見出し画像

商品開発/改善はインタビューとアンケートどっちがいい?

商品開発に関して
・アンケートを取ろうとしている
・N数が重要だと思っている
・一番いい取り方を知りたい

という方はぜひ見てみてください!

約5000文字オーバーになったので、少しボリュームがあるかもですが
休み休み、時間がある時に読んでいただければ嬉しいです

まず僕に関してですが
個人では今まで「これはいいかも!」と思う商品やサービスが思いついた時や大学の卒業論文、また今回もモノづくりを進める時にアンケートを取ってきました(個人で多分合計400人ぐらいは取っております)

今までのアンケート例①
今までのアンケート例②

また会社でもインタビューをするので
アンケートやインタビューには個人でも会社でも関わってきました
※経歴はこちら:ポートフォリオ

そんな今までの経験に加えて
世界的大企業のマーケの方から伝授頂いたアンケートの取り方や
行動経済学で学んだ内容等を踏まえて、次のような内容を書いていきたいと思います


では早速お話ししていきます!

■商品改善/開発に重要なのはN数ではない

「N数が重要やから商品開発や改善するならアンケートでしょう!」
という方もいらっしゃるかもしれません

実際この業界に入りたての時
コンサル出身でモノづくりをしている企業の社長さんもアンケートでN数を多く取りたい派でこの議論になり「間違っている」と怒られた事もあります
(今回はその時の無念も込めて、「あの時の僕よこんな内容を言い返せ!」という思いも込めて書いてみました笑)

僕が思うのは重要なのはN数ではなく「誰から意見を聞くか」です
なので適切な人に聞ければ、100人200人ではなく
3~5人でも充分だと考えています

その適切な人とは状況によっては異なりますが
既に売上が上がっている場合は「ロイヤリティが高い人」
これから商品を開発する場合は「ペルソナに一番近い人」

なぜなら上記の人から遠い人の話を聞いても
買ってもらいたい人が求めている商品にはならない為です

だからN数ではなく「誰か」が重要だと考えています
(ポートフォリオの実績などでは実際にこの考えに従ってインタビューをし、売上が伸びたりしています)

ではなぜアンケートではなく、インタビューが良いのか、、、

■商品改善/開発はインタビュー一択


なぜそう思うのかをお話しさせて頂きます

それには3つの理由があります
①アンケートは購入時と記入時で答えが変わる
②回答者は見栄を張るし、欲しい物が分かっていない
③重要なのは「量」より「質」

①アンケートは購入時と記入時で答えが変わる

行動経済学という学問をご存知でしょうか
この学問は1言でいうと「人間の非合理な意思決定を解明する学問」です

もう少し分かりやすく言うと
買い物に行くともうすでに服を沢山持っていて「必要ではない」と頭ではわかっているのに、欲しくなってアウターをもう1着買ってしまう
そんな現象心当たりないでしょうか?

こういった誰にでも起こっている非合理な判断をなぜ人間の脳はしてしまうのかを追及する学問です

アメリカでは大学で学部が出来たり、AmazonやGoogle等大手企業も取り入れている考え方です

実はアンケートを信用しない方が良い事は行動経済学的にも言われています
その理由は「人が実際に購入する時とアンケートを答えている時では使っている脳が違う」から

人間の脳にはシステム1とシステム2というものが存在しています
システム1はパッと判断する為の脳
システム2はじっくり考えて判断する脳

殆どの人は買い物する時はシステム1を、アンケートを答える時は時間もあり、じっくり考えるのでシステム2を使っている為、購入時とアンケート時で使っている脳の場所が違い、実際の考えとはずれが出てしまうのです

②回答者は見栄を張るし、欲しい物が分かっていない

有名な事例でマクドナルドの例があります 

マクドのアンケート      

この様にユーザーの方に聞いても
「自分達が欲しい物をよくわかっていない」為、実際に売れる商品とは全く違う物が生まれてしまったりします

また見栄を張ってしまうというのもよくある事で
例えばアンケートで「この商品が実際にあったら買いたいと思いますか?」という質問に
皆さんも
「これで商品買わないって言ったらお金がないと思われるかな?」
「んーーー微妙やけど、どちらかといえば買うかな?」
と思って「YES」した経験はないでしょうか?

そして「YES」と答えた殆どの人が買うことはありません
だからこそアンケートは「聞く内容」と「聞き方」を工夫しないといけません

③重要なのは「量」より「質」

まずアンケートの良い所は「数」が集まる事
ただ前述の様に商品開発や改善に必要なのは「数」よりも「質」です

ここで「数」を追ってしまうとどうなるのか...

仮にアンケートで100人の意見を聞いた場合
多くの場合は多数の意見や平均的な意見を商品に反映してしまうと思います

多数派の意見や平均的な意見は過去大手がそうやって情報をとって形にし
世の中の商品として出した為
「○○といえば」と聞いた時、多くの人が想起する商品に既になっています
それでも作った場合、その商品は既に世の中にある「大手の商品」に類似してしまいます

そうなると結果、差別化ができずに大手との資本勝負の世界になってしまい
資本力では勝てない為、負けてしまいます

つまりアンケートで「量」を追うと待っているのは大手との資本力勝負です

だからN数が強みであるアンケートはあまり商品改善/開発には向いていないのです

■インタビューの良いところ

ではその商品開発/改善に向いていると推してきたインタビューの良いところも3つご紹介

①より詳細な情報が手に入りやすい
②想定外の話が聞ける
③関係性が築ける

①狙うべき人の情報が手に入りやすい
会ったこともない人から送らてくるアンケートよりも
顔が見れた状態で話す方が、当たり前ですが話し手の方も信頼して、情報を開示しやすくなります

またアンケートで細かい部分を聞こうと思うと質問数も増え、内容が複雑化してしまいますが、そうなると関係値が浅い場合、回答するのがしんどくなって回答をやめてしまいます(これよくあります)

基本情報の様な所はアンケートで収集してしまい、よりパーソナルな情報はインタビューで聞くなど役割分けをするのも1つですが、細かい情報を聞くならインタビュー一択です

②想定外の話が聞ける
これもインタビューの重要な要素の1つ

ある程度事前に聞くべき内容はアンケートでも答えてくれたとしても、脱線した内容やふとした内容でこぼれてくる話がインサイトを捉えるのには凄く重要だったりします

それが出てくるのは、決まった内容を聞くだけのアンケートではなく、インタビューならではの強みです

③関係性が築ける
これも顔見て話せるインタビューこそですが
ブランドをやっていく上で大事なのは、お客さんに好きになってもらう事

そのためにはコミュニケーションが大切です

写真では強面に見えていた人がしゃべってみたら意外といい人だった
みたいな実際に話す事で伝わる雰囲気感やフィーリングが実際はあり
会話する事で、より人間味がでて相手に安心感を与えられる事はインタビューの最大のメリットかと思います

■インタビューとアンケートの役割と使い方

ここまでの話だと、アンケートはダメ、インタビューが良いという話でしたがあくまで商品開発/改善の場合の話です

アンケートももちろん役割があると思っていて
今までの経験上僕の中では下記の様に思っています

インタビュー・・・商品開発や改善、どんな施策が効果的か
アンケート・・・お客様の声やインタビューの為の基本情報収集
        インタビューする人を見つける為の情報収集

これが色々やった結果、一番それぞれの効果が最大化される活用方法だと思っています

■アンケートで聞いてはいけない事

ここまでずっとインタビューの話をしてきたのでアンケートの話も触れておきます

今まで色々やってきた中で僕が思う
アンケートで聞いてはいけないのは
「この商品を買いたいと思いますか?」という質問

理由は3つ
・YESの人は実際には買わない人が殆ど(これが一番の理由です)
・見栄やその時の気分の回答の可能性がある
・上記の事から信ぴょう性に欠ける為

商品開発/改善の場合は感情や感想を聞くのもNGだと考えています

■アンケートの結果に信憑性を持たす聞き方

アンケートに関してはここが一番重要

先ほどの様にアンケート結果は聞き方をこだわらないと
ホントにアンケート結果と現実に乖離が生まれてしまいます

そこでアンケートの聞き方で注意するべき点は2点
①「行動」ベースで聞く
②「5段階」で評価してもらう

①「行動」ベースで聞く
先ほどの様に、感情を聞くと答える本人が実際の行動とは違う事を答えてしまうので、「行動」をベースに聞く

そうすると「行動」は実際に実行したものなので嘘ではなく
アンケートの結果に信憑性が生まれます

②「5段階」で評価してもらう
これは世界的に有名な某化粧品会社のマーケターの方から教わったやり方です

ただこのやり方も1点注意点もあって
これも信用してはいけないゾーンがあります

例えば「この商品あったら買いますか?」という質問に対して5段階で評価してもらう時(5は「絶対買う」)

この時「4」の人の回答は信用してはいけません!

自分にも置き換えてほしいのですが「4」を選ぶときは
「まあ分からんけど、良さそうやから買う”かも”」というマインド

この状態の時、特に日本ではほとんどの人が買いません
なので信用できるのは「5」だけです

■アンケート回収率をあげるには?


最後にアンケートは数を集めるのが大変だと思います
それは今までの経験上すごく思いますし分かります

そこで僕が今までやった中で「無料で収集率が一番良い」方法をお話ししたいと思います

厳密には集計していないので、体感値になりますが
ただ送る→収取率5~10%ぐらい
今回の方法→収集率30~50%ぐらい
収集率が変わってきます

方法1

__________________________________
個別に連絡する
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
考えれば当たり前ですが、「アンケート答えてくれませんか?」という投稿やSNSの拡散は、会議で「誰か意見ある人はいますか?」と呼びかけるようなもの

誰も自分事じゃないし、メリットを感じる人も少ないと思うので、誰も意見を言わないみたいな状況ってよくありますよね

その一方「○○さん、これに対して意見をもらえますか?」というと
何かしらの意見はもらえると思います

原理はこれと一緒です

ただ全部個別は大変なので、僕は
最初のメッセージだけはテンプレを作っておいて、そこに「名前」と「ちょっとした一言」を添える様にします

どちらも当事者意識と個別メッセージ感を出すためですが、これをやることですごい皆協力してくれます

そして友人にアンケートをする場合は、人によって頼み方は多少変えますが
「もし共有できる仲いい友達がいたら共有してくれない?」と最後に一言添えています

それだけで凄く拡散率も変わってきますのでやってみてください

方法2

__________________________________
Twitter
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
これは僕も実際にやってみて、凄さを体感したのですが、Twitterをやられている人はこういう企画を自分もやるときがあるからか、とても協力的で良い人が多いです

今進めているモノづくりに関しても
事前にイメージに近い人を探す為のアンケートを実施しました

これは結構長い物で回答に多分7~10分ぐらいかかる物だったんですが
Twitterで拡散依頼をしたら、約80人ほど会った事もない方々が回答・拡散に協力してくれました(Twitter本当にいい人多いです)

もしこれを読んでいる方があの時協力してくれた方だったら
伝えさせて下さい「本当にありがとうございました、、、!」

最後のまとめには入れればと思いますが
少し告知もありますので読みたい方だけ読んでください

■まとめ

ここまで話させて頂いた事を簡潔にまとめると

・商品開発/改善にはアンケートよりもインタビューがおススメ
・商品開発は「数」よりも「誰」の話を聞くかが重要
 →それにはインタビューが向いている
・アンケートにも需要な役割はあるので使い分けが重要

もし今回の記事が参考になったら感想やいいねをもらえると嬉しいです!(X(Twitter)で頂けるとすぐ気づけて、リツイートとかもできるのでうれしいです)

今回は商品開発、改善にフォーカスを当てた内容でお話しをさせて頂きましたがアンケートやインタビューを使えば
・確度が高いマーケティング施策を見つける
・サイトにどんな情報をどんな順番で載せるべきなのか
といったマーケティング施策の戦略を経てることにも多いに役立ちますので
今回のアンケートの話が、少しでも実務に役立つと嬉しいです

アンケートの取り方も含め僕はそういった
・ECの戦略設計
・ECのお悩み解決
をやっていますので、何かお悩みや今回の話で興味を持ってくださった方はお気軽にご連絡下さい

初回のお話しは特に料金とかも頂いていませんし
押し売りとかもありません

まだまだマーケティングは色々考える部分もありますし
「アンケートで5段階評価とった時の基準値」だったり
ここに載ってない話も、お話しさせて頂ける縁があった方とは
ざっくばらんにお話しもできればと思います!

他にも支援者同時のパートナーシップも大歓迎ですし
Twitterでは他の情報も配信しているの良かったプロフィールから覗いてみてくださいー!

ここまで読んでいただきありがとうございました!
ではまた!!

この記事が参加している募集

マーケティングの仕事

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?