっている時に押入れの中で再び子どもを産みました。

授乳中のヤン

彼女は全身全霊をかけて「あなたのお世話になりたいの!」とアピールしていたのでしょう。
子どもたちは里親に譲渡し、彼女と一緒にペット可物件へ引っ越すこととなりました。

おまけ:ヤン目線での話(2020年)

あたいの名前はヤン。多分生まれてから19年くらいかな。19年ってのは、飼い主のケイが言ってたからさ。年ってなに?よくわからないわね。

あたいは、生まれてすぐ母親から離されて兄弟と一緒にダンボールに入れられて捨てられてたんだ。
誰かが拾ってしばらく面倒みてくれてたけどすぐにまた捨てられた。兄弟もどこに行ったのか、生きてるのかどうかもわかりゃしない。

しばらく外をウロウロして食べ物あさったり、いいオトコとイチャイチャして子ども出来たり、猫嫌いなニンゲンに殴る蹴るされたり色々あったね。

ふと、よく見かけるケイのことが気になったの。
いっつも野良猫をじとーっとした目で見てるんだもの。たまに追いかけてるし。
この人どうしたの?って思ってさ、面白そうだから住んでるアパートの前にしばらく居座ることにしたの。

やっぱり思ったとおり、ケイはすぐあたいにメロメロになったわよ。
安いキャットフード買ってきてはあたいに差し出した。最初は警戒してたんだけど、まあお腹空いてるし悪いニンゲンでもなさそうだから食べてあげたわ。

(中略)

色々あって、16年くらいケイと一緒に生きてるわよ。ご飯が食べられて、暑くもなく寒くもなく、殴る蹴るされることもなく。
これが「生きている幸せ」ってことなのね、って思った。今も思うわ。
ケイのことがちょっと心配だから、まだ頑張って生きるわよ。