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なぐも先生の漫画「メガネさんとおいしい湯気。」第1巻レビュー「おいしいものを食べた感想は「んんんんん~~~~~っっ!!」で十分だって教えてくれる漫画です。」

Amazonは完売,楽天は届くのは明日…僕は…い・ま・読みたいんだ!
町中の本屋探してツタヤでようやく保護。
心配かけさせやがって…。

そんなワケで町で一番デカい本屋(ツタヤ)で買って来たぜ!
なぐも先生の「メガネさんとおいしい湯気。」!

メガネをかけた主人公ちゃん・主人公くんがおいしいものを食べて
「んんんんん~~~~っっ!!」
「うま~~~~~っ」
「んん~~~~~ッ」
「おいし~~~~~ッ!!」
「はぐっ」「はぐっ」「ほぐっ」「ほぐっ」
「ほっふわぁ」
…と語彙が消失してバキの登場人物みたいな「言葉にならない叫び」を発し
うまそうな咀嚼音で畳みかけ
シアワセになる模様を活写した珠玉の漫画が17編収録されてます。

だから!
”おいしい食べ物×かわいい女子の笑顔がたまらない…♡”
ってのは宣伝文句に偽りアリで
正しくは
"おいしい食べ物×メガネをかけた主人公ちゃん・主人公くんの
「~~~~~っ!!」との言葉にならない叫びを伴った
満面の笑顔がたまらない…♡”
ですから!
男もいるんです!
「かわいい」のはなぐも先生の漫画の「デフォルト」なんです!

各編のタイトルは「カキめし弁当」「チキン南蛮」「焼き肉」…。
と実に直球で好感が持てます。
1話完結で毎回主人公が異なるのですが
1.主人公にはメガネをかける。
2.主人公毎にかけるメガネの形状が違う。
…のが本作の「縛り」で毎回新鮮な気持ちで読めますし
メガネってこんなたくさん種類があるんだって驚きもありますし
基本1話完結ですから何処からでも読めますし
基本1話完結で毎回主人公が違うのですが後になって再登場するヒトもいて
前のエピソードの「続き」になっていて
また各話とも基本10頁なのですが絶対10頁ってノルマからも自由で
「形式」や「ノルマ」や「約束ごと」が
シアワセを遠ざけるって姿勢が僕はスキです。

おいしそうな食事を見て
「おいしそう~」って語彙がコドモに戻って
おいしそうに食べて
「んん~~~~~ッ」って「感想」を叫んで
気持ち良くなってシアワセになって
店長が「あんまりシアワセそうだから」ってんで一品サービスしてくれて
シアワセが延長する…コレが本作品の全てで
シアワセを遮る「不和」が徹底的に排除されてます。

店長と料理の味でケンカを始めるヒトも
店の感じが悪く料理残したと因縁を付け店長にアームロックを極めるヒトも
聞いてもいないのに料理のウンチクを聴かせるヒトも
この漫画には登場しないのです。

「不和」はシアワセに食事する妨げなのですよ。
両親がケンカしてたらコドモは食事でシアワセになれないのですよ…。

僕がスキなのは5話,10話,15話…。
5の倍数話に登場する漫画家さんの気持ちの良い食べっぷりと
12話の女性のメガネ上司さんの「ひとり焼き肉」ですね。

…この漫画には「不和」はないのですが
12話ではほんの少しだけ後悔してる上司さんが
「よしっ食べよう!」
ぐっ…と焼き肉を食べてシアワセになってゆく過程が
ほんの少しだけウェットに描かれているのが特徴ですね。

…この回だけ珍しく「男の影」を感じさせるのは
焼き肉を食べて気持ちが「ダイレクト」になった
「孤独のグルメ」の影響なのでしょうか…?

絵柄には全くイヤミがなく
意地悪な人間が一切登場せず
「不和」が一切登場せず
ウンチクやセッキョー垂れる人間も登場せず
料理はつっねっにおいしそうで
おいしいものを食べてシアワセになる事に特化した漫画と言えるのです。

本書の何処を見ても「第1巻」と書いておらず
全1巻なのかしら…?
とソレだけが唯一の不安点ですね。

(追記開始)

なぐも先生から本作品が単刊扱いなのではなく
同誌他作品の単行本も1巻には
「1」と付いてないとX上で御説明がありました。
そして本作品は話が続いているとの事です。
完結してません!
是非とも2巻を出していただいて
デカデカと「2」と付けていただきたいですね。
(追記終わり)

おいしいものを食べるとシアワセになる。
「不和」は食事をおいしくなくしシアワセを遠ざける。

この漫画では
この考えが貫かれているのが僕はスキなのです。

なぐも先生が
「メガネ好きだからメガネの子が出てくる漫画にしよう」
と執筆動機を語られ
作中人物のかけているメガネの解説を書かれ…。
最後に奥様がメガネをかけて登場され
我々は延々奥様へのノロケを聞かされていたと気付く
恐るべきあとがきまんがは必読です。

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