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瀬戸内芸術祭〜島巡りの備忘録〜(Day1 豊島・宇野港)

ずっと行きたかった瀬戸内芸術祭。春に見学した感想のまとめは別記事にする。これは旅の記録と一緒にすると長すぎるし、かと言って芸術祭の参加の記録だけを3日でもまだ長いので、芸術祭だけを1日ずつ記録したものだ。旅の記事が多いのはご容赦願いたい。なにしろ本人もびっくりなのだ。

巡り方の備忘録

オンラインでチケットを購入(5000円。前売り券4000円を買っておけばよかったーー)買ったのは3シーズンの共通パスポートにした。直島に行きたかったからというのが主な理由だけれど、結局屋外展示しか見なかったからいらなかったかもしれない。

フェリーは3日間の区間限定乗り放題パスポート(2600円)を買った。作品自体にものすごいこだわりがなかった私にとって、これはいい選択だったと思う。安い区間だけでなく合計が2600円を超えそうだと思ったら購入をおすすめする。なによりやたら長い窓口でいちいちきっぷを買わなくていいのがとてもよい。

Day1 宇野港→豊島

初めての瀬戸内海だ。どこまでもずぼらな私は事前にファミリーマートで引換券を発行し忘れていて、まずは宇野のファミリーマートへ。もっと磯臭い場所なのかと思っていたが、宇野はそのイメージを覆してきた。

瀬戸内は、フィルムカメラみたいな色彩だった。noteでも瀬戸内の写真を撮られる写真家さんを拝見して、とても素敵なフィルム写真だと思っていた。実際に見ると、皆さんが撮りたくなる意味がわかった。こんなにも光を取り込み、淡い色彩の街を私は他に見たことがなかった。

宇野駅、絵になりすぎる。

ただ歩いているだけで自分が何かの映像の一場面になっているかのような感覚になる。ただファミリーマートにチケットを発券しに行っているだけなのに。

駅で当日券に変えてもらわないといけない。私は3日間のフェリーパスと通年の芸術祭のパスポートを買っていた。宇野駅で引き換え、検温してリストバンドをもらっていざフェリーへ。

きっぷを持っている私は、ここは並ばず突っ切れた

一面に青い芸術祭ののぼりが旗めく光景は壮観だった。淡い瀬戸内海を背景に、うろうろと人の波に乗る。直島に行こうかと思っていたが今日は島がお休みの日らしい。それでは、豊島に行き先変更!

フェリーの本数をほとんど調べていなかったので(こういうところがいけない)どうやら帰るのにちょうどいい時間にフェリーはなく、より早いフェリーで帰ることにしたから回りきれないと分かる(これでも後悔しないのはむしろすごいとも言える)。

これは直島行きのフェリー

唐櫃港に着いて、2つの作品を徒歩で目指す。ちなみに豊島美術館の予約はいっぱいで、私はもちろん予約していなかった。

ちょっと時間無理しても回ろうかななんて考えていたのだけれど、フェリーに揺られる1時間ほどの間にとても大事なことに気づいてしまった。

フェリーから見えるその瀬戸内海だけで、自分が70%も満足していると気づいてしまったのだった。あれ、無理して時間ないとイライラしてまで作品を回りたいんだっけと思ったら全然そんなことはなかった。

行きはずっと海を見て島を目指す

豊島に着いたが、レンタサイクルは完売らしい。もともと徒歩で回ろうとしていた私は特に気にせず最初の作品を目指す。それがこれ。バスケットゴールは、横に置かれたボールでたくさんの人が遊んでいた。

こういう時にアートって触れられるものなんだなあと思う。ただゴールを目指すだけで、解釈を聞くよりもよっぽどアートとの距離を縮められる人がいる。

歩いているだけでそれが絵になる

次の作品を目指して、少しだけ細い道にはいっていく。

青い看板を頼りに狭い道へ

心臓の音のアーカイブは、真っ暗な部屋に人の実際の心音が響き渡っていた。その音に合わせて一つだけ部屋の真ん中に吊り下げられた電球が強弱を変えながら点滅する。真っ暗なときには出入り口からやってくる人とぶつかるかもしれないほど暗くて心もとなかった。

私はそもそも心音や血液などが苦手なのでかなり苦しかったが、それでも簡単に部屋から出られないような引力があった。こころをざらりとなでられたような感じ。

中は撮影禁止。
海がこんなにきれいなんだって思っていなかった

この部屋の外は、中の暗闇が嘘のように穏やかな浜が続く。少しばかりの人だけが思い思いに過ごす浜辺は、びっくりするほどに穏やかだった。

宇野駅で買った豆パン

もう、別の作品はいいな。砂浜に腰をおろし、持ってきた豆パンを大きく齧る。トンビが狙っているから、一口食べてはすぐにカバンの中にしまいながら。

贅沢な昼の風景

15分ほどただ海を眺めていたら、自分の心がどんどん余分なものを捨てていた。

太陽の匂いの道

港に帰ろう、そう思った時には限られた時間でとても満足していた。誰もいない明るい道をゆっくりと歩けること、その空気をいっぱいに吸い込んだ。

途中にあった商店でアイスを買った。風が吹くと涼しいのに、太陽は強く照りつける。

アイスが食べたくなる日差し

懐かしいクーリッシュは島の商店でも150円で、私は少し感動した。

島の生活の要なのかな
レトロな雰囲気

帰りのフェリーでは室内を選んで少し寝た。プールの授業の後のようなまどろみだった。1時間で宇野港へ。

宇野港にもアート作品がいろいろとある。

鍵盤ハーモニカが気になるなあ
よくみると別々のガラクタから成り立っている
船で本当に使われていた廃材で作成されている

港周辺だけではなく、街の方にも展示がある。最初知らなくて、時間を持て余してしまった。見られるものだけ無理せずに見て回った。

時間屋という作品。
潮が落ちてきている
レンタサイクルというモチーフは、
芸術祭にもよくマッチしている気がする

宇野駅の周りを時間を気にしながら回る。岡山駅に戻る準備もしつつ、どら焼きを買って満足したので1日目は帰路につく。

思ったより長くなってしまったので、2日目の直島は次の記事にしよう。

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