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むにみずべ 京都編04 嵐山の琴ヶ瀬茶屋

さぁついに来てしまいました、嵐山にある手漕ぎボートで行く最強のお茶屋さん。これ知っていますか?

English imformation below.


日本最古の別荘地

先にご紹介した大覚寺は、元は嵯峨天皇の離宮でした。これをきっかけに、嵯峨・嵐山の辺りは日本初の別荘地となりました。
例えば、あの皆んな苦しんだ(?)「小倉百人一首」を藤原定家が編纂した、小倉山荘もここ嵐山・嵯峨にあります。

とは言っても、別荘は衣食住揃ってなお余りある人しか持てませんから、都にほんの数える程しかいなかったはずです。

そんな当時日本唯一の大都会、平安京を作り上げるには、大量の木材が必要でした。


平安京の作り方

平安京の始まりからある
東寺の五重塔も4回建て直しました

京都には大火も多く、莫大な木材需要がありました。
盆地の中の木を早々に切り終えると、主に京都の北西部、丹後地方の山から木材を運びました。もちろん手で運ぶのは辛過ぎるので、筏に組んで川を流します。
その川こそ、嵐山を流れる大堰川 (またの名を桂川、保津川)。

江戸時代初期、そんな大堰川の木材供給力が急上昇する事件が起こります。角倉了以(すみのくらりょうい)による大堰川の開削です。


もう一人居た水運の父

京都で水運の父と言えば。
まぁ当然、京都と東側の琵琶湖を繋げた琵琶湖疏水設計者の田辺朔郎ですが(ですよね?)、
この西側の丹後地方と京都をつなげた角倉了以こそ、初代水運の父です。

鎖国のイメージがある江戸時代、初期には朱印船貿易として海外と活発な交流を持っていましたが、この角倉了以さん、安南(ベトナム)との貿易で莫大なお金を手にし、それをこの大堰川の開削に充てます。

まさかのポケットマネーで行った土木開発で、それまで針の穴を通すような職人技だった大堰川の筏流しが、荷物を載せた舟まで行き来できるようになり、通行料収入で角倉さんはさらなる豪商になりました。半端ないです。もし何か一山当てたら、水路でも掘りますかね。

さてこうして発達してきた嵐山、今やとても素敵な水辺となりました。


日本一舟の行き交う豊かな水辺

屋形船に、手漕ぎボート、売店船
星のやの送迎船に、保津川下り舟

日本代表の観光地として、歴史の積み重なった舞台として、こんなにも色々な種類の船がひっきりなしに行き交います。

(まさかエンジン付きの動力船と、手漕ぎボートが同じ水面を共有できるとは。というか星のやの舟で送迎、本当に良いアイデアです…)

そんな中でも売店船、あまり聞き馴染み無いですよね。
保津川下りのラスト、渓谷美を堪能した後に下船場が近づくところで、船が近寄ってきます。これぞ大正8年創業の琴ヶ瀬茶屋です。

颯爽と駆け回る売店船

そしてこの琴ヶ瀬茶屋の、
もう一つの楽しみ方こそ今回のむにみずべ。
売店船の本拠地、手漕ぎボートで琴ヶ瀬茶屋に上陸してみましょう。


幸せの黄色い手漕ぎボート

渡月橋から山側へ
朝の綺麗さ半端ないって

嵐山に着くと、まず目に入る渡月橋。
そこから川沿いを遡ると大変わかりやすい位置に青い手漕ぎボートと屋形船乗り場があります。

もう少し奥へ

あとで書くように、これも面白いボートなのですが、グッと堪えて奥に進みます

さらに進むと今度は川沿いに縁側のようなテラス、保津川下り下船場があります。

振り返って渡月橋を見る
奥を見ると川の反対側に何かが、、、

さらに奥に行きます。
そしてとうとう、護岸もない砂利の河原に、目指すボートが見えます。

遂に見えた幸せの黄色い手漕ぎボート
河原に降りる階段

ここまで来れる胆力のある真の観光客は少なく、さらにこの立て札だけでは知らないと乗ろうと思いません。
ですが幸せはすぐそこです。
足元に気をつけて降りて行きましょう。

(ちなみに茶屋の営業時間外に行くと立ち入り禁止の看板が階段に掛けられています)

遂に河原到着

やっとここまで来ました。
では元気よく漕ぎ出して行きますよ!
ちなみに、舟にお金は払いません。
無料ですから!!いざ!!
(あ、茶屋利用者だけしか乗れません)

超気持ちい 水が綺麗の何のって
案外流されます、でも最高
対岸はあっという間です
到着!

あっという間ですが、舟で行くお茶屋さん、なんて最高です。

やはり、むにみずべを書き始めようと思った時真っ先に思い浮かんだだけあります。
世界遺産で言うところのアブシンベル神殿ですね。(分からなければ気にしないでください)

ではお茶屋さんにて、お楽しみの時間です。


老舗 琴ヶ瀬茶屋

飾り過ぎず、ただひたすら居心地が良い
川とはこの距離感

こればっかりは言葉では伝わらない
言えるのは暑過ぎず寒過ぎない、春の晴れた日にぜひ行ってみてください。
いくらでも過ごせます。

特にこの座敷に座って眺める大堰川が、あらゆる舟が通るので、本当に見てて飽きない。

目の前には着岸している売店船

そして保津川下りでもなく、幸せの黄色い手漕ぎボートでもなく、もう一つの楽しみ方もある琴ヶ瀬茶屋。それこそがお待ちかねの、青い手漕ぎボートです。

左端に売店船から買う手漕ぎボート

琴ヶ瀬茶屋を知らずに青いボートに乗った人はきっと、漕ぎ進めると出現するこの茶屋に驚いたでしょう。

青い手漕ぎボートは、正規の船着場以外で上陸できないため、茶屋に上陸はできませんが、船上にて売店船から買うことができます。これもまた面白いですね。


以上、最強のむにみずべ、嵐山の琴ヶ瀬茶屋でした。
ぜひお楽しみください。

ちなみに下記注意点です。
・店で食べられるのは休日のみ
・天候により営業していないことがある
・帰りは川沿いを歩いて帰る
・ちゃんとしたトイレは少し離れたところまで歩かないとない


Informatiom

嵐山 琴ヶ瀬茶屋
Arashiyama, Kotogase Chaya

Arashiyama, it is one of the most famous tourist spot in Kyoto, but most tourists don’t know you can access to this traditional riverside cafe by free rowing boat.

You will never get rid of boared to see the river because there are always various type of boats, and as you can see the river is beautiful.

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