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真夜中の手紙

真夜中に一通の手紙が届きました。

その手紙はしっとりと肌触りがよかったものですから、うっとりと体に巻きつけてみました。

手紙はスルスルと伸びてきて、私の肩に首に腹にまとわりつき、足首をやさしく締めつけるのです。

書かれた文字たちはコソコソと立ち上がり、耳元へやってきてはくすぐるように語りかけてきます。私はたまらなく欲しくなってしまい、一文字一文字やわらかく指で持ち上げ口へ運びます。それから舌の上でコロコロ転がして飲み込むのです。

甘く湿った文字は喉をすり抜け、溶けながら腹部へと落ちてまいります。文字はゆっくりと吸収されて、やがて私の細胞壁へと引きずり込まれていきます。そうして皮膚を通して語りかけてくるのです。

アイシテナイアイシテル ウレシクナイウレシイノ ソバニイナイソバニイテ フレタクナイフレタイノ カナシクナイカナシイノ オモッテナイオモッテル イキテイナイイキテイル

明日の予感を感じると、手紙はシュルシュルっと折りたたまれて夜とともに消えていきました。

また届くのでしょうか、手紙は。

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