夢は叶えるものじゃなくて、思い描いて楽しむもの。
新しい働き方が求められているコロナ禍。14 年来の在宅ワーカーでイラストレーターの鈴木みきさんが、在宅ワークを上手にこなすヒントをあいうえお形式でゆるーくお伝えします!
50音も終盤に差し掛かってきました。
「や行」の心得は3つなので最後に「新型コロナ禍で新たに発見した心得」を1つ加えてお届けします。
今回は「やゆよ」です。
私はかつて「山系」とか「登山系」イラストレーターと呼ばれていました。かれこれ25年くらいは飽きずに山を歩いてニヤニヤしています。
私が登山を好きな理由のひとつに「無心になれる」ということがあります。自然との一体感とか禅の境地みたいな素敵なスピリチュアル風味の話じゃなく、単に登るのが苦しくて何も考えられないというね、運動不足の人こそ多めに得られるやつです。 なぜこれが「在宅ワーク」に繋がるかというと、在宅ワーカーは仕事スイッチを「オン」にするのに日々難儀していますが、逆に「オフ」にするのにも実は苦労しているのです。常に「スタンバイ」状態で仕事を引きずりながら暮らしています。
登山に限らず、ほかの趣味で同じような体験ができるのであれば全然構いません。そのことだけに集中できるもの。その間だけは余計なことを何にも考えないでいられるもの。そういうものが仕事スイッチの「オフ」になっていいと思います。
体を動かす系は、容赦なく在宅ワーカーの心拍数を上げて半ば酸欠にさせて「強制シャットダウン」してくれるのでとくにおすすめです。基本運動不足ですから容易に「無心」になれますよ。
私はこれまでたくさんの方々と登山をしてきましたが、守秘義務がある職業とデスクワークの人がとくにハマってる気がします。在宅もそうですが、頭がパンパンになりやすい人ほど強制シャットダウンしたいと思っているのかもしれません。
ちなみに登山は、そんな遠くの高い山に行かなければ思っているよりも簡単に始められるのでこの機会に是非!(興味があれば拙著で予習できますよ~)
この仕事を始めたころの夢は「タモリ倶楽部に出るようなイラストレーターになりたい」でした。とりあえずまだ叶っていません。どんどん遠ざかっている気すらします。まあ夢なんてそんなものではないでしょうか。
「も」の心得の「目標」は達成するために立てるものですが、「夢」は思い描いて楽しむものだと思っています。ムネアツな名言「夢は見るものじゃなく、叶えるもの」の逆説で少年少女たちに顔向けできませんが、おばちゃんだって「あわよくばタモリ」とまだ思ってます。
夢を思い描くのはいつでもどこでもタダでできる現実逃避です。夢は、いま(現実)と距離が離れているほどいいですね。ほら、買ってもいない宝くじが当たったらどうしよ~って考えるの楽しいじゃないですか。あれは当たらないから遠慮せず夢を膨らませてうっとりできるもの。本当に買ってしまうと欲望がみなぎり、ハズレればガッカリ。現実味が含有しすぎて逃避になりにくい気がするんですよね。叶う可能性がないほうが夢は大きくできるんです。
在宅期間が長くなりすぎると「井の中の蛙化」が進みます。蛙が井戸から出たいな~と思ったとします。明日にも出れそうな井戸の近くを思い描くと「クソッ、出れそうなのに…」と悔しくなってしまいますが、大海を思い描けば「あ~いつか行ってみたいな~」とモチベーションになるんです。
まだなかなか外出できない日が続いていて悶々とすることでしょう。そんなときこそ「夢を大きく」思い描きましょう。自分のポテンシャルは無視です。さあ!
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