内害

変な夢をよく見ます。

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    私がここのnote以外で書いた記事のまとめです。主に立命館大学オカルト研究会の記事。

  • 平安日記

    架空平安貴族「藤原道喪古(ふじわらのみちもこ)」に関する記述です。作者未詳。

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クルトンはふやけないうちに

こんにちは。腹祟 茶飯事(はらだたり さはんじ)と申します。 突然ですが、皆さんはスープに入っているクルトンを、カリカリのうちに食べますか?それともふやけてやわらかくなってから食べますか? 私はクルトンはカリカリのうちに食べる派です。なんか、カリカリの方がおいしく感じるんですよね。ふやけたものがあまり好みではなくて。パンをスープに浸して食べる、という食べ方がありますが、私はあまりそういう風にはしないタイプですね。 ちなみにうどんの揚げ玉(天かす)もかりかりのうちに食べるのが

    • 人間ドッキリ

      「さあさあ今日はいつにも増して完璧な晴天です。素晴らしい葬式日和ではありませんか!それでは早速故人を紹介いたします」 広場で司会者風の男が拡声器を使って何やらわけのわからないことを叫んでいる。 「故人の佐藤まりさん、25歳独身、アパレル店員です!」 さわやかな笑顔で司会者風の男がそう言うと、2人の男が棺桶を運んできて司会者の前に置いた。1人は若い男、もう1人は白髪交じりの男だった。 これは夢なのか?と私は自分の頬をつねってみた。というのも、25歳独身アパレル店員の佐藤まりとは

      • 愉快な隣人

        深夜2時、丑三つ時になると毎日隣の部屋から何やら愉快な音が聞こえてくる。まずは何かが開幕したのか?と思わせるようなホラ貝を吹く音がしたかと思うと、ぴょろぴょろぴ―、ぼよよよよよーん等という馬鹿げた音に交じり、時折笑い声や奇声が聞こえてくる。とにかく愉快である。私はこの時間が待ち遠しくてたまらない。 隣人の名前は、ヘボピーナッツさんという。表札にそう書いてあるのだからおそらく本名なのであろう。ヘボピーナッツさんとは、たまに朝や昼間にすれ違う事があるが、その時は意外にも陽気という

        • 真夜中の奇怪男

          それは嫌に寝付けない真夜中の事だった。 目をつぶっても一向に眠ることのできなかった私はなんとなく一度ベランダに出てみることにした。夜の静かな風が私の頬を触れる。近所の家の明かりは悉く消され、電灯の光だけが灯っている。そんな夜の景色をしばらくボーっと眺めていると、私の耳になんだか奇妙な音が入ってきた。パフッ、パフッ、と、何やら馬鹿そうな音が聞こえてくるのだ。そしてその音はだんだんと近づいてくるようだった。 何の音なんだ?と私はベランダから身を乗り出した。音の主は容易に特定す

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          未確認飛行物体

          「食事でも、どうですか?」 商店街を歩いていたら、人生初のナンパをされた。 私はつい嬉しくなってしまい、男についていった。私達は寿司を食べた。男は黒いスーツ姿で、七三分けで、背格好は標準くらいで、特徴のない顔をしていた。 「あなたに一目惚れして声をかけてしまいました」 そう男に言われると、建前であったとしても今まで恋愛経験に乏しかった私は簡単に嬉しくなってしまう。 「よかったら、僕の車に乗っていきませんか?」 そのように言われて、いけないことだとは思いつつも私はついつい首を縦

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          定食屋

          朝一番の電車に乗って京都へ旅行に行った。 伝統文化やわびさびを好む私にとって古都の風景はすばらしいものだった。 いくつかの寺社を巡ったのち、私は昼食をとることにした。せっかく京都にきたのだから、チェーン店などではなく老舗の料理店にでも入りたいものだと思って歩いていると、私は小さな定食屋を見つけた。「食事処 かつら」と書かれた木の看板が入口の上に掲げられている。いかにも老舗のようだった。こぢんまりとした雰囲気も良い。早速私はその店に入った。 店内にはまだ私の他に客はいなかった

          定食屋

          奪恋カエル

          彼氏に別れ話を切り出された。 突然すぎてびっくりした。昨日まで楽しくデートしていた筈なのに。 私は納得がいかなかった。 「もし私に不満があったのなら頑張って直すからさ、別れないでほしい」 必死に彼を繋ぎとめようとする。しかし彼の心は揺れ動かなかった。 「ごめんね。別に君に不満があった訳じゃない。でも別れてほしいんだ」 「どうして?昨日まであんなに好きと言ってくれていたのに」 「ごめんね」 彼はごめんねとしか語らない。しかもさっきからスマホをいじっている。何なんだ、この人。私は

          奪恋カエル

          田中里美

          私の家に知らないおばさんがやってきた。 おばさんは死んだ魚の目をしていた。 「だれですか?警察呼びますよ!」 私が言うと、おばさんは言った。 「もう警察でも何でも呼んでください。逮捕してください。というかどうせならこの場で私を殺してちょうだい。ああ死にたい死にたい」 おばさんは随分とヒステリックになっていた。これが更年期というものなのだろうか。 「ど、どうしたんですか。とりあえず落ち着いてください。あなたの目的は何なのですか?」 「わたしは、どうすればいいのよお」 するとおば

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          リアル脱出ゲーム

          最近話題のリアル脱出ゲームに行くことにした。 現場に着いたら、「リアル脱出ゲーム」という看板が掲げられた店と、その隣に「ガチリアル脱出ゲーム」という看板が掲げられた店があった。私は、ガチがついている方が本気度が高くて手応えもありそうだと考え、そちらの店ののれんをくぐった。 私は受付を済まし、いよいよゲームが行われる部屋へと入った。 「制限時間は60分です。それまでに頑張って脱出して下さいね!」 司会のおねえさんがにこやかに言った。 そしてついに脱出のための謎解きがスタートし

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          アイドル地獄

          事故なのか病気なのか、どうやら私は突然倒れてしまったようである。何もない暗闇にいると、どこかからか女がやって来た。 「あなたはもうじき死にます」 女は言った。 「何を言うんですか!大体あなたは誰なんだ!そしてここはどこなんだ!」 死ぬだなんて冗談じゃない。私にはまだやりたい事が山ほどあるのに。 「ここはもうじき死ぬ人が訪れるこの世とあの世の狭間の空間です。あなたは今までたくさん悪いことをしてきました。地獄に落ちるでしょう」 「地獄だって!?人を殺したわけでもないのに?冗談じゃ

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          【漫画】怪奇怪力男

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          めったに当たらないと話題の占い師!望月の母

          SNSで話題沸騰中!当たる率30%の占い師現在、「日本一当たらない占い師」としてSNSで話題の占い師、望月の母。その占いの当たる確率はなんと脅威の30%。確率50パーセントである裏表コインよりもアテにならないというのだ。 そんな大人気の望月の母が行っているのは主に毒虫占い。毒虫を食し、その後起こる炎症の具合によって占うというものだ。ちなみに毒虫には、望月の母自身が様々な毒虫を交配させて生み出した糞虫が用いられているのだという。 あなたも一度占ってもらってみてはいかがだろうか

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          【平安企画】アリを探そう!

          はじめまして。藤原道喪古(ふじわらのみちもこ)と申します。 突然ですが皆さん、アリというものを見たことがありますか? 私はありません。 というわけで、今回の企画は「外に出てアリを探す」です。 弟にも協力してもらって2人がかりで捜索していきたいと思います! 捜索開始 反省 残念ながらアリを見つけることはできませんでした。 期待して下さった皆様、そして協力してくれた弟、すべての方にお詫びを申し上げます。本当にごめんなさい。 私の実力不足を嫌というほど感じて、自己嫌悪に陥

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          ばかみかんとヤブ医者

          私は確かにこの目で見た。 「ばかみかんさーん。診察室Cへお入り下さい」 と看護師にアナウンスされ、男が診察室へと入っていくのを。ばかみかんとは本名なのだろうか。彼の素性が気になって仕方がない。 しかもばかみかんが呼ばれたのは、担当の毒鯰(どくなまず)医師(90)がデタラメな事ばかり言うため患者たちの間で「ハズレ部屋」と呼ばれている診察室Cときているではないか! これは面白い事になってきた。ばかみかんと毒鯰の攻防が見ものである。 地獄耳である私は、診察室Cに最も近い席に座る

          ばかみかんとヤブ医者

          【嘘ドキュメンタリー】社長・五木武利

          プロローグ 私は五木武利(いつきたけとし)、50歳。 ついに自分の会社を立ち上げることに成功し社長となった。社員は今のところ私と城有君の二人しかいないが、これから拡大していく予定だ。 私は今まで実に数々の苦難を経験し、乗り越えてきた。何度も泣き、のし上がってきた。雨に打たれ、風に吹かれ、雷に打たれ、ゴミ箱にぶち込まれてきた。スピード違反で警察に捕まったこともあった(それはお前が悪いだろ)。実に波乱万丈な人生であると言えるであろう。 #1「社名編」 会社を立ち上げることになっ

          【嘘ドキュメンタリー】社長・五木武利

          【嘘日記】人生100年時代

          昨日爺さんが78歳の誕生日を迎え、皆でお祝いをした。 イチゴのホールケーキがテーブルに置かれ、皆でハッピーバースデーを歌った。 ご機嫌になった爺さんは、 「みんなありがとう。わしゃもう78だが、まだまだ長生きするよ。人生百年時代って言うしな。」 と言った。 その時、7歳の孫がぼそっと呟いた。 「人生百年時代って言うのは今生まれた0歳の子供の平均余命が百年っていう意味であって別におじいちゃんが百歳まで生きられるということを保証する言葉じゃないんだよ」 その瞬間、家の中が微

          【嘘日記】人生100年時代