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【インタビュー】強み発見に寄り添い、キャリアを導く転職支援|岡本大典

強みの認識に自分と他者とでズレがあったり、うまく活かせない環境にいたりするのはもったいない。そう語るのは外資系企業で中途採用を担当しながら、副業で人材紹介と留学支援を行う岡本大典(以下、岡本)だ。

海外大学院への留学、中学校の臨時教師、IT企業の営業を経て、転職して人事職へ。多様な経験から次のキャリアを目指すひとに寄りそう岡本は、なぜ「人との関わり」にこだわるのか。自身の転職経験や目指す姿にも迫る。

岡本大典:シスコシステムズ・中途採用担当。関西外国語大学卒業後、オーストラリアのウーロンゴンに1年10ヶ月の間留学し、大学院でTESOLプログラムを終了。新卒で日系IT企業の営業職を経験したのち、転職して現在のシスコシステムズに入社。副業として、コンサル業界に特化した人材紹介と、学生時代の部活や留学経験を活かしたスポーツ留学のサポートを行う。


幅広い職種を経験したが、キャリアの軸には常に「人」がいた


留学時代の岡本

現在は本業でも副業でも人事に関わるが、社会人のスタートは営業職だった。高校時代には先生を目指し、教員免許も持つ岡本が、今のキャリアを選んだ軸は人材開発にあるそうだ。

「もともとの将来の夢は、英語の先生でした。父親に影響を受け、子どもたちの未来や喜びに寄り添える大人になりたいと思ったことが、教師を志したきっかけです。大学では教育を学び、実際に就職前の一学期間、公立中学校の臨時教師をしたこともあります。一人ひとりと真摯に向き合い、相手にいい影響を与えたいという価値観は、学生時代から今まで続いているものです。

一方で、伝えられることの幅を広げるために、学校だけでなく広く社会経験を積むべきだと多くの先生に勧められました。また、現場のITリテラシーにも課題意識を持ったため、IT×教育を軸にした就職活動を行いました。」

一社目の日系企業では、IT製品で教育分野に還元したいと営業職に就く。仕事や職場の人間関係に不満はなかったというが、人材開発により近い領域の現職にチャレンジする機会があり、一年目で転職を決意したそうだ。

「五年後、十年後の自分をイメージしたとき、目指している姿ではないかもしれないと思ったのが転職の理由です。もっと人材開発に直接関わりたいと思い、今すぐやりたいことに踏み出そうと決意しました。

もともと就活時から、シスコには働きやすい制度や福利厚生が整った会社のイメージがあったんです。人を活かす環境づくりや制度設計を、人事の視点で見られることは、非常にいい機会だと思いました。」

岡本は集団や組織にも強い関心を寄せる。中学から大学まで続けた野球部での経験が、今の価値観に繋がっている。

「チームスポーツでは、人との衝突が避けられないことがあります。一方で、相手を理解し自分の振るまいを学ぶ機会でもありました。個々のスキルや良さを活かし、自然体で活躍できる環境を目指すべきだと思いますし、その土台の上でより個人にフォーカスした支援をしていきたいです。」

転職面談では、本当の強みを理解するためのサポートを


個々人と向き合うことを重視する岡本。現在は副業の一つとして、コンサル業界に特化した人材紹介を行っている。

「エージェントに登録した候補者の方に対して、面談やカウンセリングを重ねて、マッチするポジションを紹介しています。いわゆる一社目の転職ではなく、三、四社目の転職支援がメインです。マネジメント層や、その中でもさらにキャリアアップを目指す方への紹介が多いです。」

対話を重ね、候補者自身の気づいていなかった強みを一緒に発見した瞬間に、やりがいを感じると話す岡本。

「希望の仕事が決まっている方もいれば、迷っている段階の方もいます。それぞれの候補者の方にあった面談を繰り返すことで、ご自身の強みを正しく認識したり、理想像を具体化したりするサポートをしています。

例えば、業界やポジションの要項の知識を噛み砕いて、候補者自身の認識とすり合わせる時間をとります。正しい理解に合わせた強みのアピールができるかということも、採用担当者の判断材料です。なので基本的なことに見えますが、丁寧に寄り添って行っています。必要であれば、現場を知る社内の人と面談を設定することもあります。

お話しする過程では、面談者である私がその方の強みに気づくというより、候補者自身が自分の本心や経験の価値に気づくことが重要です。実際に選考が進んでいても、面談で目指している方向性とのギャップに事前に気づく方もいます。ある方は選考を辞退して、より自分の理想に近いグローバルな仕事を目指すことにしました。」

一方で、岡本が話す相手はマネジメント層に限られるわけではない。

「まず一度キャリアの話を聞いてみたい、転職の話を聞いてみたいという方とお話しすることもあります。ピンポイントで行きたい企業や業種が決まっていなくても、キャリアや転職の話をカジュアルにお話しできたらと思っています。」

将来的には、アスリートのセカンドキャリアをサポートできる人材に


候補者に寄り添う岡本自身は、どんなキャリアを目指しているのだろうか。

「アスリートの人材紹介と、プロアスリートのセカンドキャリアの支援をすることが、将来的な目標です。きっかけは、大学まで野球部を続けて感じた違和感ともったいなさでした。キャリアについて深く考えるきっかけもないまま、慢性的に就活を進めてしまっているケースがまだまだ多いと思うんです。そんな体育会系の就活文化に違和感があります。

先輩が受けているから。体育会系といったら営業。そんな固定観念が幅を狭めていると感じ、本当にやってみたいことやその人の強みを活かせる部分を探したいです。部活を続け、国内外でたくさんの人と出会った自分だからこそ、経験を元にしたサポートもしやすいと思っています。

また、何か一つを探求し、極めてきた人は、企業としても欲しい人材です。もっとその魅力を引き出して活かすサポートができないかと考えています。」

本業で人事職に就いたにもかかわらず、さらに副業を開始したきっかけはこの目標にあった。

「理想に向けて、候補者から企業側へのアプローチを一貫してみる経験やスキルと、アスリートやスポーツをしてきた方との関係構築が必要でした。

また、会社経営で家族を支える祖父を身近に見てきたことで、独立に対しても高いモチベーションがあります。今後は、留学や英語というグローバルな要素、アスリートという要素に、人事の経験をかけあわせたキャリアを描いています。」

高校時代から自身のなりたい姿を思い描いてきたことが、岡本の今の転職支援の活動にもつながっている。候補者の想いにも自身の目標にも正面から向き合うその姿勢は、これからのキャリアを考える人の心強い同志となるに違いない。

執筆:mayu
写真提供:岡本大典


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