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詩「ばんそうこう」


 まだ歩きはじめたばかりのころ
 ぼくらは少し転んだだけで
 大きな声をあげて泣いていた
 ケガをしたところに
 大きなばんそうこうを
 はってもらっていたっけ

 まだしゃべりはじめたばかりのころ
 ぼくらは少し思いどおりにいかないだけで
 大きな声をあげて泣いていた
 「だいじょうぶだよ」「ごめんね」と
 お母さんとお父さんに
 だきしめてもらったっけ

 大きくなった今
 ぼくらは少し転んだだけでは
 なみだ一つ流さなくなった
 ひざから血が出ていても
 ばんそうこうをはらずに
 水で流すだけになった

 大きくなった今
 ぼくらは少し思いどおりにいかないだけでは
 なみだ一つ流さなくなった
 「だいじょうぶだよ」「ごめんね」と
 お母さんとお父さん 友だちに
 言うようになった

 ケガをそのままにしていると
 傷口からバイきんが入って
 よけいに悪くなる

 こころのケガも
 そのままにしていると
「もうダメだ……」
「嫌になる」
「わたしなんて……」
 ネガティブが入ってくる

 だから
 からだとこころのケガには
 しっかり消毒をして
 ばんそうこうをはろう
 
 いやなバイきんやネガティブから
 ぼくらを守ってくれる




 

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