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詩「兵庫県のような雲」


 わたしが言った
 「あの雲 兵庫県みたいだね」

 友だちが言った
 「わたしには茨城県に見える」

 通りすがりの人が言った
 「わたしには山に見えますよ」

 通りすがりの人の連れが言った
 「わたしにはおしりに見える」

 たった一つの雲の形
 それでも
 見え方は十人十色
 みんな同じではない
 そのちがいを受け入れよう

 もう一度空を見上げると
 その雲はどこかへ行ってしまい
 栃木県のような雲がうかんでいた

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