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新緑を求めて生瀬富士(なませふじ)と滝のぞき

Mt.FUJI100mileの余韻と抜けきれていない身体の疲労をリセットすべく、地元の山へ仲間と共に軽登山してきた。
GW時の人混みと渋滞を念頭に現地に赴くも予想は外れ人はまばら駐車場もすんなり止める事が出来た
袋田第一駐車場に車を駐め午前8時にスタート。
鬱蒼かつじめっとした緩やかな山林を抜けると急登が始まる。初めて来た仲間もロープに掴まりながら何とか登って来ている。

急登が一息つくと間も無く月待の滝と生瀬富士の分岐となり、生瀬富士方面となる右方へと向かう。右斜面は広葉樹、左斜面には植林された杉が林立する中を進むと大きな岩が現れ、ここも岩やロープを掴みながら登れば生瀬富士の山頂となる。

標高406メートル生瀬富士山頂

標高406メートル生瀬富士山頂標高は決して高くない山だが急登あり岩場ありの侮れない山である。写真を見ると左に立神山、右に月待の滝と案内されているため初めて来た登山者の多くがそのままルートに向かってしまうのだが、実は写真の後ろ側(北側)に大きな岩があり、その向こう側にもう一つの生瀬富士山頂がある。ここが登山者の方が言う茨城のダンジャルムだ。

山頂から北方に突き出た岩稜

山頂から北方に約70メートル程度か岩稜が伸びており、この上部を伝って最先端まで進む事が出来る。ただし掴まるものが無く両側は崖となっているので慎重さと度胸が求められる。残念ながら仲間の一人は先端部まで行くことが出来なかった。先端部に着いて遠方を一望すれば、天気の良い日は、日光や那須連山、雨上がり後などは360度の雲海が見られる事もある。いずれも天気とタイミングが合えばだが。
この日は残念ながら天気は良かったものの霞んでおり、眺望はイマイチだった。

ダンジャルムを後にして次に向かったのは立神山。ここの山頂は何も無いためそのまま滝のぞきへと進む。滝とはすなわち袋田の滝であり、袋田の滝を山の上から眺める事が出来るという事で滝のぞきと言われている。下り基調ではあるが細かなアップダウンを繰り返すと段々と滝の音が近づいてくるのがわかりやがて看板が出てくる。

袋田の滝のぞき

滝下から眺める事はあっても、滝を上から覗く事は余り聞かないとは思うが、特にここは絶壁の上から覗き込むポイントなので、生瀬富士に登頂した際には合わせてお勧めしたい場所である。
ここからは下りが続き滝の上流部に出る。

無料の貸出長靴
袋田の滝上流部を渡渉

常陸国ロングトレイルコースでは、増水していない川の渡渉もコース案内しており、その際は川岸に置かれた無料の長靴を使用する事が出来る。早速長靴に履き替え両手に自分の靴を持って渡ってみる。幸いこの日は水量も少なかったため30メートルほどの川を難なく渡りきった。使用した長靴は渡りきった川岸にも置き場があるのでそこに戻しておく感謝。
ちなみに増水時のコースは川沿いを北上し迂回するコースが案内されている。
渡渉後は田園地帯から月居山方面へと向かうが、山頂方面ではなく舗装路を進んだところ、これまで通行したことのない隧道に出てしまった。
すると車がすれ違えないほどの隧道の入り口付近に一台の乗用車が止まっているのが目に入った。人気もない、車も来ないこんな所で何?遺体の遺棄?
車の中は見えない、おそるおそる近づいて見るとその車のナンバーは、青色の外国大使館ナンバーだと気づいた。すると急に車が動き出し運転席から白人系外国人男性が顔を出して、流暢な日本語で「こんにちは」と挨拶して立ち去っていた。何のために停車していたかは分からないが、少なくとも遺体の遺棄などではなさそうだ。ちょっとびっくりだった。

灯りもない真っ暗な月居隧道

トンネル入口には月居隧道との表示があったが、中は真っ暗でスマホの灯りで足元を照らさなければ全く見えない状況だった。そして外気もヒンヤリしており写真を撮ったら何か映るのではと思ってしまうほどだ。隧道内を照らしてみると、天井部には電気の設備もあり路面も綺麗に舗装されてはいるが、幅は車一台通行が良いところで頻繁に利用されてるとは言い難い感じだ、トンネルを抜けると通り沿いには民家の廃屋が数軒見られたことから昔の生活道路だった事が窺われたが、バイパスなどの開通などにより住民もより生活しやすい場所に移り住み不便となった住居だけが取り残された跡だと思われた。よって隧道に繋がる道路も草が伸び放題で手入れもされておらず、立木も道路にもたれかかるなど、まさに枯れる寸前の道路と言ってよかった。
その後通り慣れた道に合流し、2時間40分程度の行程でスタート地点に戻ってきたが、短時間の割には山あり渡渉あり、隧道ありでリフレッシュ出来た山行であった。
ちなみに隧道で出会った外国人が気になるところであるが、知人に聞いたところ多分ヨルダン国の大使館若しくは領事館関係者ではないかとの事であった。茨城県もバックアップしている常陸国ロングトレイルでは、ヨルダンのトレイルコースも参考にしておりヨルダンの政府関係者も地域に入って来ているとの事から視察を兼ねて来ていたのではないかとの事であった。
なるほど、きっとそうに違いないと自分を納得させちょっとホッとした。

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