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山便り (38)

左手の悲劇的宿命

2019/09/30

 左手は、割の合わない宿命にある。仕事中にけがをするのは何時も左手だ。今日も右手が持つのこぎりで、一生懸命角材が動かぬよう支えていたのに、節の硬い部分で刃が滑り左手人指し指が切られ出血した。こういうことは、今日に限ったことではない。これまでに何回、金鎚でたたかれたことか。右手はのこぎりを持ち、金鎚を握る。左手は釘を持ち、板を支える。ちょっとしたズレが生じると左手はたたかれ、切られることになる。この右手と左手の役割りは不動である。右手のほうが疲れるのは解るが、もっと慎重にやってもらいたいものだ。

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