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2022JFL移籍情報、まとめてみました!その1(Honda、V大分、鈴鹿、しまね)

今年もこの季節がやってきました!

JFL移籍情報、まとめてみました。

昨年は17チームによるイレギュラーなシーズンでしたが、いわきFCが優勝しそしてJ3へと羽ばたいて行きました。チーム数は16に戻りましたが、一方でクリアソン新宿の昇格に伴い100年構想クラブの数は据え置き。今年も優勝、J3参入のどちらも激戦が予想されます。

そんな群雄割拠の2022年のJFLがどうなるか、各チームの移籍情報から戦力を見ていきましょう。

4回に分けて更新予定のこのまとめ、第1回は昨年のJFL2位〜5位をご紹介!(1位のいわきはJ3へ参入したため除外しています。)

注:データは2/27現在のものです。随時更新予定ですが、一部未反映の場合がございます。出場試合のデータは各リーグの公式の試合結果や各種データサイト等から引用しておりますが、大学・地域リーグ等については試合結果を手計算している場合もございます。データの不備・間違いについては優しくご指摘いただけますと幸いです。

Honda FC (昨シーズン2位)

昨シーズンは終盤までいわきFCと優勝を争ったHonda FC。惜しくも優勝はいわきに譲ったものの、シーズン20勝に勝点67と例年であれば優勝してもおかしくない数字を残しました。個人成績でもベストイレブンに楠本祐規堀内颯人鈴木雄也岡﨑優希の4選手が選出。岡﨑は16得点で得点王もに輝きました。さらに児玉怜音が13得点でランキング2位の好成績。富田湧也鈴木雄也が7得点で続きました。7度のJFLベストイレブンを誇る鈴木ですが、7得点はキャリアハイの成績です。

しかし、どれだけ好成績を残しても、Hondaが目指すは優勝の二文字のみ。今年は3年ぶりのJFL制覇を目指します。

そんなHondaのシーズンオフは3選手の入退団となり選手数に変動はありません。退団選手ではベテラン原田開が引退。2019年の天皇杯浦和レッズ戦で決めたゴールなど、途中出場から流れを帰るような活躍が多い盛り上げ役でした。昨シーズンも25試合に出場し主力としてプレーしていましたが、残念ながら引退となりました。攻撃的なポジションの補強はありませんでしたが、昨シーズン途中で負傷離脱した﨑山が練習試合で結果を出している様子。現有戦力の台頭にも期待です。

一方の入団選手では各大学のレギュラー格の選手を獲得。中京大学主将の岸田悠佑はG大阪ユース出身。U-23チームでJ3公式戦の出場経歴も持っています。ホームページによるとポジションはセンターバックとのこと。池松や堀内、三浦といった実力者が控えているポジションなだけに割って入れるでしょうか。左利きという希少価値があるだけに楽しみです。また、関西大学から加入した草刈龍星は近年急速に力をつけている鳥栖ユースの出身。激戦区の中盤が本職とあって、こちらもポジションの確保から勝負を挑むことになるでしょう。東洋大学から加入した青木祐太も2選手同様、正GK楠本に挑む構図からのスタートになるのではないでしょうか。

チーム内でのハイレベルな争いがあるからこそ保たれる強豪の地位。今年も優勝争いの中心となることでしょう。JFLの代表として、天皇杯での躍進にも併せて期待です。


ヴェルスパ大分(昨シーズン3位)

一昨年の優勝チームは、昨年も強さをいかんなく発揮しました。特にシーズン後半戦は優勝したいわきFC以上のハイペースで勝ち点を積み上げ、最終順位は3位。失点数は24で17チーム中最小失点。またリーグ100年構想クラブの中ではいわきに次ぐ2番目の成績を収めたことで、結果的には4位鈴鹿のJ3入りを阻む形となりました。個人成績ではベテラン浦島貴大が2年連続のベストイレブンを受賞。得点数では利根瑠偉が9得点でキャリアハイ、中村真人前田央樹が8得点とこの3人でチームの総得点の約6割を稼ぎました。

そんなヴェルスパのシーズンオフは5選手が退団、同じく5選手が入団となりました。退団選手では主に中盤のレギュラーだった高橋宏季が引退しましたが、他の選手は出場機会が限られていた選手。主力選手のほとんどが残留した状態で今シーズンに臨みます。攻撃陣、さらに鉄壁の守備陣ともに来年も健在でしょう。

現状でも強固な守備陣には中村勇太山出旭が新加入。東洋大から加入した中村はセンターバックが主戦場の選手の様子。昨シーズンのJFLベストイレブンの浦島、副キャプテンの西村、大学の先輩となる土田らがいる中でのポジション争いになりそうです。 都リーグのHBO東京から加入した山出は関東学院大学の出身。大学では主将を務めた実力者ですが、膝の怪我で卒業と同時に手術を受けたという苦労人。怪我明けのブランクは気になりますが、応援したくなる選手です。またゴールキーパーでは関西学院大から松本龍典が入団。昨年は姫野と渡辺が激しいポジション争いを繰り広げましたが、松本を加えた今年の正GK争いにも注目です。

中盤から攻撃的なポジションの補強では名古屋から渡邊柊斗が加入。昨シーズンは水戸にレンタル移籍し4試合に出場しています。ボランチが本職の選手のようですが、水戸ではサイドアタッカーとしても起用されていた様子。名古屋・水戸では出場機会に恵まれませんでしたが、大分では高橋の抜けた中盤でポジションを掴めるでしょうか。また日本文理大から加入した立岩玄輝は九州選抜選出経験のある実力者。攻撃に新たなアクセントを加えてくれる選手でしょう。利根、中村、薮内、前田、山﨑など前線には実力者がひしめいているので、途中出場からでも出場機会を窺いたいところ。チーム全体としてさらなる得点力向上ができれば、2年ぶりの優勝も見えてくるはず。前線のニューヒーローの登場にも期待です。

鈴鹿ポイントゲッターズ(昨シーズン4位)

一昨年の5位からさらなる躍進を期した昨シーズンの鈴鹿は、好不調の激しい1年となりました。序盤は3連勝を含む6戦負けなしと幸先の良い出だしでしたが、5月以降は一転8試合勝ちなしとなりミラグロス監督が退任。7月に三浦泰年監督に交代して以降は調子はV字回復し猛烈な追い上げを見せ、J3ライセンスを取得したことも追い風となり成績要件のうちJFL4位以内を達成しました。しかし、100年構想クラブのうち上位2チームの条件を満たすことができず、J参入は果たせませんでした(いわきFC、ヴェルスパ大分がそれぞれ100年構想クラブのため)。個人成績ではエフラインリンタロウが7得点、遠藤・橋本・上田・菊島の4得点が続きます。

最終順位の4位という順位は立派ですが、勝点でみると 8位枚方との勝点差は僅かに2、逆に1つ順位が上の3位のヴェルスパ大分との勝点差は12と大きく差をつけられました。J参入を確実にするためには、上位との差を埋めていく必要があるでしょう。参考までに好調だった後半戦は17試合で勝点32、得失点差+12だったので、この成績が通年で残せると勝点64、得失点+24で3位相当の成績です。

そんな鈴鹿はこのオフ、JFLで最も話題のクラブとなりました。いい話題も悪い話題もありましたが、なんといっても『キングカズ』こと三浦知良の入団はJFL界にとってもビッグニュースでした。スタジアム建設も含め、チームの知名度や観客数の面では確実に大きな効果があるのは間違いありません。JFLからJ3への参入には、観客動員数の要件があります。JFLではかつて金沢に久保竜彦が、鳥取に岡野雅行が、沼津に中山雅史が入団し話題となりましたが、今年のJFLはそれ以上のカズフィーバーに期待です。

大きな話題があった一方で、補強全体に目を向けると退団選手の数が目立ちます。昨シーズンは期限付き移籍加入・途中入団選手が多かったため退団選手のほうが多くなるのは想定内ですが、主力選手が多数退団している点は戦力的に気がかりな部分です。特に昨シーズンのチーム得点王エフラインリンタロウ、出場時間1位の西村仁志、出場時間2位の田村翔太が揃ってJFLのライバルチームへと移籍。蓮沼翔太が引退し、佐藤・出岡・松木(レンタル元に復帰)といったまとまった出場機会のあったの選手も退団。また、ニウドの契約状況も現状リリースがありません。

一方で加入選手を見ると、三浦監督の下でプレー経験のある選手が多数集まりました。青森からは2選手が加入しましたが、進藤誠司は富山で、平出涼は富山と鹿児島で三浦監督の下でプレー経験がある選手。両者ともに昨シーズンは青森でレギュラーとしてプレーしており、実力面、戦術理解面から見ても期待できる選手でしょう。進藤はサイドバックから前線まで起用できる選手。鈴鹿ではMF登録となりました。平出はJリーグでも長く活躍したベテランのセンターバック。三浦監督とともに富山から鹿児島に移籍しており、監督の信頼の厚さが窺えます。DF登録の選手は激減しましたが、鈴鹿は昨年もFW登録の菊島やMF登録の田村、佐藤和らが最終ラインに回ることがあり、登録ポジションによらない起用が多い印象があります。

また、三浦監督がかつて指揮を執っていた鹿児島からは中村健人三宅海斗を獲得。東福岡高の同級生コンビが鈴鹿での大爆発を誓います。鹿児島では出場機会が限られていたようですが、攻撃的なポジションは出岡や田村らが抜けたためチャンスは多いのではないでしょうか。中盤では横浜FCでカズとも長くプレーした中里崇宏を獲得。昨年は夏に水戸に加入しボランチの主力としてプレーしました。四日市出身の前田柊も中盤の選手。八戸でJ3への参入を知る選手が鈴鹿をJへと導きます。中盤は西村が抜けニウドの契約も不透明ですが、実力者をきっちりと補強してきました。

FW陣は平墳・栗原・エフラインリンタロウが退団し、讃岐から栗田マークアジェイ・横浜FCから三浦知良の2人が加入しました。栗田は一昨年はJ3の讃岐で5得点とプチブレイク。昨年もコンスタントに出場機会を得ていました。チーム得点王が抜けた前線だけに、今年の鈴鹿には彼の活躍が不可欠でしょう。鈴鹿のサッカーにフィットし、得点を積み上げることができるでしょうか。そして55歳になる三浦和良ですが、現実的に考えると起用は限定的になるのではなるかと思います。ただし、一昨年のJ1川崎戦で先発出場したように、起用法次第ではピッチ上でもキーマンとなる可能性もあるはず。実弟である泰年監督の起用法にも注目です。

ピッチ内外でも話題にこと欠かない今年の鈴鹿。果たして激戦の JFLを戦い抜き、チェッカーフラッグを先頭で浴びることはできるでしょうか。

FC神楽しまね(昨シーズン5位)

昨シーズンまでは松江シティFCとして活動していましたが、今シーズンからチーム名とチームカラーを一新。FC神楽しまねとしての初年度を迎えます。

JFLに昇格して3年。15位→10位→5位と着実に順位を上げ、昨年は遂に初の一桁順位という成績を残しました。得点数は一昨年のJFL得点王、酒井達磨の移籍も影響してか17チーム中10位の38にとどまりましたが、失点数が37と健闘したことで得失点差は+1とプラス収支。順位の割には物足りない数字ですが、1-0での勝利が全チーム最多の7。また、12位以下のチームとの対戦ではほぼ負けなしと、取りこぼしせずに勝点を積み上げられた点が高成績につながったのではないでしょうか。

個人成績では川中健太が8得点でチーム最多得点。今シーズンからは10番を背負います。2位以降は遊馬将也高畑智也が6得点で続き、ルーキーの伊能玲生が5得点。また加倉広海は全試合途中出場ながら4得点を上げました。遊馬、伊能、加倉と加入1年目の選手がしっかりと活躍した点は、選手だけでなく強化担当やスカウトの力量を感じます。

好調を維持したい今シーズンの編成ですが、5選手が退団し、7選手が加入しました。JFL6チームを含む11チームを渡り歩いた田中賢治、JFL初年度の松江の残留を支えた加藤秀典の大ベテラン2人が引退。また、ほぼ全試合に出場し5得点を上げたルーキー伊能玲生がFC大阪へと移籍。得点力のある選手の引き抜きは痛いところです。一方、それ以外の主力選手は軒並み残留。昨年のチームをベースに、さらなる上積みに期待ができそうです。

今シーズンは大卒選手を中心に選手を獲得しましたが、少々珍しい大学からのスカウティングが目立ちました。ダイエーの中内㓛が創設した流通科学大(関西大学リーグ2部)からは清本将史が、松本大(北信越大学リーグ)からは長野県出身の瀬戸匠海が加入。まとまった得点数から推測するに攻撃的なポジションの選手のようです。地元島根大からはキャプテンの石川健太が加入。生まれも育ちも島根県、大社高校から国立の島根大へと進学した正真正銘のフランチャイズプレーヤー。大学時代はDFが本職のようですが、MF登録に変更して全国リーグへと挑みます。現在のチームに島根県出身者は田平と石川の2人のみ、地元の星として頑張って欲しい選手です。大阪経済大から加入した澤田理玖も鳥取県出身で山陰にゆかりのある選手。昨年はリーグ戦ほぼ全試合にスタメン出場した実力者です。阪南大から加入した今村直也は市立船橋高出身の選手。杉岡大暉や原輝綺の一年後輩として、高校総体優勝を経験しています。センターバックが本職のようですが、松江ではこちらもMF登録となりました。起用法にも注目です。

新卒選手以外では八戸から高島康四郎を、浦安から長田健を獲得。長田は個人昇格となりました。そして伊能の抜けたFWには鳥取県出身、米子北高出身の谷尾昂也が7年ぶりにチームに復帰。当時中国リーグだった松江シティで得点源として活躍し、その後移籍した八戸ではJFLで2桁得点、J3でも8得点と主力として活躍。昨年はJ3鳥取で無得点でしたが、29歳とまだ老け込む歳ではありません。久しぶりのしまねで再ブレイクに期待です。

ガイナーレ鳥取のレジェンド、実信監督も今シーズンで3年目。チーム名を変更して挑む今年のJFLで、どんな大立ち回りを見せてくれるのでしょうか。




昨年の上位チームのうち、 本田、V大分、しまねは主力選手をほぼ残してきました。去年から積み上げたチーム力で今年も好成績を維持できるでしょうか。一方、選手の入れ替えが激しい鈴鹿は新戦力の活躍で悲願のJ入りを目指します。

次回は6位から9位のチームを紹介。上位陣に食い込むことはできるのでしょうか、おたのしみに!


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