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車を買う時のように「家の燃費」も考える。〜パッシブデザインを採用するメリット〜

あなたは家の燃費を考えたことがありますか?
家を計画する上で家の燃費を考えることは非常に重要です。
なぜならその家に住み続けるということは、この先何十年と同じランニングコストがかかるということだからです。
さらにしっかり環境シミュレーションがされたパッシブデザインの家に住むことで家の燃費を大幅に向上させることができるのです。
今日は家の燃費向上の提案としてパッシブデザインのお話をします。


パッシブデザインとは自然エネルギーを上手に使う設計方法

パッシブデザインとは、自然の力を活用して、住宅の快適さを保ちつつエネルギー消費を抑える設計手法です。
この手法は、日射の利用、自然通風、断熱、熱質量の利用など、いくつかの基本的な原則に基づいています。
以下に、住宅設計で考えられるパッシブデザインの主な要素を紹介します。

日射の利用:
冬は日射を最大限に利用して暖房効果を得るため、南向きの窓を多く設ける。
夏は過剰な日射を遮るために日よけや庇(ひさし)を設計に取り入れる。

断熱:
壁、屋根、床、窓などの断熱性を高めることで、冷暖房のエネルギー消費を削減します。
断熱材の種類や厚さ、窓の二重ガラスなど、地域の気候に応じた選択が重要です。

自然通風:
建物内の空気の流れを良くすることで、エアコンの使用を減らし、新鮮な空気を室内に供給します。
通風路の設計、窓の配置、風の通り道を意識した間取りが求められます。

熱質量の利用:
建物内の重量のある素材(コンクリート、石など)を利用して、昼間に熱を吸収し、夜間に放出することで室温の変動を緩和します。
夏は熱を吸収し過ぎないようにするための工夫も必要です。

地域の気候を考慮した設計:
地域の気候特性(日照時間、風向き、湿度など)を理解し、それに合わせた設計を行います。

省エネルギー設備の利用:
太陽光発電や地熱ヒートポンプなど、再生可能エネルギーを利用した設備を組み込むことも、パッシブデザインの一環です。
パッシブデザインは、住宅の初期設計段階からしっかりと計画を立てることが重要で、最終的には快適な住環境と持続可能なエネルギー利用のバランスを達成することを目指します。

パッシブデザインで家の燃費はどのぐらい向上するの?

実際にパッシブデザインを採用することでどれぐらいの家の燃費が向上するか、
言い換えるとどれくらい光熱費削減になるかお伝えします。
パッシブデザインを取り入れた住宅は、従来の建築に比べて光熱費が約30%〜50%削減させることができます。
日本の一般的な家族の高熱費の月平均は14000円〜19000円です。

例えば月の光熱費が16000円の家族がパッシブデザインの家に住むと
16000円×12ヶ月×40%=76800円/年
年間76800円光熱費を削減できます。
この家に40年住むことを考えると307万円削減されることになります。

車を買うときのように家の燃費も考えよう

皆さんが車を買うときに燃費を気にするのは、普段の使用率からガソリン代を試算できるからだと思います。
一方で住宅の場合は、新しい家での使用量を想定しにくく家の燃費は試算できないと思っている人も多いと思います。

ただし環境シミュレーションができる設計会社に依頼し、しっかり根拠を持って計画された住宅はある程度のエネルギー使用量を想定できます。
車は5年から10年で乗り換えるかもしれませんが、住宅はそうはいきません。
今住宅を計画している方は家の燃費についてもう少し考えてみていただけるときっと満足する家づくりに繋がると思います。


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