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4タイプ別、提案の心得

Webディレクター・プランナーの平藤(へいとう)です。プレゼンが大好きでがむしゃらに提案していた20代を経て、30代にコツみたいなものを掴んでから成約率が上がった気がして、そのノウハウで40代に突入しました。

批判を恐れずお伝えすると、提案の良し悪しは内容2割受け手8割です。提案が通らなかった(失注した)時に、この企画をリバイスして別企業に提案しましょう!みたいな慰めの言葉をいただくこともありましたが残念ながらそういった展開は実現したことはないので、提案は目の前のクライアントに受け入れてもらうことを第一に考えた方が無難です。

ということで、20年近くやってきた提案の心得について4タイプ別にまとめてみました。提案とひとことでいっても、そこに至るまでにさまざまな状況や条件があると思いますが、ここでは、そういった前置きは無視して、提案内容や対策についてワタシなりの経験をもとに考えをまとめてみました。

タイプ1:課題が明確で、解決策を求めている

自社の課題が具体的に言語化されていて、その課題を解決するアイデアを探しているタイプです。この場合、課題や対象ページ、スケジュール、予算、期待する効果といった内容が要件定義書にまとめられていることがほとんどです。

そのため、導入後の成果をイメージでき、それらを橋渡しするクリエイティブや実績のある独自サービスの提案が好まれる傾向があります。クライアント社内に判断&評価する担当者がいるので、クリエイティブやサービスに特化した提案をするようにします。

タイプ2:課題は見えているが、手法が分からない

社内課題は見えているが言語化されておらず、手法を模索しているタイプです。

「ネットショップの売り上げを上げたいが、何をして良いか分からない〜」
「社内のコミュニケーションを円滑にしたいが、何をして良いか分からない〜」

といった状況が予想されます。

課題の解像度(指標の具体性)によっても状況は異なりますが、このタイプには、アイデアをたくさん伝えるようにしています。実現可能性はいったん無視して、自社の成長を想像できるラフなアイデアを伝えることで、内部に眠っているキモチを触発するように心がけます。

タイプ3:目的が定まっていない

何かしらの実施は決まっていて予算やスケジュールはなんとなく決まっているが、プロジェクトの目的が定まっていない状態です。

タイプ2のようにたくさんのアイデアを伝えるのも効果的ですが、提案後アイデアをカタチにした後(納品後)の評価基準があいまいになってしまう恐れがあるため、目的を明確にすることを心がけています。

目的を明確にする方法はいろいろあると思いますが、ワタシの場合正解っぽいことを伝えるのではなく、クライアント内部から湧き出てくることをサポートします。具体的にはワークショップを実施して内部の意見を洗い出して精査したり、調査をしたりします。(この辺りはまた改めて記事にしたいと思います)

タイプ4:強烈な個性を持つトップや担当者

強烈な個性と実権をもつトップないし、担当者がいる場合は、論理的な提案はもちろんですが、ビジネスをカタチにしてきた方々なので、直感や感覚を重視する傾向が強いです。そのため、提案内容がスタイルにフィットしているかが全てだといえます。個人的にはアパレルブランドやアーティスト思考の強い経営陣にみられる傾向です。

対策としては、徹底的にその人物を掘り下げて、ワタシ自身がその企業やブランドのファンになることです。とはいえ、ワタシにも個性があるので、提案先企業の事業や理念、哲学に共感できるかが大きく影響します。このタイプの受注はマッチングや運みたいなものなので、残念ではありますが失注してもあまり気にしません。両想いになれればラッキーという気持ちを大切にしています。

まとめ

ここで紹介するクライアントの4タイプいかがでしたでしょうか?タイプを横断することもあると思いますが、それとなく共感していただける点があれば嬉しいです。繰り返しになりますが、要件書も大切ですが、誰から(どんな状況のクライアントから)の提案依頼なのかをジャッジすることもWebディレクター・プランナーの重要なスキルです。

ちなみに、ワタシの会社「マルチプル」は、プロジェクトの方向性を模索し伴走する「ディレクションカンパニー」なので、最も力を発揮できるクライアントタイプは、2~4です。モヤッとしているプロジェクトを担当されている方々からのお問い合わせお待ちしています。

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