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むにみずべ 京都編05 貴船の川床

急に暑くなってきましたね。
これからは涼都貴船で楽しむ川床の季節です。これ知っていますか?

English information below.


尋常じゃないアクティブさが生む神社

貴船神社美しいですねぇ

貴船神社(きふねじんじゃ)は、京都のさらに北、山の間の渓谷にあります。

なぜここにあるかと言えば、
何とかつて、黄色い舟に乗り、大阪から淀川、鴨川、貴船川を遡りここまで来たお方、玉依姫(たまよりひめ)がいたから。

その距離約70km海抜は320m
川下りではなく、遡ったというのだから、神社くらい作らねばなりません。

やはり初代神武天皇の母はこのくらいのアクティブさは持ち合わせているものなのかも知れません。

そんなこんなで、この黄船が、貴船神社となった訳です。


涼都 貴船の水占みくじ

水に浮かべると現れる…

真夏でも、谷間で涼しい風の流れる貴船はこれぞ避暑地と思わせます。水の音がそこかしこから聞こえてくる素敵な場所です。

そういえばかつて友人を貴船に行こうと誘った時、提案コンセプトは「涼都 貴船」でした。

(京都にさんずい付けるというね。洒落てますねぇ。オリジナルで生み出した気になっていますが、どこかにあるかも。)

そんな貴船神社では、なんと水占みくじなるものが行われています。何も運勢が書いていない紙を水に浮かべると、文字が浮かび上がる。

普段おみくじとは縁遠い生活ですが、水辺好きはくすぐられますね。すごい良いアイデアです。

さて貴船のむにみずべは、この神社に至る貴船川にあります。


貴船の川床

真夏の空に突き刺さる祇園祭の鉾
京都の夏。ほんと暑いです。

京都の夏。十二単という歴史的な重ね着文化をもつ平安貴族もさぞ苦しかっただろうと思われます。
ですが、今に至るむにみずべが貴船に生まれたのは大正時代でした。
(ちなみに、12枚着ない事の方が一般的だとか)

茶屋が川辺に床几(長椅子)を出し、足を水に付けて涼むようになったのがきっかけですが、今ではもはや長椅子どころではない進化を遂げています。

一般的に有名なのは、鴨川の川床(かわゆか)。大きな川の端にテラスの様に飛び出した高床式のお座敷ですよね。

鴨川 賑わってますねぇ


対する貴船は、
山あいの細い川にすっぽりと入り、
水面スレスレのお座敷。目の前には滝。上には簾の日除け。
最高です。

これはこれは。面白い空間です。

道は茹だる様な真夏の暑さなのに、川床に降りて行くとヒンヤリと涼しい

ちなみに。元々は、鴨川でも川の水面スレスレに床几式の川床が設置されていましたが、河川改修で流れが速くなったことで、高床式のもののみ許可される様になったようです。

さて、そんな涼しく最高の環境は、通常1万円程度の懐石料理を頼まねば入ることのできない、殿上人の空間です。
しかし。あるんですね、官位を授かっていない一般庶民でも行ける川床があるんです。

それ、なんと、流しそうめん屋さんです。


ひろ文の流しそうめん

素敵すぎ

まず。流しそうめん屋さんという響きが既に心を大いにくすぐってきますね。
しかもこのロケーション。一度知ったが最後、行かない選択肢は消え失せます。

ちなみに、整理券のための果てしない列があります。
(2018年7月12時頃は2.5時間ほど…2022年7月9時頃は1時間ほど。時期にも時間にもよるので、しっかりリサーチする事をお勧めします)

やっとの思いで整理券の時間に行くと、ついに川床に降ります。流しそうめんの川床は2つに分かれ、待機床と流しそうめん床があります。

最初に待機床に通され、ヒンヤリと涼しい中で、今か今かとワクワクする時間
もうむにみずべは目前です。

本番の床

いよいよ番号が呼ばれ、本番の床に通されます。この床に座るのにどれだけ長い道のりだったか。ここに居られるだけで嬉しい

そしてそうめん台の前に。滝の目の前に設置された台は、数レーンあり、自分の玉がどこにくるかを教えてもらいます。

流しそうめん、スタートです

手元にはそばちょことデザートのわらび餅

すぽんっ、すぽんっと、ひとたまずつ素麺が流れてきます。
サクサク食べていかないと、次が来てしまうので、写真をパシャパシャ撮ったり、おしゃべりに花を咲かせたりする時間は限られています。でも最高です。感無量。

最後にピンク色のそうめんが流れてくると終わりの合図。楽しい時間は一瞬ですが、忘れられないむにみずべです。

一応設計者としては、この川と一体化した川床がどの様に作られているのか、特に法的な状況はとても気になります。
デザインや安全性はもちろん、法的な対応もマスターして、最高のむにみずべの設計ができる様になりたいですね。

以上、貴船の川床でした。ご紹介したひろ文さん以外にも素敵な川床がいっぱいありますので、ぜひ行ってみてください。


Information

貴船の川床
Kibune Kawadoko (river terrace)

Kawayuka, riverside terrace along Kamo river is one of the most famous summer attraction in Kyoto. In addition, Kibune area has also unique style riverside terrace, Kawadoko. The terrace is on the river surface.

Specially, Hirobun’s Flowing somen noodles (Somen nagashi) is reasonable and perfect location.

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