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ふつうのことが難しい。「在宅ワーク」を乗り切る虎の巻。

【2020年5月 @cakes連載を転載】
はじめまして! イラストレーターの鈴木みきです。
ここ12年は登山のコミックエッセイを描いたりしています。
最近、新型コロナの影響で「テレワーク」「リモートワーク」になった、いや、なってしまった人が私の周りにも増えました。私はもうずっと「在宅ワーク」なのでいつも通りの生活ですが、新規参入した友人・知人は少々手こずっている様子…あげく「家で仕事ができるなんて偉い」と褒められて「そ、そう? そうでしょ? 大変でしょ、在宅って?」なんて少しだけ鼻が高い。だって、今までそんなことを認められたことなかったですもん。むしろ通勤できない非社会人だと思って生きてきましたから。
いやぁ~時代が追いついてきたのかしら…なんて言ってる場合ではないのですが、私のこの「在宅ワーク」の経験が、もしかしたらみなさんの「テレワーク」のお役に立てるかもしれない。そう思って連載を始めることにしました。
「あいうえお」の50音に乗せて、ゆるいイラストでお送りする私の心得には、たいしたスキルもハックもないかもしれません。でも、そんな普通のことが難しいのが「在宅ワーク」です。みなさんの今ひとときの「テレワーク」の間だけでも、上手く凌ぐヒントになれば幸いです。
第一回は「あ行」です。


東京で緊急事態宣言が出されてから「社会人の歩数が約30%減(タニタ調べ)」というニュースを見ました。そりゃそうだろうと数字を見ると、「8~9000歩→5~6000歩」!はあ? 通勤してる人はそんなに歩いてるの? で、減っても5000歩!? もう、何かの間違いであってほしい。在宅の場合は自ら「歩きに行く」ことをしないと歩計の数字は三桁がいいところです。私なんて二桁もざらにある。
そんな私の驚きはともかく、「歩く」という行為は単純で簡単がゆえ意識されにくいですが、体にも心にも効き目があります。体力維持はそのひとつですが、いちばん大事なのは気分転換。理想は毎日、だけど3日に一回でもいい。キビキビ歩く必要も1万歩を目指す必要もありません。歩くと小さな発見があるし、家の他にも世界があるって自分に分からすためにも外に出るってことがいい。
私は近所にいくつか散歩コースを作って、コースを考えずに出かけても足が勝手に動くようにしています。気が乗らなくて10分くらいで引き返してきても結構スッキリします。通勤だと思って時間を割きましょう。同居人がいる方なら、その時間をひとりになる時間にするのもいいと思いますね。


いまや仕事のやり取りはメールがほとんどです。たま~に理解できない理不尽な文面が予期せず届くことががあります。カッとしますよね。会社にいれば、ちょっと隣の同僚にでも聞いてもらったり、とりあえず給湯室やトイレに行ったりして紛らわせることができるのかもしれません。
しかし部屋には私だけ、台所もトイレもすぐそこに見える。一旦「歩く」のも有効ですが、結局イライラの行先はなく自分の鞘に収めるしかないのがないのが在宅の孤独です。そんなときは一度吐き出す。そしてなかったことにする。
私は相手には読ませないメールを淡々と書いて全delete(リスクヘッジとして宛名をいれないこと)。不思議と2通目は角がなく書けます。裏紙にドーッと書いてグシャグシャと丸めて捨ててもいいと思います。そんなカッとなってても忘れてはいけないのは、イライラメールの前の自分のメールに問題がある可能性があること。それに気づいたときは気まずいっすね。石ころ蹴りたくなります。


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