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越境販売NG7選&やるならどうする?

以前「海外の人が日本の消費者になっていくため、海外の方向けの販売は必要性を増してくると思います」というお話をこちらでさせて頂きました

今回は越境ECの挑戦でよくあるご相談や失敗7選をご紹介します


1:日本のやり方でトライする

日本人と外国人の感覚は結構違います
マーケットが変わると使われている媒体や手法も変わることがあります

ご相談があった事例としては、名前は書けませんが、数百億規模の会社さんが日本で成功した縦長のLPを使った集客方法で越境販売に挑戦されました

結果は惨敗

そもそも、海外では縦長のLPと言うのは、あまり受け入れられておりません

これは外国人の方たちが
・自分の欲しい情報だけを収集したい
・文字が多すぎて読まない
・日本の文字の特性
を知らずに施策を打ったため起こってしまったと思います

この様に日本で成功した方法がそのまま海外でも横展できるわけではありません

日本は世界で日本語が唯一話される地域であり、文化も国民性もかなり特徴がある国ですので、自分達の当たり前は当たり前ではないという感覚も大事だと思います

2:日本の感覚でサイトデザイン

先程の例と少し被る部分もありますが、外国人と日本人の感覚が違います

「寿司」という言葉でも、日本人は握り寿司を想像しますが、アメリカ人は独自の発想でカリフォルニアロールと言うものを作ってしまいました

このように、日本人と外国人は同じものでも捉え方や、欲しい情報が違うため、それに合わせたサイトの構築が必要です

実際に、関わらせていただいた案件でも、日本人の方が作られた海外向けのサイトで、ローンチ前に拝見したところ、海外の方向けのサイトになっておらず、コメントさせていただいたのですが、「これで1度試したい」と言う意向をいただいたので、一旦そのままのサイトでローンチすることになりました

ですが1年間ほぼ成果が出ず、1年後にローンチ前にコメントさせていただいてた点のサイト修正をいただいたと言うこともあります

どれぐらい違うかと言う点では、スターバックスのサイトがとてもわかりやすいので、スクショを貼っておきます


スタバ ジャパン


スタバ アメリカ
スタバ イタリア
スタバ オーストラリア

3:使っている媒体の違い

同じ商品でも、日本と海外では、集客で使われる媒体が全然違うかったりします

例えば、最近、寝具のある市場で実際にあったのですが、日本市場では、どのブランドもインスタに注力をしていましたが、海外のブランドは、InstagramよりもPinterestからの流入が多いということがわかりました

日本の主要ブランドは現状見ている範囲では、Pinterestをやっていないので、ここに気づかず、Instagramからやってしまうと、そもそもお客さんが見ているポイントからずれてしまうことになります

こういったことを抑えるためにも海外の競合はどのような集客施策を行っているのかを見る事は重要です

4:機械翻訳

最近は機械翻訳の精度も上がってきていて、使うツールによってはネイティブから見ても、ある程度のレベルの翻訳はできるんですがそれでもやはり違和感のある翻訳になる場合も多いです

計算系や機械的な内容はそういったツールも翻訳の精度は高いですが、感情だったり、感覚の話になってくるとより翻訳が難しくなってきます

翻訳に関しては、逆に私たちが買う場合の想像する必要があると思います。

例えばAmazonとかではちょっと日本語は変な文章の商品ページも存在していて、そういう商品ページを見たときに安ければそのまま買えるかもしれませんが、高ければ高いほど「これほんとに買って大丈夫?」と言う疑問が生まれるはずです。

こちら側が売る際は相手を逆にこの気持ちにお客さんをしない事が大事です

業態や商品や使ってる媒体にもよりますが、基本的にはネイティブのチェックやネイティブ、翻訳を入れる方が好ましいです

*ネイティブと話したところ、chatGPTもしくはDeepL×Grammarlyであれば、ある程度のレベルでは翻訳できるようなので、予算が少ない方はよかったら使ってみてください

5:多言語化

世界的に販売していきたいだから、機械翻訳で多言語化すると言う方たちも多いんですが、いきなりの多言語展開お勧めしません

理由は大きく3つ

①問い合わせがその言語できてしまう
僕たちも、海外サイトで物を買うことがあった場合、もし問い合わせフォームが日本語で書かれていたら「日本語でも対応してくれるんだ」と思うはずです

そしてその言語で問い合わせが来た場合、その言語での対応しないといけないのですが、英語と違って元の文章がざっくりでも意味がわからないため、機械翻訳に通してもそれが合ってるのかどうなのか

自分が言った文章でも翻訳のアウトプットが合ってるのかどうなのかというのが判断できず
時間や構数がかなりかかる可能性があります

②SEO対策をする必要がある
多言語化のページを生成しまくっても、サイトは重くなる一方で、更にしっかりと「この地域に向けては、この言語のページを表示してください」と裏側の設定をしていかないと、Googleからも評価されず、どの言語でもSEOが上がらない形になってしまいます

なので、多言語化する際は、しっかりとSEOの対策も必要になってきます

③お金と時間がかかる
上記2点と前述の翻訳の話から、ちゃんと意図を伝えるにはしっかりとした翻訳をしないといけないのですが、そうすると機械だけではできない部分もでてきて、多言語化にも時間がかかりますし、SEOのことも含めてやるとお金もかかってきます

なので、まずは英語から着手し、売り上げが伸びてきた地域言語を後から対応する方が効率が良いです

*基本、海外からの買い物は送料と関税がかかってくるので、通常よりも高くなります。そんな海外の商品を探す方は基本的には所得もある程度あり、英語の教養もある方が多いと思います

6:メイドインジャパン推し

海外へ販売する時は「なぜ日本から買う必要があるのか」を考え、伝える必要があります

その時、多いのが「Made in Japan」を強みとして推すご相談

確かに日本の商品は世界的に見ても、質が高いのですが、それだけでは欧米では購入理由にならなくなってきたというのが現状だと思います

各国の技術が発達してきて、差がそこまで出てこなくなったという事が理由としてあると思います
(長年海外の調査に関わっている方ともこの話になりました)

それでもやはり日本の製品は壊れなかったり、効率を追求して作れらていたりMade in Japanの商品は良い物だと思います

なので「Made in Japanだからいいんです!」ではなく「Made in Japanで○○と○○には、こういう事があるので自信があります」ともう一段階掘り下げて、”どこが”強みなのかを訴求する必要があると思います

7:オフラインのみの施策

国内でもそうですが、オンラインのみで購入に繋がる商品もあれば、オンラインのみでは難しい商材もあります

海外だからオンラインのみで勝負を考えているという話はよく聞くのですが、お客さんが購入するのはそのブランドに「信頼・安心」があってこそです

それをオンラインだけで形成できればいいですが、難しい商材もあります
オンラインだけで購入してもらえるブランドでも、オフラインは確実に「信頼・安心」につなげられる手段だと思うので、最初からオンラインだけで考えるのではなく、オフラインとオンラインはバランスを考える事が重要です

特に食品・化粧品のジャンルではオフラインの比率が重要だと感じています

最後に

今日のまとめとして、海外の方への販売は今後確実に必要になってくると思いますが、海外に販売する場合は次の3点が必要だと思います

・海外の人の感覚を知る事
・現地の競合/市場の情報を得る事
・オフライン/オンラインのバランス

いきなり一気にやるとお金も時間もかなりかかるので、商品や状況にもよりますが、個人的には、多くの場合まずは国内の足場を固め、ある程度予算をかけれる状態にして、少しずつ進めるなど、越境にできる範囲の施策をして行きながら、国内向け販売とのバランスが必要だと思います

海外向けに販売していくの情報は、まだまだ少ないので、事例や施策も含め越境販売の情報を配信して行こうと思います!

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