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シリーズ人間 在メルボルンDJ 今成柔術所属 清水健之介さんインタビュー 其の三

さあどうもシリーズ人間清水健之介さんお話もいよいよ最終回
2022グラップリング世界選手権日本代表にもなったケン清水の
俺と格闘技
じっくりお読みください。

第一回、第二回はこちら

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ー  そしたらここからはケン清水の

   俺と格闘技ということで一席お願いします。

   始めたのは30歳くらいですよね。

ケン そうですね。

   さっき話してたようにちょっと音楽に醒めちゃった時期で、

   そんな中当時付き合ってた子も

   絡めた人間関係がぐちゃぐちゃになる事件があったんですよ。

ー  その付き合ってた子とはどれくらい付き合ってたんですか?

ケン 多分7,8年くらいじゃないですかね。

   クラブで知り合った子と。

ー  。。。。。

   またさっきの距離感の話に戻りますけど

   クラブで女の子と知り合って付き合う

   なんていうことは私からしたら健さんなんて

   シティーボーイなんだろうと思いますよ。

ケン (笑)

ー  さすが帰国子女って思いますよ。

ケン それは偏見ですよ(笑)

   たまたま音楽に興味ある同士が

   出会ったのがクラブってだけですよ。

   クラブは人がいっぱいいるっていうのはありますけどね。

   異性が多いから

ー  どっちが声かけたんですか?

ケン 友達の紹介です。

ー  まあクラブでっていう響きに憧れちゃいますね。

ケン それで、その事件の後に別れて、

   その後すぐ新しい彼女ができるんですけど。

ー  新しい彼女はどちらの方ですか?

ケン 会社の先輩です。

ー  それが格闘技にどうつながるんですか?

ケン その子がよく運動する子で、それを一緒にやるんですよ。

   それで筋トレとかもやりはじめるんですが

   なんか物足りないなと思って、もっと強くなりたいなと思い始めて。

ー  格闘技とかプロレスはみてましたか?

ケン 高校の時がブロックレスナー全盛期ですね。

   たまにSNSで話題になるブロックレスナーがビックショーを

   ブレーンバスターでトップロープから投げたら

   リングがボコンボコンって壊れるのをリアルタイムでみてましたね。

ー  それ夜中やってたスマックダウンじゃないですか?

ケン そうですスマックダウン(笑)

ー  それ多分同じ放送をみてますね(笑)

ケン アメリカいた頃はハルクホーガンとか

   ビックバンベイダーとか観ていた記憶はありますよ。

ー  WWFとWCW両方みてたんですね。



数年後にベイダーやホーガンに夢中になるとは思えないアメリカ時代のケン清水と母


ケン 高校の時はさいたまスーパーアリーナにみんなで、

   タジリ対マットハーディ

   を見にいきましたね。

   タジリの本おもしろいですよね。

   HHHがむちゃくちゃ健康に気を使ってるとか

   エディゲレロとタッグ組んだ時の話とかあって。

   WWFのシリーズは面白かったですね。

ー  格闘技はみてましたか?

ケン プライドとかはみてましたよ。

   弟が小学校からレスリングを自衛隊で練習してて

   高校で埼玉栄入ってインターハイ出てたんですよ。

ー  めちゃくちゃ強いじゃないですか

   レスリング教えてもらいましょうよ

ケン MMAもその後やったりしたみたいですけど

   そんなにのめり込まなかったみたいで、

   柔術はずっと誘ってるんですけど

   レスリングで勝ってしまうから面白くない

   って言って来てくれなくて。

   今は普通にサラリーマンやってますよ。

   85キロくらいあって。

   その弟の方が総合格闘技は好きでしたね。

   自分はちょこちょこみるくらいで。


弟さんとケン清水


ー  それで柔術はどうやって始めたんですか?

ケン 荻窪のフィジカルスペースが最初ですね。

   当時の取引先の書店の隣だったんですよ。

   なんとなく強くなりたいなって思ってたところで

   チラシが目に入って、

   ノゲイラとかがやってた柔術かと思って、

   持って帰ってすぐ問い合わせのメールをしました。

   最初は月8回会員だったんですよ。

   ちょうど職場と家の間で。

   それで半年くらい普通にやってて、

   さっき言ってた運動好きの彼女と別れて

   暇になったからもっと行こうってなって、月8じゃ足りなくて

   毎日の様に行き始めて。

   それからMMAもやってみたいと思い始めて、

   リバーサルジム東京スタンドアウトにも行き始めたんです。

   当時のスタンドアウトは別のジムにも通ってたら

   会費が安くなるっていうシステムがあって、それで。



あこがれの柔術の猛者ジェフグローバーさんと


   それからキックとMMAのクラスに出て休日には二部練とかしだして。

   で、ジムでも白帯の人には全然やられない感じに

   なってきたんですけど、

   試合ではポンポン2回優勝した後勝てなくて、

   悔しくてまた練習するって感じになってました。



初めて優勝した思い出のパンクラスカップ


   どっかで試合した後に

   「筋トレのし過ぎで動けなくなってるから、
  
   筋トレの仕方を変えた方がいいんじゃない。」

   と言われたことがあって、

   それでパーソナルトレーニングも受けるようになりましたね。

   後はノーギやグラップリングの試合にも出始めて、

   これも面白いなと思って、

   もっとグラップリングを練習したくなって

   トライブいったりブレイブ行ったりもしてみたんですよ。

   その頃は理想の練習ができるジムの近くに

   引っ越そうと思ってあれこれ探してたんですけど、

   どこも自分の理想とは少しずれがあって決めかねてたんですよね。

   そうしたらそうこうしているうちに

   そのタイミングでコロナの緊急事態宣言になって、

   一回考えるのストップしました。

   その後、練習を再開しようっていうタイミングで

   また色々考えたんですけど、

   やっぱりMMAのジムは柔術・グラップリングを

   メインでやるには少し物足りない部分があって、

   クラス編成によっては毎日はできなかったりとか。

   フィジカルスペースは毎日絶対に柔術できるし、

   スタンドアウトもクラス充実してきたし、

   この2つはこのままでいいかなと、

   後はグラップリングをたくさん練習したいなと思ってました。

   今成柔術は前からチェックしてたんですけど、

   朝のクラスなのか~と思って、

   DJ中心の生活の時はとても行けないなと、

   でもその時はクラブが全部止まってたから

   今なら朝のクラスに行けると思って今成柔術に入会しました。

ー  そういう経緯があって

   2022年にはADCCアジアオセアニア予選に出場して

   グラップリング世界選手権に出場するまでになるんですね。

ケン (笑)

ー  アブダビは秋山さんに誘われたんですよね。

ケン アブダビはもうその時会社辞めてたから時間あって

   留学先の候補がオーストラリアになってたし

   一回見てみたいなと思って。

ー  留学の下見でアブダビ予選に出たんですね (笑)

ケン いや最初は海外留学の下見のついでに

   秋山さんにくっついてアブダビ見に行く予定だったんです。

   そしたら秋山さんも今成先生もじゃあ出たらいいじゃんって言ってくれて、

   じゃあせっかくだから出るかっつって出たんですよ。



付き添いで出たADCC2022アジアオセアニア予選で世界への切符を目指すケン清水


ー  (笑)

ケン だから最初は付き添いのつもりだったんですよ。

   行ってからも秋山さんのサポートを

   なるべくしたいなと思って動いてましたね。

ー  結果はいかがでした?

ケン ポイントでだいぶやられて

   最後は残り数秒で十字取られてしまいました。

   茶帯の強い人でその後もけっこう勝ってましたよ。

ー  怪我しなくて良かったですね~

ケン 何試合か前に隣のマットで足がパチーンって壊れる音

   聞こえてびびってしまいまして。(笑)

ー  無事でよかったですねえ。

ケン オーストラリアはいいとこで下見して良かったですね。

   アメリカは治安も悪いし、

   音楽格闘技学業をちゃんとそれなりのレベルでできるとこだと、

   ニューヨークとかLAの大都市になっちゃうんで

   物価とかも考えるとちょっとしんどくて。

   メルボルンは調べた限りだと音楽シーンも日本の雰囲気に近くて、

   ラクランのジムもあるしいいなと思って決めましたね。

ー  そしてUWWグラップリング2022年世界選手権に出たいきさつは??

ケン あれはIGLOOの米倉さんと練習する様になってです。

   スタンドアウトで大竹さんと米倉さんが平日の昼に練習をしていて、

   それに毎日の様に行って練習するようになって。

   それで米倉さんが世界選手権があるんですよって教えてくれて、

   米倉さんが「自分も出るしどうですか?」って言って。

   だから、そんなに気負うことなくじゃあやりますかって言って。

   選考会には66キロで出たんですけど、負けてしまって、

   ダメだったかーと思っていたら、

   「66キロと70キロは別の人になったんですけど、

   77キロでどうですか?」

   って言われて

   分かりました!

   って二つ返事でした。



2023世界グラップリング選手権代表団に77キロ級代表として滑り込む


ー  (笑)     

   場所はどこだったんですか?

ケン スペインの田舎でしたね。

   ポンテべドラっていうほぼポルトガルの隣にあるような街で。

   キレイな街並みで海も近かったけどほんとに田舎で。

   着いてから大会までは練習以外することないから、

   毎日散歩してましたね。

   約1週間行ってたんですけど、

   1日かけて移動して、3日間身体ならして

   2日間試合してまた1日かけて日本に帰ってくるって感じでした。



散歩にうってつけの風光明媚なポンテペドラ


ー  どんな国が参加してたんですか?

ケン アメリカ、カナダ、カザフスタン、

   キルギス、イスラエル、ドイツ、フランス、スペイン…

   カザフスタンの選手は同じタイミングで来てましたが

   フィリピンの選手がビザが出なかったらしくて

   遅れて試合の1日目に到着したので

   2日目しか試合できなくてかわいそうでしたね。

   あとヘビー級のアンゴラの選手が1人きりで参加してたんですが、

   ジャージがめちゃおしゃれで、試合も強くてカッコよかったですね。

   今回はコロナ明けだったり、

   あと世界情勢の煽りもあって、

   強い国だとブラジルとかイラン、

   後はロシア系などが不参加でした。

ー  けんさんは試合は。

ケン やっぱり77キロはどうにもならないですね。(笑)

   カザフスタンの選手とグラップリングやって

   イスラエルの選手とギでしたね。

   でも感じ的にレベルでいうと紫帯位の人と

   やったので負けちゃって普通に悔しかったですね。



日本を背負うケン清水


ー  米倉さんはどうだったんですか?

ケン それが初日のグラップリングの試合で米倉さんがパスして

   押さえたら下からダースかなんかで絞められて

   落ちてしまってすごい驚きましたね。

   日本だとそういうびっくり技みたいなのは

   あまり推奨されないというかあまりやらない攻めじゃないですか。

   バギーチョークとかもそうだけど、

   そういうのがあるというのを思い知って反省しましたね。

   2日目はギの試合だったんですが、

   準決勝のアルメニアの選手がすごい強くて。

   最終的にポイントで紙一重だったのですが、

   どっちが勝ってもおかしくない試合でした。

   その後決勝は足関節で一本とって優勝だったんですが、

   勝った瞬間は自分のことのように嬉しかったですね。

   カザフスタンとかアルメニアとか

   あまり耳なじみのない国の選手が強かったですね。

   そのあたりの地域でアイーガっていう

   グラップリングのプロリーグがあるみたいで。

   カザフの選手に教えてもらって

   インスタ見たらすごく豪華な雰囲気で盛り上がってそうで、

   自分の知らない世界があるんだと思いましたね。

   行って良かったですね。

   出た人はみんな強くなって帰ってきた感じの空気はありましたね。

ー  オランダとかも言ってましたよね?

ケン 9月に今成先生のセミナーツアーにくっついて、

   オランダイギリスドイツに行きましたね。

   めちゃくちゃ楽しかったですよ。

   今成先生のおかげでいっぱい練習出来て。

   強い人を秋山さんが一杯取ってましたね。



左強い人取りまくる秋山さん中央今成正和氏右ケン清水


ー  後アメリカもですよね?アメリカは岩本さんの試合みたんですよね。

ケン そうですね、11月にニューヨーク、

   トロント、ポートランド、LAに行きました。

   各地で出稽古行かせてもらって、

   NYのヘンゾ、LAの10thの本部にも行きました。

   10thの空手の型みたいな打ち込みはこういうのもできると

   強くなる要素があるなと実感して勉強になりましたね。

   岩本さんの試合は、

   遅れそうになって電動キックボードレンタルして

   駆けつけたんですが、

   結果間に合って、試合ではセコンドも頼まれて、

   アップの相手とかもできて。

   決勝で悔しい負けだったんですが行けてよかったです。



2022ADCC77キロ級アジアオセアニア代表岩本さん
とそのアメリカでの試合をみた歴史の証人


ー  じゃあ今後の抱負は?

ケン 再来週にはメルボルンへ行くんですが、

   勉強柔術音楽とにかく頑張りたいですね。

   後、これは20の頃から自分のテーマなんですけど

   そういう金にならない活動を

   いつまでもやり続けられるようにしたいですね。

ー  けんさんはやりたい事と金を作る事は完全に切り離されてるんですね

ケン DJでカネを貰う事はあるし、作ったトラックの販売もしているし、

   格闘技もおカネが生まれる事は今後あるかもしれないですが

   どっちにしろそれで生活しようとすると

   ひずみがでると思うんですよね。

ー  カネの為になった瞬間つまんなくなりますよね。

ケン カネになったらいいですし、

   なったらそれだけ価値があるということなので

   なるようにはしたいけど、

   でもそれを目的にするのじゃなくて

   それができるような時間やお金を作る事が

   できる様に仕事がしたいですね。

ー  大人ですね~でも高校生のときからそんな感じですよね多分

ケン だから仕事は激務過ぎないようにしてるんですよ。

   勿論実のある仕事はしたいですけど

   理想は週の半分ぐらい働いて、

   それで普通に生きていける様にしたいですけど

   それをしっかり練って考えるのがオーストラリアのテーマですねえ。

-  いや~ありがとうございます

   最後にファンの皆様に一言。

ケン ファンはいないですよ。(笑)

   まあまた1年半後に日本に帰ってきた時に、

   これを読んでくれた人に

   また楽しく読んでもらえるような話が

   できるように生活していきしたいなと思います。

   あとオーストラリアにお越しの際にはいつでもお声がけください。

ー  メルボルンに来たら清水健之介とコアラに会おう!

   という事でありがとうございました。

   気をつけて~。


そしてケン清水はメルボルンへ旅立ちました

2023/1/28

新宿 トルコ料理店ウスキュダル

新宿喫茶店 らんぶる 

にて



もうなくなった新宿のハコ BEWAVE 前にて


清水 健之介

1986年生まれ
2007年より渋谷、新宿を中心に都内各所でDJとして活動。
2018年に自身のレーベルDouble Half Doubleを立ち上げ2枚のEPをリリース。
ブラジリアン柔術青帯。今成柔術所属。
2022年UWWグラップリング世界選手権77キロ級日本代表。

note (毎週の日記と文章、写真を公開していきます)
https://note.com/knkwalks

mixcloud (1時間ほどのDJの録音がたくさん聞けます)
https://www.mixcloud.com/KNKwalks/

Double Half Double (自分のやってるレーベルです。曲聴いて買ってください)
https://doublehalfdouble.bandcamp.com/

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