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彼の帰りを待ちながら家を掃除した日のこと

今住んでいる家のお手洗いは、風が強かったり雨が降ったりすると便座にも黒っぽいちりが積もります。いつも使うときに少しだけ気になって、でもすぐに掃除できるような準備もないからなんとなく出てしまう。そうすると次に入ったときにまた「ああ、そうだった、汚れてるんだった」となります。わかっていてもそのままにしてしまう、私はそんな性格です。

以前、別のメンバーシップ記事の公開部分に書いたのだけれど、私は今の家に住んでから、ことごとく掃除というものをしてきませんでした。もちろん、その分の他の家事は私がメインでやっています。でも、掃除だけは後回しなのです。理由はあまり気にならないからで、それももう書いているけれど、彼の方は気になるタイプです。そのバランスを保っていけるかな、とお互いに相手の様子を伺っていたのがこの2ヶ月でした。

その日は、今日は遅くなると思う。夜ご飯もいらない。前の週からそう伝えられていて、じゃあ夜ご飯も適当に済ませちゃっていいな、ラッキーと思っていました。当日、チームの人とご飯に行くことになったと言われて、思った以上に時間ができます。勉強とかnote書くとかあらゆるやりたいことが浮かぶのですが、その日はなんだかいつもと違いました。掃除、しようかな。

きっと彼に言われた、「まゆちゃん俺と一緒に住んでから一回もクイックルかけてないんじゃない」という言葉が、思いのほか頭に残っていたんです。いや、その言葉自体より、彼がちょっと諦めたように、ちょっと疲れたように言うその様子がこたえたのかもしれません。あ、思ったより彼のストレスになってるのかもと、ハッとしました。掃除をしていない自覚はありました。でも、私は気になんないし役割分担ってことでいいよな、と適当に甘えようとしていたんです。違ったかも。

彼が帰ってこない静かな家で、トイレに流せるシートと床ぶきようのシートをそれぞれ持って、お手洗いへ。気になっていた窓枠を拭いたらやっぱり砂埃だらけで黒く固まってしまっていました。吹き込んだ風で網戸や窓枠の埃がトイレ内にも広がって、便器や床も黒っぽく汚れています。気になっても見て見ぬ振りをしていたそれを、重い腰をあげて掃除しはじめました。

こういうときにどこからともなく頭の中を流れるから、トイレの神様って歌はすごいよなあと思ってみたり。どうでもいいことを考えながら、手を動かすとそのぶん綺麗になる仕事に少しだけほくほくとします。こうやってだんだんと砂埃だらけの場所が快適になります。私もやればできるじゃん。無駄なポジティブさはこういう時に役立って、仕事終わりにまた一仕事終えたかんじ。

彼の掃除の頻度には追いつけないし、それは彼にこれからも担ってもらうことになるでしょう。でも、私も快適な生活を一緒に作っていこうと思うのでした。


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