見出し画像

神々の息吹を感じられる場所・吾平山上陵

本日は、吾平山上陵(あいらさんりょう)をご紹介します。
 
吾平山上陵は、鹿児島県鹿屋市吾平町にある皇族陵で、ここには初代・神武天皇父・鵜草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)と、母・玉依姫(たまよりひめ)の陵墓があります。
 
神代三山陵について
同じ鹿児島県内には、薩摩川内市に瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の陵墓である可愛山陵(えのさんりょう)、霧島市に火遠理命(ほおりのみこと)、別名「山幸彦」の陵墓である高屋山上陵(たかやさんりょう)があり、これら3つを神代三山陵(かみよさんりょう)と呼んでいます。

神代三山陵と吾平山上陵の場所
(Created by ISSA)
神々の系図
(Created by ISSA)

吾平山上陵について
ここは神社ではなく御陵(みささぎ)、つまり天皇のお墓になるので、歴代天皇の古墳と同様に宮内庁が管理するエリアになります。

入口近くの案内板
(Photo by ISSA)

一般人も、御陵の近くまで行くことができます。その道のりは自然豊かで、川のせせらぎ、風にざわめく木々の音、野鳥のさえずり声など、体中で神々の息吹を感じることができる、いわばパワースポットです。

陵内には三つの橋が架かる
(Photo by ISSA)

途中、右手の姶良川(あいらがわ)に降り、川の水で手を洗い清めます。

姶良川のほとりで手を洗い清める
(Photo by ISSA)

御陵までの道は、どことなく伊勢神宮・内宮までの参道や、手洗い場の五十鈴川を思い出させることから、「小伊勢」などと呼ばれることもあるそうです。

鵜戸山の麓にて
(Photo by ISSA)

行き着いた先にある鵜戸山(うどさん)の麓に鵜戸の窟(うどのくつ)と呼ばれる洞窟があり、その中に高さ1.3m・周囲5mの御父君の塚と、高さ0.9m・周囲3mの御母君の塚があります。

山や窟の名は、御父君の名である鵜葺(うがや)にちなんでおり(注1)、岩屋の陵は全国でも珍しいそうです。

(注1) 宮崎県日南市にある鵜戸神宮も、御父君である鵜葺(うがや)の名にちなんでいる

ただし、御陵は川の奥にあり、岩屋に至る石橋は立入禁止となっているので、一般人が行けるのはここまでです。
 
この石橋を渡るには、宮内庁の許可を得なければなりません。
 
結界でも張られているのでしょうか、何か言い知れぬ「圧」のようなものを感じました。

御陵の前に鳥居が見える
(Photo by ISSA)

1935年には昭和天皇が、その後、1962年にも今上上皇・上皇后様もご参拝されています。

左:昭和天皇行幸記念碑(Photo by ISSA)    
右:岩屋前での記念写真(ぐるっとおおすみ)

大川内神社について
吾平山上陵から4kmほど南に下ったところに、大川内神社があります。ここは、神倭伊波礼毘古命の妃であった吾平津媛(あいらつひめ)をお祀りする神社です。

吾平津媛をお祀りする大川内神社
(Photo by ISSA)

吾平津媛は、神武東征の際に御子である手研耳命(たぎしみみ)を隋伴させる一方、自らは吾平の地に留まり、山幸彦の宝物「潮みつ珠」と「潮ふる珠」をお守りとして、東征の成就を祈願した伝えられており、神社には媛のお守りの珠が社宝として納められているそうです。
 
神武東征についてはコチラ👇

なお、神倭伊波礼毘古命は、東征ののちに大和を平定したあと、大物主命(おおものぬしのみこと)の娘、伊須気余理比売(いすけよりひめ)を正妃として迎え、橿原宮で初代天皇に即位したので、吾平津媛にとり、神倭伊波礼毘古命の旅立ちは「今生の別れ」を意味するものだったのでしょう。
 
神武天皇は、死後も故郷・南九州に戻ることはなく、2600年の永きにわたり、五芒星に守られた畿内の陵墓から日本の繁栄と安寧のために神力を発揮し続けています。
 
一方、神武天皇が安心してそのお務めを果たせるように、南九州に残った前妻・吾平津媛が、神武天皇のご両親の陵墓を近くで見守り続けているという訳ですね。

実際に、以前、神武天皇陵を訪れたときに、何か近寄りがたい独特の「圧」のような気を感じました。

これまでに、言い知れぬ「圧」を感じた場所
伊勢神宮・内宮(左上)
神武天皇陵  (右上)
花窟神社   (左下)
吾平山上陵  (右下)
(Photo by ISSA)

本当のパワースポットは、僅かですが確かに存在していると思います。こういう場所を訪れると、昔の日本人が信じていた皇国とか神風といった概念も分かるような気がします。

鵜戸神社について
吾平山上陵から5kmほど北に上がったところに、鵜戸神社があります。元々は吾平山上陵の一角に鎮座していましたが、1871年の災害で現在の位置に移設されました。

鵜戸神社のたたずまい
(Photo by ISSA)

神武天皇の父・鵜草葺不合尊を主祭神とし、天照御大神から神武天皇までの6代の皇祖神(こうそしん)(注2) をお祀りする神社です。

(注2) 天皇家の祖とされる神のことで、 一般的には天照大御神を指すが、天照大御神から神武天皇までの6代を皇祖神とする説もある
 
日本の神話おみくじ 
余談ですが、参拝した神社に「日本の神話おみくじ」が置いてあったら、必ず、引くようにしています。

日本の神話おみくじ 全20種

私は、とりわけ神武天皇への思い入れが強いためか、神武天皇の引きが強く、神武天皇を引いたときは、つい歓喜の声を上げてしまいます。
 
ただ、頂くお言葉はいつも
「夜明けはもうすぐ」
 
神武天皇のように、あらゆる苦難を乗り越えよ、との神の思し召しなのかもしれませんが、気苦労の絶えない日々の夜明けは、いったい、いつになることやら…😅
 
近いうちに、他の2つの御陵も訪れてみたいと思います🍀