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LITALICO社内の編集担当者のナレッジシェアについて


1,記事制作の横展開について

私は、LITALICOのコンテンツ制作を行うチームのマネージャーをしています。
この記事では、LITALICOでSEOコンテンツ制作に携わる編集者のナレッジシェアについて書きたいと思っています。

2,LITALICOにはさまざまなWebサイトがあり、チームがあり、コンテンツを作っている

LITALICOは複数の事業を展開しています。
サイトも複数存在し、記事コンテンツを提供しているサイトも複数あります。

最も規模が大きいのは、私が編集長を務めているLITALICO発達ナビという発達障害ポータルサイトで、無料会員数は30万人以上。主に子どもの領域の情報の発信をしています。ユーザー層としては保護者が約8割をしめています。

大人の当事者領域の就職情報サイトLITALICO仕事ナビや、障害福祉領域の求人情報サービスLITALICOキャリアでも、基礎知識コラムや取材コラムなどを制作・発信しています。

また、店舗事業等を行う事業もそれぞれWebサイトを持ち、記事コンテンツを提供しています。

主に精神障害、発達障害の方を対象に職業訓練サービスを提供する、就労移行支援LITALICOワークス
障害や特性があるお子さん向けの児童発達支援・放課後等デイサービス、幼児教室・学習塾を運営するLITALICOジュニア
IT×ものづくり教室のLITALICOワンダー
ライフプランニング事業を行うLITALICOライフ

ほかにもコンテンツ制作を行う部署はありますが、いわゆるSEOコンテンツといわれるものを主に制作しているのは上記のWebサイトとなります。

このように、社内のさまざまな部署にコンテンツ制作に携わるメンバーがいるものの、昨年度まではなかなか横連携ができず、ナレッジのシェアもできていませんでした。

3,どのチームにも共通しているのがSEO記事(解説記事)制作

それぞれ、Webサイトの特性や事業内容によって制作するコンテンツには違いがあり、コミックエッセイや取材コラム、専門家の寄稿記事など、多岐にわたっていますが、その中でもどのWebサイトにも共通するのは、SEO記事を制作しているという点です。

コンテンツの編集担当が1人しかいないというサイトもあり、新しくジョインしたりSEO記事制作の経験が少ない場合、同チームに相談相手がいないと、どのようにSEO記事を制作したらいいかが分からないという状況に……。
そのため、チームごとに記事制作工数にばらつきがあったり、質の均一化が図れていないといった課題がありました。

そこでこの1〜2年、社内では機能組織の横連携を強くする試みを行ってきました。私自身、複数の部署のマネージャーやAMGを兼務したり、また編集チーム横断の会議体なども組織しました。

記事制作に関することでは具体的に下記のようなことを行いました。

  • 企画段階:仕様書の統一

  • 制作段階:チェック体制(レギュレーションの統一PJT)、監修フローの統一

  • 社外スタッフ:現在つながりのある社外スタッフや監修の先生方などの見える化

特に、記事の骨組みとなる「仕様書」を統一化したことは、記事を作る際にどのようなデータを見ているのか、どのように章立てを考えていくのか、といった解像度があがり、また編集担当者が悩むことも減らせたのではないかと考えています。

仕様書については企業秘密(?)なので詳しくお伝えできませんが

  • 顕在ニーズ、及び潜在ニーズの整理

  • ペルソナ設計分析

  • ツールを使用したKWDボリューム及びかけ合わせKWDのデータ分析

  • 競合記事の流入KWD

  • 競合記事の章立て

  • 自社記事への流入KWD

等のデータ分析資料や

  • 章立て

  • 盛り込むKWD

等を、1記事ごとにスプレッドシートを使ってまとめています。

仕様書段階で記事の骨格をしっかり決め、編集長チェックのみでなく、SEO観点でのチェック及び、専門家の先生によるチェックをいただいてから、初稿執筆に入ります。
社外のライターさんへは、この仕様書の中の一部(記事骨子詳細)を抜粋して、発注時に連携しています。
記事方針の詳細や、参照いただきたい資料についても詳しく伝えられるので、執筆段階での手戻りも比較的少ないと思います。
また、読者が知りたい情報を、正しく適切に伝えられるコンテンツを制作でき、その点でも有益だと感じています。

また、社内のクオリティマネジメント室と連携して”レギュレーションの統一”(用字用語や、執筆・校正校閲・監修時のチェックポイントの整理含)を進めています。
こちらも、記事の質の向上・均質化に寄与していると思います。

4,チーム横断のleaders MTG

仕様書や、分析ツールの統一といったことに加えて、コンテンツに携わるメンバーのコミュニケーションの場も作っています。
今年度下期からは、各サイトのリーダー的な役割を担っている編集者が週1回集い、それぞれのサイトの数値(流入数値や記事の順位変動、CTRやCVR等、それぞれの目標やミッションとその達成度合い)をシェアしたり、記事制作等に関わるナレッジのシェアを行う場を設けています。

また、発達ナビのように編集者が10人弱在籍しているチームでは、ランチミーティングを、今年度下期から月に2回設けるようにしました。
これは、発散ベースでアイディア出しをしたり、業務での相談などができる場として活用しています。

メンバーは基本的にリモートワークなので、同じチームであっても気軽に「こういうときってどうすればいいの?」が聞きにくい環境にあり、一人で悩んでしまうと仕事の進捗にも影響しますし、孤独感を抱えることにもなりかねません。こうした課題を解消するために導入をしました。
発散ベースのアイディア出しから、よい企画が生まれることも多いので、意見を出しやすい場は必要だなと感じています。

5,これから

ツールの統一化、コミュニケーションの場の整備などを行ってきて、制作業務においてはだいぶ風通しが良い環境が築かれつつあるのではないかと考えています。
今後は、業務工数をより最適化していくことで、まだ差が大きい制作コスト面等でも各部署間での差異を減らしていきたいと考えています。
来期は、適切な工数とコストでよいコンテンツを作っていく体制を、さらに強化していきたいと考えています。


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