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クラウドファンディング講座(入門編)

クラウドファンディング講座(入門編)です。
CAMPFIRE公式パートナーとして、クラファンによるチャレンジを一人でも多くの人に楽しんでもらうべく講座を開いています。

講座は入門編実践編の2部編成になっています。
今回の入門編は、これからクラファンのプロジェクトを立ち上げてみたいと考えている方や、過去に実施したことがあるけど基礎から学びたいといった方を対象としています。入門編の目的はクラファンの本質を理解することです。これを理解せずにクラファンをやってしまうと確実に失敗します。これに続く実践編の方では、クラファンを立ち上げていく上で重要なテクニックを中心にお伝えします。

そして今回、講座資料を解説つきで無料公開します!
※pdf資料ご希望の方はページ下部で購入することもできます。

1.クラファンの大前提

クラファンを立ち上げる大前提として、なぜやりたいのかを語る熱量があること、が絶対的に必要です。「なぜやりたいのか」に関しては、クラファンに興味がある時点で絶対にあるはずです。熱量が小さくても、なぜやりたいのかという理由は必ずある。もしまだ明確に説明できないのなら、自分の中にある「なぜ」を深掘りしてください。一方で、熱量をもって語るには、それを聞いてくれる人が必要です。むしろ、聞いてくれる人がいるからこそ、熱量をもって語れるんだと考えています。わたしは、CAMPFIREの公式パートナーとして、聞き手になってくれる仲間(協力者)という土台から作っていくサポートをしたいと思っています。

2.クラファンの誤解

クラファンは単なるお金集め装置ではありません。関わりシロをつくるツールです。関わりシロを提供した結果、お金も集まってくるという順番です。関わりシロというのは、「今まで関わりたくても関われなかった近くて遠い存在だったあの人」に関わることのできるチャンスのことです。あの人のプロジェクトに参加できるチャンスのことです。

例えば、私の住む登戸・向ヶ丘遊園で実施された、メリーゴーランドをまちのイベントによぶというクラファンをみてみましょう。リターンの一つに、「ボランティアスタッフ権」というものがあります。お金を払ってボランティアをするという一見矛盾したリターンです。しかし、これこそが関わりシロです。支援者はイベント運営者の仲間になることができるチャンスを買うことができるということです。
また、どこのまちにも「地域貢献したいという気持ちがあるんだけど、忙しくて時間を割いて手伝うことはできない。お金だけでよければ支援して貢献したい」という人も一定数います。そのような人たちにとっては、まちイベントのクラファンを立ち上げること自体が関わりシロになっています。そのような人たちは、お礼メッセージやスポンサー権のような原価がかからないリターンこそ好んで支援してくれます。

3.クラファンのパターン

クラファンはいろんな場面で活用されています。「新規顧客へのリーチ・宣伝」「既存顧客との関係強化」「資金調達」「市民活動」などにざっくりと分類できるかと思います。過去に実施されたクラファンのうち、成功しているプロジェクトを検索していくつか眺めてみてください。共通するのは、関わりシロを提供しているということです。

そして、現在公開されているクラファンをいくつか見てみて、支援したくなるプロジェクトはどんなものか選んでみてください。きっと関わりシロを提供しているリターンこそ、魅力的に見えると思います。まだクラファンで支援したことがなければ、実際に支援してみることをお勧めします。

4.成功の条件

私が考える成功の条件は3つです。
①関わりシロの宣言。ここで重要なことは、関わりシロを自分一人で作ろうとしないことです。関わりシロはそれを作るところからが関わりシロなんです。プロジェクトの企画構想をしている段階から、人を巻き込んで関わってもらうんです。関わりシロがここにあるよ!って宣言して、始まる前からみんなのクラファンにしてしまうんです。早い段階でみんなのクラファンにしてしまえば、その人たちは協力者になり支援者にもなってくれます。

②超全力の広報。広報活動はいろいろな方法がありますが、Instagramを例にイメージしてみましょう。インスタで「クラファンやるので支援してください!」って投稿を3~4日間毎日繰り返したら、このペースの投稿はやめてペースを落とそうと思ってしまいませんか?しつこいやつだなと思われたくないですもんね。安心してください。まだあなたの投稿は読まれていません。届いていません。どれだけやっても届いていないのが広報です。1ヶ月毎日投稿したらやっと読んでくれるかも、というのが真実です。SNSなんてものは所詮流れゆく独り言ぐらいに捉えてください。それでも1ヶ月続けた人にだけ奇跡が起こります。その奇跡のために毎日投稿しましょう。

③協力者を信じること。プロジェクトを成功させるためには、やるべきことが山積みです。協力者には、任せる範囲を明確にした上で完全に任せてしまいましょう。パートナー(伴走者)である私も、協力者の一人ですが、信じて任せてもらえる場合に一番力を発揮できます

5.プロジェクトの全体イメージ

プロジェクトを行う3大要素は、①企画、②ページ作成、③広報の3つです。プロジェクト全体の大まかな流れを、順を追って解説します。

①まずは企画。企画には1ヶ月程度設けるのが適切だと思います。その1ヶ月の間で、プロジェクト構成(何を実現するのか、支援金用途、目標金額、リターンの中身、広報戦略)を決めます。

②次にページ作成に取り掛かります。この期間も1ヶ月設けます。スケジュール上注意するべきは、審査〜承認の期間です。最低限1週間必要と見込みましょう(土日祝を除く)。

③ページ作成と並行して、事前告知を始めます。例えばSNSであれば、ページ公開予定日の10日前からは、毎日投稿を始めます。直接的な広報活動が特に重要で、メールやLINE、SNSのDMなども活用して、プロジェクトが始まる前から告知をしておきます。事前告知に力をいれる理由は、スタートダッシュが成功の鍵を握っているからです。プロジェクトを公開した日におおよそプロジェクトの行方が予想できます。

プロジェクトを公開している募集期間は、長ければ長いほどよいというものではありません。通常なら1ヶ月。高額を狙う場合(たとえば100万円を超える場合など)はもう少し期間を伸ばしても良いでしょう 。期間を長くすることの弊害は、「まだまだ期間が長いからあとで支援しよう」と思われてしまったり、全力の広報が続かず間延びしてしまうことなどがあります。

6-1.リターン設計(基本)

リターンの作り方の基本は、「参加の機会」を付加価値として原価を抑えるということです。イラナイものを余計に作ってそれをリターンにすることはやめましょう。例えば、イベントを開催する例で考えます。よくあるのがTシャツです。記念バッジです。それ本当に欲しいですか?(ただし、価値あるTシャツをつくることもできます。詳しくは実践編で。)イベントで好ましいリターンは、例えばそのイベントのボランティアスタッフ権などです。支援者は、あなたのプロジェクトにメンバーとして関わることができて、ただイベントに参加するよりも貴重な経験を買えることになります。これぞ関わりシロです!

また、周りのみんなに何が欲しいか聞いてみることも大事です。何が欲しいかを聞いて、アイデアやアドバイスをもらいましょう。アドバイスをした人は、自分も一緒にクラファンを作っているメンバーという意識が高まります。アドバイスしたからには、と支援してくれる可能性が高まるし、広報に協力してくれるかもしれません。いろんな人にアドバイスをもらうという形で、みんなのクラファンにしてしまいましょう。

6-2.リターン設計(金額設定)

リターンの金額設定の考え方を解説します。
仮に、定価1万円の商品をリターンとして設定したいとします。金額設定には目的毎に3つのタイプに分けられます。

■タイプ1(目的:資金調達)
商品に付加価値を載せて定価よりも高く設定する。付加価値として付け加えるのは、例えばメッセージカードや、感謝を伝える動画など、原価のかからないものが良いです。さらに、関わりシロがあるものになっていればなお良いです。

■タイプ2(目的:新商品販売)
定価と同じ金額に設定する。クラファンをプロモーションツールとして利用して、拡販を狙うことができます。

■タイプ3(目的:オープンセールや還元セールなど)
定価よりも割引いた金額に設定する。割引にすることで、買ってもらいやすくなり、顧客との関係性を強めることができます。ちなみに、飲食店のオープンセールとして、1万2千円の食事券を1万円で販売することもこの例に該当しますが、この場合はおもしろいことが起きます。1万2千円分全部使い切る人が意外と少ないということです。ご祝儀としてチケットを買って、まったく使わないという支援者も現れます。

7.クラファンのその先へ

最後に、クラファンをやる時に忘れてはいけないことを伝えておきます。
それは、クラファンの成功がゴールではないということです。クラファンの先に思い描いている未来は何でしょうか?おそらく、その未来にとってクラファンは一つの手段でしかないと思います。クラファンはスタートラインだと考えて、支援者との関係を次にどう活かすかを考えましょう。今回の支援者は、あなたが思い描く未来自体の支援者となってくれるはずです。

クラファンが終了したら、支援者さんに対して感謝の気持ちをできれば直接伝えましょう。引き続きファンになってもらうために、どのような形で関わり続けてもらうかを考えましょう。

おまけ:参考サイト

■テキストや動画で基本を学ぼう:https://camp-fire.jp/academy/making
■お手本のプロジェクトでイメージを膨らませよう:https://camp-fire.jp/academy/articles/casestudy-goodexamples#topic-1
■CAMPFIRE統計データ: https://camp-fire.jp/stats


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