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Wine Trigger


僕たちの頭の中にはたくさんの思い出があって、ふとした時にその引き出しが開くことがある。僕は日本にいる時からナチュラルワインが大好きで、全国をライブで回ってる時に仲良くなった人たちとワインを飲む。自慢じゃないけど何周日本を回ってるんだってぐらい日本中でライブをやっていて、街の人たちが僕のワイン好きを知っていて「これおいしいよ」「これ好きだと思うの」って持ってきてくれる。今日は日曜、夕方からオープンマイクがあった、僕のアパートから徒歩数分のところだった、そこでネタをやった、結果はそんなにってかんじで、トボトボと歩いてたらワイン屋さんが、一本買って行こうかと中に入ってみていたら可愛いモグラのジャケットのワインがあった。引き出しが空いた。函館に僕の大好きなパン屋tomboloがあって、そこの店主のともちゃんと飲んだワインの色違いだった。ともちゃんは函館でライブをやる時、よく来てくれる。いつもライブ終わり、ともちゃんのパン屋に行って、中でワインを飲む。ちょうどいいサイズのストーブがあって、営業中に置いてたパンの匂いが少しする店内で、いろんなことをあの場所で語り合った。ニューヨークのワイン屋さんで、その引き出しが開いて、それらの想い出がバーーーっとよみがって来た。最近、ネタ作りと練習で必死になってて、立ち止まることがなかった。そのワイン屋で僕はふとあの時のことを思い出した。音楽を聴いて好きな女の子との思い出すかのように、ワインはあの時の楽しかった夜を思い出させてくれた。今日はお客さんが10人ぐらいの地下のコメディクラブだった。あんまり笑いがなくて悔しかった、そんな気持ちで歩くまだ冬の気配の残る肌寒いニューヨーク、コメディクラブの帰り道だったけど、なんか思い出で心が温まった。そしてそのワインを買って帰った。

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