佐藤 宗彦 | Munehiko Sato

ヒューマン・コンピュータ・インタラクションを専門とし、MIT Media Lab ・デ…

佐藤 宗彦 | Munehiko Sato

ヒューマン・コンピュータ・インタラクションを専門とし、MIT Media Lab ・ディズニーリサーチでの研究員、Googleでのウェアラブル製品開発に従事。mui Labに参画し研究開発、Matter対応、muiボード次世代機の商品企画をリード。東京大学客員研究員 博士(工学)

最近の記事

Touché: 身の回りの日用品への触り方を判別できるセンサー「Touché」 (2012) | カーム・テクノロジーの事例紹介 #2

前回の紹介に続いて、私のプロジェクトでカーム・テクノロジーの原則に基づいた例として「Touché」をご紹介します。 これは、私が博士課程在籍中に、アメリカのピッツバーグにあったディズニーリサーチでの研究インターンとして行ったプロジェクトです。 ディズニーでは、ディズニーランドやアトラクションで用いるコンピューターグラフィクス、バーチャルリアリティ、ロボット技術、その他多岐にわたるインタラクション技術の研究開発を行っています。 この研究プロジェクト「Touché」(トゥー

    • 羽田空港のパブリックアート「出発の星座」 (2009) | カーム・テクノロジーの事例紹介 #1

      今回は、私の実際のプロジェクトで、カーム・テクノロジーの原則に沿っているものをご紹介します。 「Constellation of Departure – 出発の星座」 羽田空港パブリックアート (2009)まずはこちらの動画をご覧ください。 空気の港からは、「星の飛行機」が飛び立ちます。星たちは羽田空港から飛行機が離陸する時刻に連動して、飛行機のシルエットを描き、目的地の方角に向かっていきます。 この作品は、東京大学のデジタルパブリックアートプロジェクト内で、アーティス

      • コンピューターは家具になるのか

        現代の私たちの暮らしは、さまざまなテクノロジー(技術)に支えられています。 自己紹介でも触れましたように、私は、新しいテクノロジーが本当の意味で生活空間に溶け込んでいくには、ある程度の時間や試行錯誤が必要であると考えています。 「生活空間に溶け込んでいく」とは、機能価値を提供するだけではなく、快適で心地よい空間や時間をつくり、人間の自己表現の手段でもあるといった体験価値が提供できる状態になることを指します。この状態に発展したテクノロジーは、人間の文化的な暮らしにまで大きく

        • muiボードと我が家の物語 | 3歳の娘と生後3日目のエピソード

          先日のポストでは、デジタルインターフェイスが美しい日用品となりうること、そのための原型(=アーキタイプ)の一つとしてmuiボードを作っていることをご紹介しました。アーキタイプとして成立するためには、その新しい技術が、人々の身体や、暮らしの場面や瞬間とちょうどよく馴染むかたちを見つけた時だと考えています。その時に、新しい技術のアーキタイプが生まれ、「美しい日用品」となるのだと思います。 今回、muiボード第1世代を使ういちユーザーとして、我が家でのエピソードをご紹介します。

        Touché: 身の回りの日用品への触り方を判別できるセンサー「Touché」 (2012) | カーム・テクノロジーの事例紹介 #2

          自己紹介 | 現代のデジタルテクノロジーが抱える課題を解決し、美しい日用品となるデジタルインターフェイスをつくるために

          こんにちは、ヒューマン・コンピューター・インタラクションを専門とする佐藤宗彦と申します。現在、mui LabというテクノロジースタートアップでR&Dと商品開発に取り組みながら、東京大学に客員研究員としても所属しています。 これまでに、日本やアメリカの大学で研究者として、産業界ではGoogleやディズニーといった企業でR&Dや商品開発を行ってきました。 これまでの経験や、日々の商品開発から得られた気づきをもとに、未来のテクノロジーのあり方、つまり「デジタルテクノロジーが、人間

          自己紹介 | 現代のデジタルテクノロジーが抱える課題を解決し、美しい日用品となるデジタルインターフェイスをつくるために