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むにみずべ 京都編03 長岡天満宮の錦水亭 池座敷

春の京都は桜だけでは終わりません。キリシマツツジの赤が映える池座敷。これ知っていますか?

English information below.


偉大な考案者も忘れる長岡京

鳥は怖いので、餅でウグイスを感じて下さい

全ての日本史嫌いでも絶対に聞いたことがある、ベストオブ語呂合わせを選ぶなら、
この2つは筆頭です。

なんと(710)大きな平城京
鳴くよ(794)ウグイス平安京

覚えやすい上に、そもそも語呂が良い。
考案者は、もし日本史教育学会があれば、きっと教育貢献賞を受賞することでしょう。

しかしそんな偉大な考案者のお方でも見落とした都がありました。
平城京(現在の奈良)と平安京(現在の京都)の間に、10年間だけあった、長岡京です。

まぁ語呂合わせするなら、
名は知られていない長岡京(784) ですかね。
これでムニも教育貢献賞にノミネートです。

さてそんな長岡京、時代毎に変わる領主と共に、積み重ねられた深いむにみずべがあります。


そこに天才が居た長岡天満宮

日本で試験に困った時の奥の手は、神頼みです。天才菅原道真を祀る天満宮・天神さんも、全国の至る所で合格を授けていますが、ここ長岡京は一味違います

なんとこの一帯は、菅原道真が治めていた場所で、友人の在原業平(ありわらのなりひら)と、ここで一緒に歌を詠んで遊んでいたと言われています。

ちなみに在原業平は、平安京遷都の桓武天皇の孫という最強の身分にして、3000人越えの女性遍歴を持つ、歴史的に強烈な遊び人。
なぜ学問の神様とお友達かは分かりませんが、意外なとこに気が合う友達はいるもんです。

そんな思い出の地に、九州太宰府に飛ばされた失意の中で道中に掘った木像が祀られたことが、長岡天満宮の創立と言われています。

この天満宮の顔こそ今回のむにみずべがある八条が池です。


お庭づくりライフのお膝元

都名所図会 洛西長岡天満宮
でかい池が手前にあり、中央を参道が横ぎっています

時代は下り、江戸時代初期。
代わってこの辺りを治めていた八条宮家は、
建築や造園関係者なら全員が知っている、桂離宮を創ったその人です。(こちらもいつか)

桂離宮以外にも別荘やお庭をたくさん作りましたが、二代目、智忠親王は別荘を横に作った長岡天満宮の目の前には、湧水を堰き止めたため池、八条が池を作りあげました。

池があるなら、人はそこに浮かびたくなるんです。


キリシマツツジに浮かぶ池座敷

こうしてできた八条が池には、江戸中期あたりから桟敷状のお茶屋さんが見られるようになり、ついに明治14年、料亭錦水亭が開業しました。

明治36年 長岡天満宮
国立国会図書館 蔵

入母屋・寄棟造と屋根の形がそれぞれ違うのに、色彩やサイズによる統一感のある池座敷が並ぶ姿はとても美しく、
今はまだ府外の人にとって京都と言えばの風景ではないものの、知れば知るほど皆行きたくなる場所です。

京都は鴨川や貴船の川床が有名ですが、池に浮かぶ座敷となるとまた全然違った体験です。

個室の池座敷を真横から見れちゃう、
大きな池座敷も実はおすすめ

極め付けは4月中旬から下旬、まさに今、八条が池がキリシマツツジで赤く染まる時期。高さ2.5m程になる巨大なキリシマツツジに挟まれた参道は、ここならではの風物詩です。

2024年4月14日は見頃少し手前でしたが
ちなみにちょうど1年前の2023年4月14日
完全に見頃を迎えていたようです 
これは一見の価値がありますね
長岡天満宮HPより

さて4月中旬はもう一つの旬の真っ最中です。それこそ錦水亭が誇る、タケノコ
長岡京は京たけのこの名産地。錦水亭でも3月末から5月頭にかけて、たけのこ懐石を出しています。

ではお待ちかね、池座敷で食べるたけのこ懐石です。


錦水亭のタケノコづくし

満を持して、池座敷でタケノコを食べていきましょう。何が凄いってその徹底ぶり。確かにタケノコづくしとは聞いていましたが、まさか最後のフルーツを除き、ほぼ全てタケノコ。3年分くらいのタケノコを食べました。

左から すまし汁 のこ造り 筍の木芽和え じきたけ
あ、後ろには筍寿司

しかも。どれも食べたことない程に美味しい。じきたけ(タケノコの鰹出汁煮)は、どうやったらこんなにタケノコの中に水分が入るのかわからない程の出汁が溢れ出てきます。


錦水亭、これまで慎ましく生きてきた身からすると、とっても高級な料亭でしたが、たまにはこういうのも良いですね。水辺だし。

ちなみに超人気店にて、数ヶ月前からの予約必須です。まぁまずは満開のキリシマツツジを見に行ってください。

以上、長岡天満宮の錦水亭 池座敷でした。


Information

長岡天満宮の錦水亭
Nagaoka Tenmangu, Kinsuitei
Traditional lakeside terrace

Tenmangu is one of the most famous shrine as God of Learning.

The main approach to Nagaoka Tenmangu, is accross lake. You can find left side the traditional lakeside terraces. It is the famous Japanese style resutaurant since 1881. Their bambooshoot dishes are unbelievable. You need to book few month before.

In addition, the lake is brimming with Red Azalea in late April, it means Now!!

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