日本で子どもを育てるなんて

 少子高齢化が進む日本。未婚率、出生率ともに、年々悪い数値になっています。
 私自身、ここ五年ほど「結婚も、子育てもしようとは思わない」タイプでした。

 かつてはブラック企業に勤め、遅くまで働いていたので「子どもを養う余裕なんてない」「自分の自由時間すらない」「自分が幸せじゃないのに家族を幸せにできる訳がない」と考えていました。
 ネットにあふれるのは、結婚生活が破綻したような悪い噂ばかり
 身の回りで結婚している人も、仕事が大変なこともあって、家族を大切に出来ず、幸せいっぱいに見える人はいませんでした。嬉しい出来事よりも、愚痴の方が多かったです。

理性:日本で子育てするなんて正気じゃない

 妹と「今の日本で、子どもを育てようとは思えない」と話していました。こんなお先真っ暗な日本に誕生させて良いのだろうかと思います。

 三十年以上に渡って、日本の経済は停滞・後退し続けてきました。
 給料は上がらないどころか、実は三十年前よりも下がっています物価も税負担も上がり続けています

 中学生になると、社会の教科書でこんな事を教えられます。

国税庁:将来の税はどうなるの?

 年金や社会保険など「払い損」だと言われます。生まれただけで、そういった業を背負うことになります。
 お金の問題以外にも、社会から優しさや思いやりが減り、無関心や理不尽が増えているように思います。

感性:結婚や子育てを諦めるのは、やっぱりおかしい

 という事で私も妹も、弟や両親に対して「今のところ結婚する気も、子どもを作る気もない」と公言していました。
 ただ、弟と正月に話していて、ある気づきを得たので共有しようと思います。仕事観、恋愛観、結婚観など色々と話していました。
 弟は、お先真っ暗な日本に失望はしているものの、結婚したい気持ちがあると話してくれました。私はこんな日本でそんな気力が残っていることに感心し「やっぱり、お父さんもお母さんも、内心悲しむだろうしね」と返したのですが「正直、兄貴と姉貴が結婚しないって言った時、ショックだった」と言われたのです。

 そこで私はイメージしました。「確かに、もし三十年後、六十とかになって、それで兄妹三人ここに集まっても……それは大分、物哀しいし寂しそうだね」「やだよそれ!」

本当の私の思い

 そこで気がついたのです。本当の私は、結婚が嫌なわけでも、子育てが嫌なわけでもないんだと。

 子育てが嫌なのは、社会や現実にそう思わされていたからだったのです。それは日本や社会に対する失望から来ています。ですが、そういった条件を抜きにして本心に耳を傾ければ、本当は結婚したいし、子どもを育てたいのだろうと気がつきました。

 イメージをしてみればそうだったのです。自分が六十になって母も父も死んでしまった。妹と弟はいますが、六十になった兄妹が、全員未婚で正月に再会する姿は、何とも物悲しく、寂しいと直感したのです。

 もう一つ気づきました。人は子どもを育てるのが自然なのです。鳥や虫でさえ、親が子どもに餌を分け与えているのです

理性と感性どちらも正しい

 日本の先が真っ暗で、子育て世代に厳しく、若者に厳しく、何より子どもに厳しい社会だと言う事は、現実として立ちふさがっています。
 理性の私は、こんな日本で子どもを育てるなんて正気じゃない、と今でも変わらず思っています。

 今の日本に絶望していたり、自分の生活が辛かったり、自由時間がほとんどなかったりして、結婚を諦めている人は男女共に多いと思います。

 日本を抜きに考えても、子どもを育てること自体がとても大変なことでしょう。
 ですが、子どもを作るかどうかは置いておいて、ひとまず結婚だけする、という選択肢もありなのではないかと思い至りました。
 結婚が大変なのではなく、子育てこそが大変なのではないかと思うのです。価値観が近く、お互いに尊重し合える人と結婚できるなら、良いことづくめなのではないでしょうか。

 2024年はそういったヴィジョンを持ち、目標の一つとして頑張っていけたらと思います


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