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爆上(バクアゲ)戦隊ブンブンジャー第1話レビュー「「特撮」は!一体誰のものなのか?」

爆上戦隊ブンブンジャー第1話を視聴した感想は「普通」であると言う事。
コレは「可もなく不可もなく」という否定的な意味ではなく,
中華料理の満漢全席を食わされて
世界の珍味の盛り合わせを食わされて
洋食のフルコースを全皿食わされて
それぞれ美味しかったし3年間ブッ通しで満腹にもなったけれど
僕は今!無性にね!
「御茶漬が食いたいッ!」気分だった訳。
そしたらごはん,味噌汁,目玉焼き,付け合わせの野菜が
過不足なく盛られた朝食が出て来て
何か突出した個性がある訳じゃないけど
京極はんみたいにボロボロ涙を流しながら
「これや…これなんや…」
って嘆息してる現在である。

「機界戦隊ゼンカイジャー」
「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」
「王様戦隊キングオージャー」
「戦隊シリーズの総決算」「超変化球」「大河ドラマ」
と「超気合いの入った変わった戦隊」が3年も続いて,
いい加減さあ,そんなに気合いの入ってない
頭が朦朧としてる休みの朝に観るのに相応しい
「緩い」戦隊が僕は観たかったんだ。

「爆上戦隊ブンブンジャー」にはコレといって「特徴」がなく
1.メインメンバー紹介
2.悪役紹介
3.メインメンバー初変身
4.最初の怪人との戦い
5.最初の怪人巨大化
6.戦隊ロボ初お目見え
7.巨大怪人撃破
…と「スーパー戦隊が最初にやる事」が1話に
「やや詰め込み過ぎかな」と思われる程ギュッと詰まってますが
「覚えるべき事」がビックリする程少ないんです。

多分さあ。
コレ…1話くらい見逃しても「付いて行ける」んですよ。
先に挙げた過去3年間の戦隊は
1話でも見逃すと「もう付いて行けない」んです。
「情報量が多い」ってコトがそんなに偉いのかよ。
「途中からの視聴参加を絶対に許さない話作り」が
どれだけの戦隊ファンをふるいにかけて来たと思ってるんだ。

もうさ。「そういうの」はウンザリなんだッ!
本作は「自分の人生は自分でハンドルを握って左右すべき」って
テーマを何度も何度も繰り返して好感が持てます。
「テーマの内容」もさることながら
「1話の中に多くのテーマを入れない」って「加減」が最高なのです。

もうひとつのテーマは「善玉も悪玉も交通規則を守る」。
悪玉だから交通規則を破っていいって作劇は
大人には「悪玉は善玉に懲らしめられる」って分かってても
子供はそんな事知りませんから悪玉から悪影響を受ける可能性がある。

「昔の特撮」では通用する作劇も「令和の特撮」では通用しないって事。
第1話に登場するテーマはこの2つだけ。
しかも「交通規則を守ろう」ってのは
恐らく1年間を通してのテーマとなる筈。

つまり「第1話のテーマ」と「この作品のテーマ」を合わせて2つって事。
「これぐらい」が誰でも何時でも視聴参加出来るペースなんです。

悪玉も交通規則を遵守するせいか「悪党」って感じではなく
「困ったちゃん」程度の「悪」描写。
コレでいいんですよ。

多分さあ。
過去3年間の戦隊を踏まえて
「スーパー戦隊は一体誰のものか」って議論があったのだと思います。
「王様戦隊キングオージャー」みたく大河ドラマの様に
緻密に伏線を張り巡らせるのもいいですが
コレ…小さな子供が付いて行けるのでしょうか?
付いて行けなくて転んだ子供を助け起こすのがヒーローでしょう?

トクサツが!
「子供向け」とか「幼稚」だとか言われるのを嫌って
「大人の鑑賞に堪える特撮」を目指しました。
その結果!肝心の子供が置いてきぼりになって
お父さんやお母さんが夢中になって特撮を観てる
逆転現象が起こってるんです。

バカじゃないの!?
特撮は大人だけのものではないッ!

だから僕は本作…「爆上戦隊ブンブンジャー」を推します。
難しくない,
誰でも付いて行ける,
例え転んでも決して話が分からなくならない。

コレを…「子供向け」だの「幼稚」だのと
揶揄する連中が「ヒーロー」を語るとは滑稽である。

僕が本作を推すのは!
この3年間ずっと待望していた
「転んだ子供を助け起こすヒーロー」
が誕生したと期待しているが故です。




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